塾長の渡航記録

塾長の渡航記録

私=juqchoの海外旅行の記録集。遺跡の旅と山の旅、それに諸々の物見遊山。

帰国

2019/08/11-12

朝6時15分にホテル裏手の駐車場にやってくるAlpyBusを待つために5時半にロビーに降りると、徹夜番のおばさんが朝食を用意してくれていました。ありがたいことです。

この「Hotel Richemond」には連続11泊したことになるのですが、次にシャモニーに来る機会があればまたここに泊まりたいと思わせてくれるフレンドリーなホテルでした。

こうして、3年ぶり4回目のシャモニー旅行が終わりました。主目的であったドリュには登れなかったものの、それぞれに個性のある5本のクライミングと2度のハイキングを楽しむことができ、雨の日と休養日のタイミングもぴたりと一致するという、近年稀なほどに運に恵まれた旅となりました。

ただ、ガイド頼みでなく仲間と共にルートを探りながら登ることの楽しみ(2015年2016年)を知ってしまっている身としては、やはりガイドされてのクライミングに終始したのでは物足りません。限られた時間(自分の場合は「残された時間」と言ってもいいかもしれません)の中で安全を確保しつつルートを辿るために、経験豊富なガイドの力を借りることはあっても良いと思うのですが、それ「だけ」ではチャレンジの要素が格段に減ってしまいます。したがって次の機会があれば、できることなら共にロープを結んでくれる仲間と渡欧したいと思っているのですが、イレブンが楽に登れてアルパイン指向で「リュックサックが重そうですね。なんならロープ2本担ぎますよ」と言ってくれる、そんな心優しいクライマーはいないでしょうか?いないか。

参考情報

装備

出国前にあらかじめテオから示されていた装備の一覧は、次の通りです。ところが、このうち太字で示したものの意味が最初は判然としませんでした。

helmet - harness - ice axe classic alpinism - 2 carabiners - 1 sling 120 cm - boots(example LaSportiva G5 or Scarpa Phantom) - climbing shoes - crampons with steel points - jacket in goro-tex or rain jacket 3 layers - down jacket minimum 400 gr. - 1 wind stopper or pile - 1 medium level of jacket - 2 pairs of socks - 2 t-shirt - long trousers medium level - over trouser in goretex - 2 pairs of gloves - ski mask - sun glasses minimum 3 protection - pools - ruck sack minimum 30 liter - camel back 1 liter minimum - solar cream - hat - front lamp - leggings - fuseau - sun hat - food - compeed - tape - passport - phone and camera

「leggings」は語感からしてスパッツのことだろうと想像がついたものの、あとの三つはMacの辞書アプリに聞いてもそれらしいものが出てきません。そこで、Google検索で画像を表示させてみたところ、次の通りでした。

  • pools:スタッフバッグの類。
  • fuseau:本来は「紡錘」ですが、ここでは雪山用のオーバーパンツらしい。
  • compeed:絆創膏?しかし「compeed」は特定商品の商標のような……。

3点カード

シャモニーでクライミングライフを送る上で必要となるのは、次の3点です。

  • 滞在中のシャモニー周辺のバスや列車が無料になるゲストカード(左)
  • フランス山岳会の会員カード(中)
  • ロープウェイやゴンドラのマルチパスカード(右)

バスが無料になるカードは、ホテルが宿泊者に対し無償で提供してくれるのでOK。次にマルチパスカードは、これまでいつもミディのロープウェイのチケット売場の長蛇の列に並んで時間をかけて購入していたのですが、ロープウェイ駅前の広場にあるインフォメーションの建物の横に自動販売機があるのを発見しました。9日間のマルチパスで€165.50ですが、クレジットカードが使えてこれはお手軽です。

問題はフランス山岳会の会員証で、その主たる目的は保険です(よって他に保険加入していれば必須ではありません)。

入会手続自体は簡単で、火曜日から土曜日までの16時から18時45分までしかオープンしていないフランス山岳会のオフィスに赴いて、1人でぽつんと座っているお姉さんに入会の申込みをすれば、審査めいたものもなく簡単に会員証を入手することができます(写真要持参)。捜索費用€30,000、運搬費全額、治療代€300,000、さらに障害・死亡補償もつき、山小屋の割引特典もついて会費は€184。金額の内訳も説明してくれるのですが、実はこの金額のうち€87は「Extension Monde Entier」です。シャモニーにいる間だけ補償してくれればいいのでこれはいりません、と交渉してみたものの、EUやスイスに在住していないのであればこのオプションは必須なのである、とお姉さんに厳かに宣告されてしまいました。