塾長の渡航記録

トリフトへのハイキング

2010/07/23

今日のマッターホルンは、完全に雲の中。最後の一日をどう使うか迷いましたが、ライブカメラで見る山上はそれほど天気が悪くなさそうなので、ヘルンリヒュッテへの登りで右手に見えていたトリフトからツムットへの道を目指すことにしました。

手元の「マウンテン・アドベンチャー」というホテル備え付けのハイキングガイドではどこから登るのかわからなかったのですが、なんとなくこっちかな?という方向へ道を進むと、やがて「エーデルワイス道」という標識が出てきて正しい道に入ったことがわかりました。

一段上がった平坦地は放牧地。ツェルマット牧畜業の伝統様式の建物の脇を抜けて、狭い谷間の道をどんどん登ります。

トリフト川の右岸に渡り、樹林の中の道をぐんぐん高度を上げると、途中には良さげな岩壁もあったりしますが、その足元にあった小さな十字架はそこでクライミング中に墜死した人を悼むものだったりするのかも。

ツェルマットからも見えるエーデルワイス(レストラン&ペンション)。ここに泊まるのも楽しそうです。

霧に霞んでいますが、花の種類が多い道を奥へ進みます。

こういう滝も出てきますが、よく見ると滝の落ち口がなんだかヘン。なぜ人工の建物から滝が落ちているのか?

この少し手前で、はっきり雨模様になってきました。ツムットまで行くのは諦めるにしても、せめてトリフトまで登ってから引き返そうと左岸のトラバース道の歩みを続けていると、突然目の前が真っ白に光りました。えっ、うそ!まさかこんなに早い時刻から?と思う間もなく雷鳴。かなり近い場所で鳴っています。こりゃダメだ、と一目散に引き返しました。下る途中で別のハイカーが、やはり雷雨に撃退されて下山するところに追いつきましたが、そこで顔を見合わせて大笑い。一見ミーハーな観光地ツェルマットの、別の一面を見せられたようです。

11時前にはホテルに戻り着いて衣類を着替えると、あとはのんびり観光客モード。傘をさして駅前に出て、お土産をあさったりインターネットサービスでメールをチェックしたり。ちなみにインターネットサービスは駅前のCOOPが入っている建物の一階にありました。料金は、最初の10分がCHF2で、あとは5分ごとにCHF1。Gmailは問題なくチェックできましたが、なぜかメインのMobileMeはつながりませんでした。

午後は部屋でパッキングをしながらのんびり過ごしましたが、テレビに事故で横転した列車の映像が流れてちょっと緊張。ドイツ語なので詳細はわかりませんでしたが、この日の昼前に氷河特急がLaxとFieschの間で事故を起こし、相当数の怪我人が出たということは理解できました。そう言えば、朝食時にレストランにいた若い女性二人組が、この日氷河特急でサン・モリッツへ移動するという話をしていましたが、もしかすると彼女たちも巻き込まれたかもしれません。そのことも心配ですが、氷河特急はツェルマットからフィスプを経由して東へ向かう列車で、つまり明日、私が帰国するためにチューリヒへ向かう路線と部分的に重なっています。もし事故の影響でダイヤが乱れるとすると、飛行機に乗り遅れる可能性もないではありません。念のためホテルを出て駅へ足を運んでみましたが、構内の掲示板には特に変わった様子を示す表示はありませんでした。とは言え、明日は予定より一本早い、始発の列車に乗ることにしよう、と決めてホテルに戻りました。

この日、スイス最後の夕食はホテルの一階のレストランでとりました。今回の旅行での最高のご馳走です。パンに何種類かのペーストを添えたもの、大盛りのミックスサラダ、そしてメインディッシュはゲシュネッツェルテス(細切り肉のクリーム煮)とレシュティ(刻んだジャガイモ)が同時に盛られた一皿。

ワインは最初に白を二杯、その後に赤を一杯。ワイングラスに1dlの目盛りがついていて、ちゃんと分量を量れるようになっているのがいかにもスイスです。料理もワインもおいしくいただきましたが、やっぱりレストランでの食事は一人より二人での方が楽しいものです。食後にホテルの主人夫婦に「ここに六年前にも泊まったことがあるんですよ」と話しかけると、二人ともびっくりするとともに大いに喜んでくれました。前に来たときにも思ったことですが、このホテルは場所もいいし、華美ではなくても部屋は清潔、そして料理もおいしく、何度でも泊まりたくなるところです。

夜、ニュース番組の「SCHWEIZ AKTUELL」で事故の続報を知ろうとしましたが、これといって決定打になるような情報は得られませんでした。というわけで、あとは運を天に任せるのみ。