樹葬

沢登りのエキスパート・弘田氏が今年のGWに関西の沢で亡くなってから7ヶ月余りがたったこの日、おやぢれんじゃあ隊の隊長である現場監督氏の呼び掛けでその墓参りに行ってきました。渋谷から湘南新宿ラインで一本で着ける自治医大駅で、現場監督氏・Sakurai師と待ち合わせ、さらに駅まで来ていただいた弘田氏の奥様が運転する車で墓地へ向かいました。

樹木葬というスタイルだと聞いていたので何か木が植わっているところに案内されるのかと思っていたのですが、ここのスタイルは地下に埋めたカプセル型ケースに骨壺を納め、周りに植樹や観音様を配置する「樹木葬カプセル墓地」というもの。ご覧の通り、どこに誰が眠っているか一目瞭然です。生前、弘田氏は「自分に万一のことがあったら、散骨にしてくれ」と奥様に語っていたそうですが、その意を最大限くんでこの方式を選んだ奥様に、心から敬服します。

この墓地は周囲が真っ平らで、遠くには那須や日光の山々が遠望できる眺めのよい場所。お線香をあげて手を合わせ、故人の冥福を祈りましたが、この日は12月の北関東とは思えないほど穏やかな気候でぽかぽかと暖かく、この調子ならあちらでも沢登りに行ってしまっているかも知れないと思いました。どうか、もうあまり無理せず安らかに眠っていて下さい。

ところで、弘田氏の墓標にも書かれている彼のサイト「その空の下で。。。」の膨大なデータの行方が気になるところですが、墓参の後で食事をしながら奥様と話したところでは、パスワードがわからないのでサイトにアクセスすることができないのだそう。何かヒントがあると思うので、奥様よりはそのあたりに明るいと思われる我々がお手伝いできればよいのですが、でももしかすると、「その空の下で…」もこのまま風化するに任せるのが自然なのかも知れません。

さて、このカプセルの中には複数の骨壷が納められるそうで、奥様もいずれは自分もここに入るとおっしゃっていましたが、墓地の運営会社のホームページを見てみると、近年の核家族化・独居世帯の増加を背景に、家族だけでなく「墓友」と呼ばれるお友達同士でのご相談も増えていますとのこと。それなら我々おやじれんじゃあ隊も一緒の墓に入るか?……という話にはもちろんなりません。

私もこれまであちこちの国に旅行に行き、そこでさまざまな墓地を見物していますが、今までの体験の中で「こういうところなら葬られたい」と思ったのはペルーのシユスタニだけです。

ここに葬ってもらえる可能性がゼロであることはともかくとして、それなりに葬られるためには葬ってくれる人を見つけなければならないというのは、弘田氏の例が示す通り。そういう点でも、生前にしておかなければならないことはいろいろあるようです。