解除

4月7日から7週間にわたり続いていた緊急事態宣言も5月25日をもってようやく解除。まだ県境を越えての活動には慎重を求められていますし、職場の方もオンライン・ファーストが続きますが、26日から休業要請が緩和されたことにより自宅近くの飲食店街にもこの一週間で少しずつ活気が戻ってきた感じです。

私の自宅から渋谷駅に向かう道筋は江戸時代に渋谷から調布へと通じていた滝坂道の一部で、その渋谷区内のくねくねと曲がる区間を「裏渋谷通り」と呼び繁華街になっています。しかしえてして繁華街というものがそうであるように、ここに立ち並ぶ店は渋谷界隈を仕事や遊びのフィールドとする者を客としており、通勤の行き帰りにこの道を通るだけの自分にとっては少々縁遠いものばかりでした。

COVID-19のせいで渋谷から人の波が消えてしまうとこれらの店も大きな影響を受け、臨時休業としたりテイクアウトに活路を求めたり時間短縮で細々と営業を継続したりとそれぞれの行き方でこの苦しい二カ月間を乗り越えようとしてきたのですが、こういうときこそジモティの出番、義を見てせざるは勇無きなり。ついでに言えば新規開拓のチャンス到来とばかりに、テイクアウトをしている店からは弁当類を調達し、営業している店あらば敷居をまたいでみることにしました。

テイクアウトを試してみた店はさまざまでいずれもさすがの味ですが、おそらく店の側にしてみればこのかたちではその実力を存分に発揮できてはいないでしょうから、ここで品評することはしません。しかし中でも「庵狐」の酒のあて10種パックと「いまここ」のいまここ弁当がオンライン飲み会での私の定番メニューになったことは、書いておいてもよさそうです。

また外食の方は、元来はおばんざい&バーというコンセプトだという落ち着いた雰囲気の「アネモネ」、その名の通りスパイシーカレーの週替わりコンビネーションが楽しい「カリカリスパイス」、抜群においしい徳島の野菜が食べ放題の「ターンテーブル」の三つの店で、中の人と「こんにちは」「いつもどうも」と言葉を交わす仲になり、これに駒場方向のジョギングの途上で見つけた小さい定食屋「えびすや」を加えた四店が外食ローテーションの中核を担ってくれました。

これらの店のおかげでテレワーク中の単調な毎日に彩りが加わったのは自分にとってもありがたいことです。ただ、それまでの自分は社員食堂のヘルシーメニューの愛好者だったので、この期間を通じてエンゲル係数と体脂肪率が危険水域へと上昇していそうですが……。

さて、宣言解除のステップが進むにつれて営業時間やメニューが旧に復し、元の客たちも店に帰ってくることでそれぞれの店の経営が良い方向へ向かうことは当然喜ばしいのですが、同時にそのことで再び縁が薄れてしまう店もあるかもしれないと考えると、少しばかり複雑な気持ちでもあります。