穴雪

月初に登った八ヶ岳の赤岳西壁主稜で寒風にさらした顔面を凍傷に侵された私。今までは凍傷といっても「どうせいずれ治るだろう」とタカを括った対応をしてきたものの、さすがに自然治癒力にも限界が見え始めたこの歳とあって今回は帰宅翌日にはお医者に診てもらって治療も受けたのですが、幸い「軽症ですから痕を残さずに治るでしょう」というご託宣を受けてほっとしました。

とは言えアグリーに黒ずんだ状態の顔を人様の前に晒す勇気はなく、超立体マスクで顔を隠して『羊たちの沈黙』のハンニバル・レクター状態を一週間余り続けましたが、どうにかそろそろマスクなしで外を歩いても後ろ指をさされずにすみそうなところまで回復してきました。やれやれ、助かった。

さて、こうした状態で『アナ雪』の「ありのままで」を聴いてみると、冬季ヴァリエーションクライマーの琴線に触れる歌詞が散りばめられていることに今更ながら気づきます。

どこまでやれるか自分を試したいの そうよ変わるのよ私

まさに、アルパインクライミングの醍醐味がここにあります。

これでいいの 自分信じて 光あびながら歩きだそう

ルートファインディングに困っても、このように自信を持って前進を続けたいものです。

何も怖くない 風よ吹け 少しも寒くないわ

こうきっぱりと言えれば、凍傷になどならないのですが……。

さて、そうは言っても控えめにマスクをしたまま夕方に足を運んだのは、渋谷の「アンコール渋谷」というライブハウス。先日その演奏を聴いてファンになってしまったDecent Workのステージがお目当てです。

「切ない百貨店」というイマイチよくわからないコンセプト(リーダーの加藤氏が元西武百貨店出身だから?)で大人向けの切ない曲を集めたというセットリストは、次の通りでした。

  1. 別れの予感(テレサ・テン)
  2. 黄昏のビギン(ちあきなおみ)
  3. ホーム・カミング(Decent Work)
  4. Steady(Decent Work)
  5. シングル・アゲイン(竹内まりや)
  6. 夢やぶれて(『レ・ミゼラブル』から)

18時半から19時までの30分間という短いライブで、残念ながら撮影の途中でGoProがハングアップしてしまったためこの動画では終わりの2曲を収録できていませんが、ともあれご覧の通りの出来の良さ。

もしいつの日か自分が老人介護施設に入ることになったら、Decent Workに慰問に来てもらいたいな。もっとも、彼ら(少なくともピアノの加藤氏)も私と比べて飛び抜けて若いというわけでもないので、もしかすると「老老慰問」ということになってしまうかも知れませんが。