塾長の渡航記録

塾長の渡航記録

私=juqchoの海外旅行の記録集。遺跡の旅と山の旅、それに諸々の物見遊山。

出発

2001/12/27

今回のツアー参加者は総勢9人。このうち大阪在住のトモコさんは関空で合流することになっており、それ以外の8人とツアーリーダー(以下「TL」と略す)の早川敦氏の合計9名が羽田空港の待合せ場所に集合したのは午前7時頃でした。アトラストレックの早川氏というと晃生氏という方が著名人なのだそうですが、敦氏も年齢は20代ながら8000m峰2座のサミッターです。アトラストレック、恐るべし。

台高山脈を眼下に見て飛んだ飛行機は鳴門から右回りにぐるりと回って関空に着陸し、ここで無事にトモコさんと合流したら、シンガポール航空の777に乗り換えてちょうどお昼に飛び立ちました。機内ではジャッキー・チェンとクリス・タッカー主演の『Rush Hour 2』を観ましたが、主役2人の活躍に加えて貫禄のジョン・ローン(というよりこの役柄ではもったいない?)や悪女役でも魅力的なチャン・ツィイーも共演し、理屈抜きで面白い映画でした。

やがて機はシンガポールに近づきましたが、機内アナウンスによると天候は「あいにくの雨」とのことで、着陸体勢に入ってから窓の外は真っ白になり機体もぐらぐら揺れはじめました。ところが、かなり長く揺れてだんだん気分が悪くなってきた頃に長いエンジン音を響かせて飛行機が上昇を始め、直後に機内アナウンスがあり「着陸を試みたが悪天のため失敗。もう一度トライする」とのこと。うわー、失敗?と動揺していると、ぐるっと回った飛行機は再びがたがたと揺れはじめ、とうとう乗客の中に嘔吐する者が出てきてしまいました。しかし今度も着陸できず「シンガポール空港には降りられないので、燃料を補給するためいったんクアラルンプール空港に向かう」とアナウンスされました。

18時50分、クアラルンプール空港到着。シンガポールからドバイへの乗継便の出発時刻は0時10分だからまだ時間にゆとりはあるはず……だったのですが、この機と同様にシンガポールに降りられずクアラルンプールへ飛来した飛行機が他にも8機あり、給油待ちだけでもかなりの時間を要しました。やっと22時40分にクアラルンプールを離陸し、シンガポールのチャンギ国際空港に無事着陸したのは23時55分で、空港の施設内に入り早川TLが情報収集してきたところによると、なんと我々が乗り継ぐはずのエミレーツ航空の飛行機はまだ来ていませんでした。この機はメルボルンからシンガポールを経由してドバイに向かうはずだったのですが、こちらも嵐のためにシンガポールに辿り着くことができなかったようです。結局、翌早朝の飛行機を待って空港泊まりということになってしまいました。まさか、旅の初日からビバークすることになるとは……。

空港内のレストランで1,200円もとられながら焼そばと青島ビールの夜食をとった後、他のツアー参加者と共に明日の便のゲート近くの椅子に思い思いに腰を下ろして仮眠をとることになりました。しかし、一行はさすがに山屋の集団なので、どんなに待遇が悪くてもキリマンジャロに登るためなら文句を言わず我慢するといった態度を示しています。寝る前に空港内のインターネット・カフェ(15分でUS$2以下単に「ドル」と表記したときはUS$)で自分のウェブサイトのBBSを覗いてみたところ「キリマンジャロがんばれ!」といった声援のスレッドが立っていて、このまま登山口にも着けなかったら日本に帰れない……と思い切り焦りました。