始発

John Wetton、Eddie Jobson、そしてTerry Bozzioの三人によるU.K.公演が実施されるとアナウンスされたのは、昨年末のこと。昨年もU.K.名義での来日はあったのですが、そのときはJohnとEddieはいたものの、ギターとドラムは(凄腕ながらも)あくまで助っ人。しかし、今回のメンバーは第二期のオリジナルメンバーである上に、過去の確執からこの組み合わせでのステージはあり得ないと長らく思われていたのですから、実に画期的です。それでも当初は、日本に来るかどうかも定かではなかったのですが、1月のJohn Wettonのソロ公演会場となった渋谷クラブクアトロで配布されたチラシによってついに、公演日程が6月15-17日であること、会場は川崎のクラブチッタであることが明らかにされました。

これは、何としてもチケットをゲットしなくては。しかし、2月4日からホームページ上で受付が始まったクラブチッタでのチケット申込みは、抽選の結果全日程アウト。以下のような非情のメールが、三通もまとまって届いたときには、目の前が暗くなりました。

■ CLUB CITTA’ TICKET INFORMATION 落選のお知らせ
◆ ○○○○ さま
クラブチッタです。この度は、UK 2012 NIGHT AFTER NIGHT【クラブチッタ】
【6/○(○)】公演を1枚ご予約いただきまして誠にありがとうございます。
厳正なる抽選の結果、大変申し訳ございませんが今回の公演は落選となりました。
多数の応募によりご希望に添えず誠に申し訳ございません。

こうなったら仕方ない、昨年と同じディスクユニオン新宿プログレッシヴ・ロック館に並ぶことにしよう、と覚悟を決めて迎えた当日。チケット発売は9時半からであること、その前に整理券が配られるらしいことをあらかじめ情報としてつかんでおいた私は、ためらわずに土曜日の始発で新宿に向かうことにしました。

渋谷駅発午前4時38分、山手線外回りの電車に乗って新宿三丁目方面の出口から徒歩5分。午前4時50分時点のディスクユニオンの前には既に20名ほどの行列ができていてびっくり。この人たち、何時からここに並んでいたんでしょうか? ←あまり他人のことは言えない。

やがて5時過ぎに店員さんらしい女性が「うわ」「凄い」などと言いつつやってきて、行列の人々に「おはようございます〜」と挨拶。そのすぐ後に店長さんも現れて、もうすぐシャッターを上げますと言ってくれました。

案内に書かれているように、この日ディスクユニオンで用意されているのは3公演各日限定50枚。そして、整理券1枚に対して全公演通して2枚しか販売されません。

予想よりもずっと早く、5時半過ぎから整理券の配布が始まりました(ありがとうございます)。私が得た整理券は29番で、これで少なくとも二日分はチケットを獲得できることが確定しました。ま、あと一日は諦めようか、と思っていたのですが、店長さん曰く、整理券を既に手にした人もその時点での列の最後尾にもう一度つけば2枚目の整理券を受け取ることができるとのこと。えっ、そんなのあり?しかし考えてみると、2度目かどうかをお店の側でチェックする手段がない以上、とにかく「その時点での早いもの勝ち」と割り切らざるを得ない理屈です。少々後ろめたい気持ちを持ちつつも、もう1枚整理券をもらいました。

これが、私が獲得した整理券。してみると、整理券配布開始時刻に行列を作っていたのは40人余りということになります。ともあれ、チケット発売の9時半まで3時間半ほどを近くのマクドナルドでまどろみながら過ごし、定刻の少し前におもむろに元の場所へ。戻ってみれば、お店の階段前には「整理券の配布は終了しております。お待ち頂いてもお買い求めいただけません」との貼紙がありました。この貼紙に涙を飲んだファンもいただろうことを思うと、内心忸怩たるものがあります。

9時半になって、呼び込み開始。階段を下ったところで整理券番号順に店の中に入れられ、カウンターで座席表を眺め、購入する座席を指定してチケット代を払う仕組みです。

そしてこれが、この日の戦利品です。まったく、外タレ(←死語)のチケットのために始発電車?まるで高校生並みですが、それでも徹夜でないだけ、まだましかもしれません。

さあ、彼らは本当に「最強のトリオによる、二度と見ることができない圧倒的なパフォーマンス」を繰り広げてくれるでしょうか?

ちなみにこちらは、30数年前の彼らのパフォーマンス(口パクですが)。昨年のU.K.名義でのJohn Wettonの出来からすると、期待半分・不安半分といったところですが、それでも、せっかく大枚をはたいた3公演のうちのどれかひとつでもベストパフォーマンスを見せてくれれば、それだけで御の字です。

なお、恐らく当時と最もスタイルが変わった音楽活動を展開しているのが、Terry Bozzioでしょう。こちらは、その近影。果たして今回のU.K.公演でどういうドラムセットを組むのか(ここまでの要塞セットにするのか?)も、興味の的ではあります。