塾長の渡航記録

塾長の渡航記録

私=juqchoの海外旅行の記録集。遺跡の旅と山の旅、それに諸々の物見遊山。

出発

1999/11/19

午前中会社に出て仕事を済ませ、正午になったらサクっと帰宅して余裕で羽田空港へ向かうはずだったのに、こういうときに限ってクライアントからY2K関係の質問が入り、これを処理し終えたのが13時半。速攻で家に帰って着替え、昨夜のうちにパッキングしてあった手荷物をがらがら引いて電車に乗りました。

チャイナ・エアラインのCI101便は17時05分発で19時45分に台北着。ここで21時55分発のCI065便に乗り換えて00時45分にバンコクに到着するというのが当初のプランです。前回はユウコさんが空港まで迎えに来てくれていましたが、今回はこの日までユウコさんにネパールへの出張が入っており、空港からタクシーでユウコさん宅まで辿り着かなければなりません。チャイナ・エアラインが発着する国際線ターミナルはビッグバードからバスで数分の距離にあり、カウンターでチケットを受け取ったのは15時40分。チェックインの列もなかなか前に進まないもののまだまだ時間にゆとりがあるのでのんびり構えていましたが、チェックインカウンターで台北からのCI065便が1時間20分のディレイで、バンコク着は2時05分になると聞かされびっくり。明日は午前6時集合でスコータイ行きのバスに乗ることになっているので、これでは寝る時間はほとんどないことになります。

台北までの飛行機の中では例によって映画タイムとし、日本でも公開されている『The Thomas Crown Affair』を観ることができました。ピアース・ブロスナン演じる大富豪の絵画泥棒と保険会社の女性調査員の駆け引きと恋のお話ですが、ストーリーも面白いしブロスナンもかっこよく、最後の絵画戻しのトリックが奇抜で楽しめました。

台北の空港では持参した『地球の歩き方 / 東南アジア』を読み通してしまうくらい時間を持て余しましたが、台北からバンコク(漢字では「曼谷」)への便ではスティーブ・マーティンとエディ・マーフィが共演する『Bowfinger』を観ました。こちらは、スティーブ・マーティン演じる夢想家にして恥知らずの映画プロデューサーがエディ・マーフィが演じるスター俳優を主演に映画を撮るお話。ただし当のスター俳優は自分が映画に出演させられていることを知らないというのがミソで、自分の回りで次々に起こる奇怪な現象にすっかり翻弄されてしまうところが思い切り笑える仕掛けです。

ようやくバンコクに到着し、帰りの飛行機のリコンファームをしようとチャイナ・エアラインのカウンターを探しましたが、さすがにこの時刻では閉まっています。仕方なくここからユウコさん宅までタクシーに乗るわけですが、メーター・タクシーでは料金交渉が必要であり、それ以上に金持ちとおぼしき観光客がトラブルに巻き込まれるケースもなくはないので、空港公団運営で市内まで一律650バーツのリムジンタクシーを頼むことにしました。ロビーのカウンターへ行って「ここへ行きたいんですが」とユウコさんからの手紙の封筒に書かれている住所を示すと、受付のお姉さんが「あぁ、xxxxね」と即座に運転手を呼んでくれました。「xxxx」の部分はマンション名なのですが、そのままタクシーの運転手にも通じるとはそんなに有名なマンションなのか?と訝しんだものの、気の良さそうな運転手は高速の下をすいすいと南へ走ってついと東へ曲がりました。行き先のxxxxマンションはそこからすぐのはずなのですが、しかし車はどんどん突っ走り「?」と思っていたらとあるホテルの前へ着いたので見上げてみると、何とこちらはxxxxホテル。こちらが旅行者なのでカウンターのお姉さんがてっきりホテルに向かうものと思い込み、封筒に書いてある住所をよく確かめずに運転手に指示したようです。「ここじゃなくてスクンビットのソイ3なんだけど……」と告げると運転手も驚き、まいった〜といった声をあげましたが、快く元来た道を戻って目的地へ連れて行ってくれました。

マンションのエントランスに着くと守衛が「どちらへ?」と聞くのでルームナンバーを告げたところ、荷物を持ってわざわざ11階の部屋の前まで来てくれ、ユウコさんが出迎えるところを見届けてから引き上げました。これは来訪者へのサービスというより、住人の保安上の観点からのものなのでしょう。よくできたマンションだと感心しましたが、ともあれ着いたときには既に3時を回っており、2時間半後には出なければならないので寝る時間はわずかしかありません。お土産の醤油やソース、洗剤などを取り出し、デイパックに着替えなどを詰め替えてから、ごくわずかの仮眠をとりました。