ウボンラーチャターニー

2000/07/20 (2)

ウボンに戻る途中、道路沿いのお世辞にも立派とは言えないレストランで昼食をとっていると、手洗いに立ったトンを待つ間に彼のガールフレンドから「タイ語は何か話せますか?」と聞かれたので、知っているのはコックン・クラッ(ありがとう)とマイペンライ(気にしない気にしない)だと言ったら、思い切り笑われてしまいました。

ウボンでは、スリンの象祭り、スコータイのロイカトンと並んでタイの三大祭りと言われている蝋燭祭りの山車を見ました。この祭りは、もとはといえば暑期から雨期への移り変わりとともに「雨安居」として寺院に止住することになる僧侶たちのために大蝋燭を寄進するもので、写真のように仏教説話に題材をとった鑞の山車が何台も連なり、夜はライトアップされるそうです。コンテストもあるそうで、山車の前にはトロフィーやら表彰状やらが飾られていました。また、近くの広場にはこの山車を模した、直径・高さとも数十mはある巨大な黄色のモニュメントがあり、ウボンの街が蝋燭祭りにかける力の入れようが窺えました。

ついで訪問したのはワット・トゥン・シー・ムワン。ラーマ3世のときに建てられたという池の中の木造のお堂がユニークで、近くの看板には英語で「HOUSE OF BUDDHIST SCRIPTURE」と説明書きがありました。以下、ワット・バンナムアン(船型のお堂がユニーク)、ワット・シーウボンラット(エメラルド仏があるが拝観不可)、ワット・スパッタナーラーム(黄金の仏像がきれい)と次々に案内されましたが、英語の看板がほとんどないこともあって、だんだん自分がどこに案内されているのかわからなくなってきました。

最後に訪れたワット・ノーンブアは高さ56mの白い四角錐の仏塔が有名で、内側には黄金の小仏塔(といっても見上げる高さ)が置かれています。この塔は仏陀入滅2500年を記念して1956年に建てられたもので、小仏塔の中には仏舎利が納められているそうです。ちなみにこちらの地方では年号は仏陀入滅を起点とする暦が採用されており、今年(西暦2000年)は2543年に当たるという説明を受けました。確かに仏教国のタイでキリスト暦を使う方がおかしいわけですが、西暦に慣れた自分には新鮮な驚きでした。

また、この仏塔の近くには大きな新しいお堂があり、高い天井、ひんやりとした大理石の床、黄金の仏像群が荘厳な雰囲気を醸し出していました。

以上で今日のメニューを終え、市内にあるLaithon Hotelに向かいました。ふと気付くと行き交う車の大半は日本車で、そのことをトンに言うと「Yes. Japanese cars' show room!」と笑っています。トヨタ、日産、ホンダ、いすず、三菱……タイには各国の主要自動車メーカーの工場があり、近年生産の伸びも順調でタイ経済復興の一翼を担っているのだそうです。