出発 / 東大門周辺散策

2019/02/09

旅の初日はソウルまでの移動日。ヨーコさんとは別便となり、私は羽田8時50分発のフライトです。

この日の東京は降雪による交通機関の遅延発生が予想されており、空港までの電車には影響がなかったものの、駐機場では翼の上に水?湯?をまいての融雪作業が行われました。9時50分に飛び立った飛行機は、脇目も振らずに高度を上げ続けて雲の上。あとは順調なフライトでした。

好天の金浦空港に到着したのは昼前で、荷物をピックアップして空港を出てすぐの場所にあるリムジンバス乗り場で係員のおじさんにホテル名を告げ、₩7,000支払ってチケットを購入。やがてやってきたバスでソウル市内までは約1時間の行程で、この日の宿となる東横イン東大門2の真ん前に降り立つことができました。

ソウル訪問はこれが二度目ですが、前回は仕事での一泊二日の出張でまったく観光をしていません。そこで、ホテルのチェックイン開始時刻である16時までの2時間ほどのゆとりを活用してぶらりと市内を散策することにしました。シューズやギアが入った大きなザックはホテルに預かってもらい、デイパックを背負った姿で街に繰り出しましたが、その名の通りホテルのすぐ近くに東大門があるのでまずはこれを目指しました。

真っ先に目についたのは、曲線中心の外観を持つ前衛的な建物=東大門デザインプラザとその前に置かれた二体のオブジェ。建物の設計者は、日本の新国立競技場の大胆な設計案が物議を醸したザハ・ハディッドです。奇抜ではあるものの不思議な落ち着きも感じさせるこの建物の前に立ってしばらく写真を撮り続けましたが、やはり寒い!東京に雪を降らせた寒気がソウルの上空を支配しているのかもしれませんが、素手で歩くのは厳しく、タウンウォークだというのに防寒テムレスが欲しくなってくるほどです。

すぐ先にあるのがこの東大門동대문、正式名称は興仁之門흥인지문で、14世紀に建てられたもの(現在の門は19世紀に修繕を受けています)。ソウルの街をぐるりと囲む城壁の東西南北に設けられた四門の一つで、その名に含まれる「仁」は儒教の仁義礼智信からとられています。今では周囲を車道が寸断しているために門の機能を果たしていませんが、城壁の外側にあたる東側に半円形の馬出を設け、これをぐるりと囲む城壁の上から見下ろす構造となっていて、重厚かつ堅固な構えをしています。ただし、門の中に入ることはできず、少し遠目に見やることしかできないのが残念です。

さらに周囲を見ると、門の北側の斜面の上に城壁が伸びていたので、これを辿ってみることにしました。入り口は公園風に整備され冬枯れの芝生が寒々しい雰囲気ですが、この寒さをものともしない熱いカップルが何組も散策しています。

城壁の構造はこんな感じ。最初はすぐにてっぺんに着くかと思っていたのですが、見れば城壁は奥へと続いています。より高いところへ道が続いていればその先を究めたくなるのは山屋のサガというもの。ついそちらへと足を伸ばすことになりました。

途中の展望台から北の方角を眺めると、ソウル郊外の山である北漢山북한산プカンサンとその北北東に隣接する道峰山도봉산トポンサンが見えています。右端に顕著な岩峰が見えていますが、もしやあれが仁寿峰인수봉インスボン?とそのときは思ったものの、後で地図を見たら仁寿峰は北漢山の中の岩峰なので違う模様。いずれにしても見るからに花崗岩らしき岩峰が連なる様子は実に魅力的ですし、その山が首都からこれだけ近いところに聳えているというのも驚きです。

それにしてもこの城壁、いったいどこまで続いているのか?城壁の向こう側(写真の右側)は急勾配で落ちているようですが、こちら側(左側)には普通に民家が建ち並んでいてあまり歴史の重みを感じさせません。行けども行けどもユルい登り道が続くこの道行に心が折れそうになった頃、ようやく「駱山頂上」という標識が現れて、そこからわずかの登りで最高点に到達しました。

ここが東大門の北側に伸びる城壁の中の一応のピークである駱山낙산ナクサン。東大門からここまで実際にはわずか20分の登りですが、先が読めない中での一方的な上り坂には少々疲れました。しかし、この山頂からの展望の良さは特筆もの。北漢山方面の眺めはもちろん、振り返ればソウル市街も広く見渡せて、夜景も美しいだろうと想像されます。

来た道を忠実に辿ってホテルに戻る途中、場末感漂う小さなセブンイレブンでサンドイッチを購入し、チェックイン後に自室で小腹を満たしたあと、ヨーコさんが到着するまでしばし仮眠をとりました。そのヨーコさんの乗った飛行機は、雪のせいでフライトが40分遅れ、おかげで合流できたのは21時近くになってしまいましたが、韓国に来た以上は焼肉を食べに行かねばということで二人して夜の街に繰り出しました。

日本語のメニューが店頭に表示されている店を選んで中に入ると、ご主人らしき人は日本語ペラペラ。まずはビールでツアーの成功を祈って乾杯し、ご主人のアドバイスを得ながらあれこれ注文して、かなり豪勢なディナーとなりました。明日からの三日間、がんばろう!