エベレストBCへの旅

2018/04/10-05/02

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山を愛する者なら、一度はエベレストを自分の目で見てみたいと思うもの……と一方的に決めつけるわけにはいきませんが、少なくとも私の場合はそうでした。しかし、エベレスト街道のトレッキングには三週間程度の休暇が必要で、一介のサラリーマンである自分にはそうした機会は得られないものと思っていたのですが、折良く2017年度から現勤務先での勤続10年に伴うリフレッシュ休暇の権利が得られ、しかも役職定年となって仕事上の責任が軽減されたので、この機会を逃さず2018年のプレモンスーンシーズン(春)にネパールを目指すことにしました。

せっかく行く以上は、単なるトレッキングではなくピークハントを組み合わせたいと考え、2017年の秋頃からアイランド・ピークやメラ・ピークといった6,000m峰の登頂プランを探し、資料請求などもしていたのですが、近年こうしたプランの催行確率はあまり高くない模様。最終的には、国際ガイド近藤謙司氏が率いるアドベンチャーガイズ(以下「AG」)のエベレスト公募隊と共にエベレスト・ベースキャンプ(以下「エベレストBC」)を目指し、途中、高度順化行動の一環としてロブチェ・イーストの肩(約6,000m)まで登る「エベレスト公募隊応援ツアー ロブチェ・ピーク登頂とエベレストBC滞在23日間」に参加することにしました。隊の陣容は、リーダーの近藤ガイドとエベレスト山頂を目指すエベレスト隊5人、そしてエベレストBCをゴールとする9人とこれを引率する杉本水生ガイドの合計16人で、これに参加者とほぼ同数の現地スタッフがつくという大所帯です。私はAGのツアーに参加するのはこれが初めてでしたが、参加者の中には常連客も多く、最初から和気藹々とした雰囲気となりました。

トレッキングの起点は、カトマンドゥから飛行機で30分ほどのルクラで、ここからじっくり時間をかけての歩きが続きます。このルートの最大の魅力はもちろん、途中から遠望できるようになるエベレストやローツェの眺めですが、それ以外にも、荒涼としていながら美しいトレッキング道から崇高なアマ・ダブラムの姿を間近に見上げたり、チベット仏教のゴンパ(寺院)やタルチョはためく尾根筋の神秘的な雰囲気に触れたり、人とヤクとが共存する土地の暮らしぶりを垣間見たりと楽しみは尽きません。一方、高度を上げるにつれて空気の薄さと寒さとがダメージとなって蓄積し、エベレストBCに到着するまでレストらしいレストがない行程と相まって、確実に体調を蝕んでいきました。しかし、近藤ガイドのリーダーシップと同行者たちの人柄に恵まれたことによって、楽しく一体感のある隊運営がなされ、気分的に大いに救われました。

そんなわけで、全行程を終えた今となっては「行ってよかった」と心から思える楽しい思い出ばかりとなりましたが、渦中にあったときは日々が戦いでした。そんな、これまでで最もハードな旅の模様を、以下に記録してゆくことにします。

行程表

日程 行程
2018/04/10 羽田から香港経由、カトマンドゥへ。
11 カトマンドゥ滞在。ダルバール広場観光。
12 カトマンドゥから空路ルクラ(標高2,860m)へ、さらに徒歩でパクディン(2,610m)へ。
13 パクディンからナムチェ・バザール(3,440m)へ。
14 ナムチェ・バザールからクンデ・ピークを経てクムジュン(3,790m)へ。
15 クムジュンからパンボチェ(3,930m)へ。
16 パンボチェの寺院でお祈りをしてから、ディンボチェ(4,410m)へ。
17 ディンボチェの背後の尾根を標高5,000mまで上がる。
18 ディンボチェからロブチェBC(4,840m)へ。
19 二度にわたり、ロブチェBCからロブチェ中腹まで高度順化のために上がる。
20
21 ロブチェBCからHC(5,500m)まで上がる。
22 HCからロブチェ・イーストの肩(5,950m)まで登ったのち、HCを撤収してロブチェBCへ下る。
23 ロブチェBCからエベレストBC(5,350m)へ。
24 エベレストBC滞在。登頂祈念のプジャとアイスフォール入り口ウォーク。
25
26 エベレストBCからペリチェ(4,240m)へ。
27 ペリチェからナムチェ・バザールへ。
28 ナムチェ・バザールからルクラへ。
29 ルクラから空路カトマンドゥへ。
30 カトマンドゥ滞在。スワヤンブナート、ボダナート等の寺院巡り。
05/01 深夜、カトマンドゥ発。
02 香港経由、羽田へ。

ノート

→ [ネパール

→ [酸素

→ [装備

→ [運搬

→ [エベレスト隊