塾長の渡航記録

塾長の渡航記録

私=juqchoの海外旅行の記録集。遺跡の旅と山の旅、それに諸々の物見遊山。

帰国

2013/07/26-27

帰国の日。最後のアイガーは、快晴の空と月の下での悠然とした姿で見送ってくれました。

しかしズームして覗いてみると、なんだかあの稜線のどこかに何か忘れ物をしてきたような気がしてなりません。

そんな気持ちを振り切って、成田へ向かう機上の人となりました。次にスイスへ来る機会は果たしてあるでしょうか……。

参考情報

技術

マッターホルンとアイガーとのそれぞれ小屋からの登りを比較してみると、マッターホルンの方が標高差は大きく、こと山頂までで見れば体力的には厳しいはずであるにもかかわらず、アイガーの方が自分には厳しく感じられました。

ヒュッテ 山頂 標高差 片道時間
マッターホルン 3260m 4478m 1218m 3時間16分
アイガー 3355m 3970m  615m 4時間00分

それには、水平距離の違いや連続するフィックスロープの厳しさなどの要因がありますが、何よりもフリッツに連れられて登ってみて、自分のアルパインクライミング技術がまだまだ不足していることを痛感させられました。それは、たとえばこんな場面で出てきます。

傾斜の立った岩場を登るフリークライミング技術に関しては、セカンドでアイガーを登るのに不足ない程度の技量は身に付けていたと思いますが、むしろ問題はこうした水平ないし下りの岩場で、ビブラムソールやアイゼンを履いた状態で岩の上を安定した姿勢でリズミカルに歩けるかどうか。上の動画の私のように、つい腰を落として手を出しているようではスピードが上がりません。一方、こうした場所をフリッツを始めとするガイドたちは、平地とまったく同じように腰を高く維持したままためらうことなく歩いてみせるのです。

本場アルプスのガイドが教えてくれた、登山靴での安定した歩行技術こそアルパインクライミングの中核技術であるという事実を、これからの国内でのトレーニングの中で噛みしめていく必要がありそうです。

動画

スイスの山々を登り続けているうちに、この雄大な景色をしっかりしたカメラで動画に記録したいという気持ちが高まってきました。そこで今年導入したのが、山仲間のセキネくんに教えてもらったGoPro HERO3です。

最初に使用したのは3月の阿弥陀岳北稜で、ここで感触をつかんでさらに数日後の赤岳でも使用し、さらに7月の富士山ではタイムラプス動画の作成ノウハウも手に入れました。こうした練習に加え、GoProの弱点であるバッテリーの持ちの悪さを補うために交換用バッテリーと増設用のバッテリーBacPac™も購入して、万全の態勢でアイガーに臨みました。その成果はアイガー登頂のレポートの中で示した通りですが、実際にはどの場面がどの機材で撮影されているかを示すと次のようになっています。

  • 2013/07/22
    • 夜明けのタイムラプス動画→GoPro HERO3
    • 登山電車での移動→iPhone 4S
    • アイスメーア駅からヒュッテまで→GoPro HERO3
    • ヒュッテでの情景→iPhone 4S
  • 2013/07/23
    • ヒュッテから頂上近くまで→GoPro HERO3
    • 頂上近くの足元の画面から登頂まで→OLYMPUS TG-2
    • 頂上での情景→GoPro HERO3 / iPhone 4S
    • 下山開始〜メンヒ近くの安定した場所まで→OLYMPUS TG-2
    • メンヒ近くの安定した場所〜ユングフラウヨッホまで→iPhone 4S
    • 夕暮れのタイムラプス動画→GoPro HERO3

OLYMPUS TG-2がもっと活用できればよいのですが、OLYMPUSのデジカメはマイクが拾うノイズがどうしても気になるため、ヒュッテの中や山頂などの安定した場所ではiPhoneを多用しました。そして、下山開始以降ホテルに戻るまでGoProが登場しないのは……バッテリーが切れたからです。

バッグ

昨年のグリンデルワルト旅行では、見事にデイパックを盗まれてしまった私。あれは悲しかった。

今年の携帯用のバッグを何にするかということについては旅行直前まで決めかねていたのですが、上述のとおりGoPro HERO3でアイガー登頂のムービーを撮ることにしていたので、撮影した動画を加工するために(ついでに暇があれば仕事のメールを確認するために)持参するMacBook Airを収納するのに都合のいいバッグを探してみたところ、モンベルの「アウルパック 20」がアンテナに掛かりました。

カタログに曰く、

ノートや雑誌、ノートパソコンなどを機能的に収納できる、通勤や通学に便利なデイパックです。開口部は大きく開き、中身が確認しやすくなっており、本体内部には本やノートを固定できるナイロンテープやノートパソコンを収納できるPCポケットを搭載。A4サイズ対応のフロントポケットには小物類を機能的に収納できるオーガナイザーポケットを内蔵しています。

という通りで、その機能性で今回の旅を快適なものにしてくれました。アウルパックよ、ありがとう!