未練

この土日は素晴らしい晴天続きでしたが、あいにく膝の調子が思わしくないのでアウトドアには出ず、土曜日は近所のジムでのトレーニングと喫茶店で読書三昧。そして日曜日のこの日は旧友の加藤氏のバンド、アンチテーゼのライブを見に横浜へ足を運びました。アンチテーゼの演奏を聴くのは、実に14年振りの二回目。前回=2000年6月はアンチテーゼのワンマンライブでしたが、今回は全部で6組が参加するイベントへの合流だそうです。

横浜駅から徒歩5分、会場となったのはRE-MIXというカラオケ店ですが、ここは単にカラオケというだけでなく、アマチュア&インディーズ系ミュージシャンにライブ演奏の場も提供しているそうです。中に入って一番奥の部屋に入ると50人位は入れそうな広いスペースがあって、そこでアンチテーゼの前のヴォーカル兼ギターとカホン兼ヴォーカルの女性二人組が歌っていました。

選手交代。アンチテーゼの三人の登場です。さすがに多少老けた感はありますが、あのユルい雰囲気は変わっていません。学生時代から既に30年もこのメンバーで活動を続けているそうで、オリジナル曲は100曲を超えているのだとか。その豊富な楽曲の中から、この日は次の曲が演奏されました。

  • トパーズ
  • 1年後の台風
  • 空席まち
  • 夕日まであと少し
  • バラの扉を開くもの

……堪能いたしました。

アンチテーゼはバンド形式をとっていますが、基本的にアコースティックな味わいが売り。ピアノの加藤氏は右手にシンセサイザーも置いて時折オルガンやストリングスの音を出していましたが、あくまで控え目です。

そのテイストは、こうしてELP形式(!)のトリオスタイルになっても変わらず、間違っても鍵盤にナイフを突き立てるようなことはしません。見事なまでにブレないな……。

極めて深いダブルカッタウェイのこのベースに注目。2000年のライブ(右の写真)では凝ったデザインの見たこともないシェイプのベースでしたが、今回のベースも特色のある形状と色合い(Copper Burst)から見て、滅多にお目にかからないDanelectro Longhorn Bassのようです。右利き仕様のものをボリュームノブとトーンノブを外して左利き用として使用していますが、ピックアップやブリッジも交換されているらしく、弾き手のこだわりが感じられます。

加藤氏はもう一つのユニット、Decent Workとしても参加していました。加藤氏のピアノと女性ヴォーカルの基本ユニットにトロンボーンが加わった変わった編成で、コンセプトは「施設訪問して歌える音楽」ということから昭和歌謡中心なのだそうです。そんなわけでテレサ・テン(「別れの予感」)とかちあきなおみ(「黄昏のビギン」)、さらには「テネシー・ワルツ」やレ・ミゼラブルから「夢やぶれて」が歌われましたが、このコンセプトから離れた曲として冒頭に歌われたのはJUJUの「If」、そしてセットの真ん中で歌われたオリジナル曲「Steady」(作詞作曲とも加藤氏)。どちらも「元カレと元カノが出会って切ないけどやっぱり……」的な未練系ストーリーでした。これは、加藤氏の人生体験を反映しているのか?

それにしても、このヴォーカルの女性の歌声は素晴らしいものでした。やや硬質ですがよく通る声で、情感がこもり、しかも音程が非常に正確(おまけに美人でステージ度胸も満点)。もし次回、この日と同じイベントが開催されたとしたら、間違いなくDecent Workをお目当てにして足を運ぶことでしょう。