ウブド最終日

2004/01/01

元日の朝、一人ヴィラを抜け出して初日の出を拝みにホテル内を歩き回ってみました。あいにく雲がかかって樹林帯の向こうがぼんやり明るくなるだけの日の出でしたが、テラスの上で手を合わせてこの一年の平和と幸福を祈りました。

その後、昨夜予約したスパに行ってみました。我々が泊まっているヴィラから遠い端の方に川沿いへぐっと下るエレベーターがあって、そこの斜面に建てられた風通しのよい小さな建物がスパの受付。ここでどんなオイルを使うかを選べるので、レモングラスの香りがしてリラックス効果があるという「Inspiration」という油を選択。別室で着替えてベッドの上に横になり、30分程マッサージを受けました。実はマッサージの類はあまり好きではなくて、それでもせっかくのバリ島だからリゾート気分を味わってみるか、と試してみたのですが、特にふくらはぎのあたりはぐいぐい押されると痛くてたまりません。去年一年間クライミングでずいぶん酷使したからなぁとは思うものの、痛さについうめき声を上げてしまいました。

スパ終了後、ゆっくりめの朝食をとってからチェックアウト。すると、いつの間にかエコさんがバリ島の焼酎=アラックを届けてくれていて、フロントで受け取ることができました。エコさん、ありがとう!黒糖焼酎がなくなった頃に、日本から次の一本を送ります。そのまま荷物をホテルに預けて、今日はウブド市街の南寄りにあるモンキー・フォレストへ行ってみることにしました。シャトルバスでサッカー場まで送ってもらって、そこからその名もモンキー・フォレスト通りを南へ。ちなみにウブドの北寄りを東西に走る通りはラヤ・ウブド通りで、サレン・アグン宮殿の十字路から南へ伸びているのがモンキー・フォレスト通り、その東寄りをやはり南北に走っているのがハノマン通り。縦の通りがふたつとも猿がらみというのも面白いですが、実際、バリ島ではラーマーヤナに出てくるハヌマンへの親近感から寺院に猿が住みついていることが多いそうです。

モンキー・フォレスト通りの南の突き当たりに高い樹林の公園があって、それがモンキー・フォレスト。野生猿の保護区で、入口で入園料を払いバナナを買って中に入ると、すぐに毛並みのいい猿たちに出会うことができました。彼等は人によく慣れていて、観光客がカメラを向けても一向に気にしないし、こちらがバナナを持っていると見るとすたすたと近づいてきて膝のあたりにしがみついてバナナをせがみます。仕方なく一本分け与えると次の猿が近寄ってくるという具合ですが、中には図々しいやつがいて、片手にバナナを持っているのにさらに一本せしめようとにじりよって来たので「お前もうもらっただろ!」とマジ切れして追い払いました。

広いモンキー・フォレストの中をふらふらと歩き回って猿に飽きた頃に外に出て、モンキー・フォレスト通りを北上。途中通り雨に降られながら歩いた道すがらには、衣服屋やレストランやインターネットカフェが並んでいて、インターネットはだいたい1分20ルピア(安い!)でした。ところが、その先で恐ろしいものを見てしまいました。サッカー場の近くでシャトルバスを降りたとき、ちょうど豚が一匹、二人がかりで肩に担いだ棒に逆さに吊るされて運ばれるところを見かけていたのですが、猿見物を終えて同じところにさしかかると、先程の可哀想な豚は近くの集会所風の建物の土間で人の握りこぶし大のコマ切れに分解され広げられていたのです。きっとあれは、お正月のごちそうに化けるのに違いありません。

カフェ・ロータスでお昼。前回は椅子席でしたが、今回は高床式の座敷にしてみました。ビールはバリ・ハイを頼みたかったのですが置いていなかったので、ビンタンビールのスモールを注文。食べる方はミー・ゴレンとクラブサンド。我々のすぐ近くでは若い白人の夫婦が席について青い目の赤ん坊を床に寝かせていましたが、これをみつけたこれまた若いウェイトレスさんが赤ん坊のあまりの可愛さに思わず大喜びしてあやしはじめ、「女の子?」「いえ、男の子よ」「まぁ、信じられない!」みたいな会話を奥さんとかわしていました。しかし、私としては赤ん坊よりもそのウェイトレスさんの方がすらっとしたバリ美人という感じでよっぽど可愛かったのですが、Fさんの手前あまり下心を出すわけにもいきませんでした。

まだまだ時間はあるので、近くのプリ・ルキサン美術館へ足を伸ばしてみました。この美術館はアムステルダム出身の画家のルドルフ・ボネとウブドの王家スカワティ家、それにバリ絵画の巨匠イ・グスティ・ニョマン・レンパッドによって1936年に設立された芸術家協同体「ピタ・マハ」の理想を受け継いだ財団が、1956年に創設したもの。ここでもバリ島の絵画の各種スタイルを学ぶことができて、ようやくウブド・スタイルとバトゥアン・スタイルの違いをはっきり認識することができるようになりました。また、レンパッドの独特の線描画も多数見ることができて、小さいながらも充実した美術館です。

気の向くままに絵を眺めたり、備え付けられた籐の椅子に座ってまどろんだりしながらゆったり時間を過ごし、夕方前にホテルに戻りました。オープンエアのバーで無料サービスのジュースを飲みながら暗くなるのを待ち、定時にガイド(やはりグン氏ではありませんでした)と落ち合って空港へ向かいました。