働店

東京大学の院生を相手にEnterprise Architectureに関する講座を持っている知り合いのO先生に頼まれた同僚F女史が、企業の情報システム構築に関するワークショップを2コマ受け持つことになったという話を聞いたのは9月上旬のこと。お、それ面白そうだから自分も聴講してもいい?と聞いたのが飛んで火にいる何とかで、キラーン!と目を光らせたF女史の口車に乗せられて(?)いつの間にかそのワークショップを手伝うことになり、資料作成と講義を分担することになってしまいました。もちろん報酬なし、あくまでもボランティアです。

メインでワークショップを牽引するF女史が作ったストーリーは、

  1. 企業活動を続けるためにどのような情報システムが必要か、またどのような問題点があるかを学ぶ
  2. 企業内で情報システムを提案するために必要な要素を学ぶ
  3. 提案情報として何が必要か考え・引き出し・整理する体験をする

というもの。そのためのウォーミングアップとして、大学で使われている情報システムにはどのようなものがあるかをヒントなしでまずは考えさせ、次に架空(?)のA社のプロフィールを説明してそのA社にはどういう情報システムがあるかをチームで検討させ、二日目にはA社が新規事業に乗り出すための戦略企画書を情報システム中心にまとめさせるという展開としました。で、私の役回りはF女史が作成したレジュメの中に散りばめるカラフルな図表を作成すると共に、A社社員という肩書きで同社の説明を行うというもの。お絵描きもレクチャーも苦手ではないので、ここまでは楽しくできました。

ところが、さすが東大の院生(他大学の学部を経て参加している者や社会人も含まれていました)。最初のウォーミングアップで途方に暮れるかな?と思っていたら、いきなり自分たちで分類軸を考え出して、その二次元の象限の上に自分たちが接している情報システムや大学職員たちが必要とするであろう情報システムを巧みにプロットしだしたのには驚きました。「次回は戦略企画書を作ってきて発表して下さい」と宿題を渡して1コマ目を終えたのですが、これはこちらも本気モードでお手本を作っておかないと、2コマ目を乗り切れないぞと覚悟を決めることになりました。

で、私はA社社員ということになっていますから「戦略企画書のお手本も作ってくれますよね?」と爽やかな笑顔で無慈悲な注文を出すF女史に、こちらは涙目でうなずくしかありません。

一週間後の2コマ目。予想通りよく考えられた学生たちの企画書発表にたじたじとなりながらも、こちらも一晩徹夜までして書き上げた戦略企画書のお手本を提示して何とか面目を施しましたが、正直、学生たちが限られた情報量の中でここまでやるとは思っていませんでした。構想力が図抜けていれば情報量の多寡は実はさして問題にならない、ということの証左でしょう。日本の若者、侮り難し!というより、この国の将来はまだまだ明るいかもと思わせられる体験でした。資料作成は正直つらかったけど、十分な見返りを学生たちが与えてくれたような気がします。

でもFさん、次回は純粋に「聴講」のみでお願いします……。