捨離

今の住まいに住み始めて、すでに22年余り。その間にはさまざまなモノがたまったり壊れたりするわけで、適時適切なメンテナンスを怠ると住み心地は負のスパイラルに巻き取られてどんどん低下していきます。ことにリビングの床を埋め尽くした山道具類、書斎の机上と床とを埋め尽くした各種書籍類は文字通り足の踏み場もない状態で、これを世間では「ごみ屋敷」と呼ぶのだろうなとひとり納得していましたが、さすがにこのまま還暦を迎えては人としてまずかろうと一念発起したのが昨年の秋のことです。

以来数ヶ月、山に行かない週末を使い……というより、山に行く回数も控えめにして片付け・掃除に明け暮れる日々を過ごしました。なんといっても家の中にあふれかえっているさまざまなモノを処分することが先決ですが、その対処方針と結果を種類別に整理すると、次のようになりました。

◆本とCD

買い手がつきそうだと思われる本とCDは、ブックオフに買い取ってもらいました。その結果、本221冊、CD278枚、DVD10枚で締めて105,189円。一番高く売れたものは、断腸の思いで手放した『リー・クアンユー回顧録』上下巻でした。あとは、とても売れそうにない本・雑誌を資源ごみとして出すだけ。

◆レーザーディスクとコンサートパンフレット

こんなもの売れるのかと思われるかも知れませんが、探してみると引き取ってくれる業者さんがあり、LD40枚とパンフレット多数が2,600円(送料は業者さん負担)になりました。金額としては大したことありませんが、思い入れのあるディスクを捨てるに忍びず、二束三文でも引き取ってくれる人がいれば御の字という感覚です。なお、コンサートパンフレットの中でもRush(1984年の来日時のもの)とEddie Jobson関連のものはキープしました。

◆映画・舞台パンフレットと楽譜

これまた業者さんに72点を2,580円で。バレエのパンフレットは流通が飽和状態にあるようで引き取ってくれないので資源ごみとして捨てることにしたのですが、シルヴィ・ギエムが表紙を飾っているパンフレットとピンク・フロイド・バレエだけはとっておくことにしました。

◆楽器・コンピュータとオーディオセット

アイバニーズの5弦ベースとフェンダー・ストラトキャスターは思い切って処分し、KORGのT-3はギター用マルチエフェクターと共に近所の中古楽器店「サウンドライク」に5,000円で引き取ってもらいました。一見するとずいぶん安いようですが、T-3は鍵盤の状態が悪かったので、まあ仕方ありません。また、Macintosh ColorClassic IIと古いNECのノートパソコンはコンピュータ廃棄専門の業者さんにデータ消去後の処分を依頼し、オーディオセットほかは区の粗大ゴミ処理手続に則って。カラクラを手放すのは残念でしたが、もう起動しなくなっていたのでこれまた仕方なし。長らく使っていなかったオーディオセットも、この機会に思い切って廃棄。

◆その他

ヤフオクにはずいぶんお世話になりました。サイズ合わずで長く使わずにいたクライミングシューズ「TC Pro」が8,000円、Apple 漢字Talk7 システムディスク一式およびMacintosh ColorClassic II マニュアル一式が5,000円。そして意外な売り物になったのは、興福寺創建1300年記念 国宝阿修羅展公式フィギュア「阿修羅像」の13,100円。これには少し驚きました。

最後に、あちこちから出てきた御守りはきちんと神社にお返しし、各国のコインはユニセフの外国コイン募金に寄付しました。

こうして次々にモノを家の中から出して行くかたわら、主として水回りは清掃業者さんに入ってもらい、さらに既に耐用年数を超えていた給湯器をウン十万円をかけて交換するなどのメンテナンスも加えて、ようやく一連の大作業がひと段落を見たのが今日。縦横無尽に掃除機をかけることができるほどにクリアになったフローリングとカーペットを見て、なんとも感無量です。

それでもまだこれだけのモノに囲まれているのですから、人間の物欲というのは奥深いものだと思わないわけにはいきません。

そして、この瞬間から散らかり行くモノとの修羅の戦いが再び始まるのでしょう。この世界は「エントロピー増大の法則」に支配されているのですから。