八ヶ岳・赤岳 不明男女、遺体で発見 女性は凍死 風強く体温低下?
 北杜市大泉町の八ケ岳連峰の主峰・赤岳(2899メートル)で行方不明となった男女二人について、北杜署が地上から派遣した捜索隊は24日、標高約2700メートルの大天狗付近の岩場で発見した。県防災ヘリコプター「あかふじ」で収容、搬送先の病院で死亡が確認された。女性の死因は凍死だった。捜索隊によると、岩壁を横切っていたところ、低体温症になった可能性がある。二人が入山したとみられる18日前後は強風が吹いていて、登山を断念するグループもあった。
 同署によると、死亡したのは、京都府木津川市の奈良地方法務局職員、西村昌浩さん(34)と、大阪府堺市の会社員、日下貴子さん(34)。検視の結果、死因は日下さんが凍死で、西村さんは分かっていない。
 捜索隊メンバーとして二人を発見した北杜署山岳救助隊長の竹内敬一さん(55)によると、二人は黄色っぽい服装で、クライミング用のひもを付けたままで見つかった。日下さんはうつぶせ、西村さんは横向きだった。現場周辺は強風で、雪は吹き飛ばされて岩場は岩肌が見えていたという。
 竹内さんは「転落したという印象はなかった。強風による低体温症で動けなくなったのではないか」と推測する。気象庁によると、18日の八ケ岳付近は強い寒気に覆われていた。19、20日に長野県側から赤岳に登山したという同県富士見町の登山ガイド佐々木剛さん(44)は「山頂目前の標高2800メートル付近で風が強まり、登頂をあきらめて引き返した」という。
 二人が所属する「京都雪稜クラブ」メンバーによると、西村さんは10年以上の登山歴があり、日下さんを含め冬山経験は豊富だった。同クラブの松田謙介代表は「装備や計画書の日程に問題はなく、気候が予想以上に厳しかったのではないか」と話した。
 竹内さんは「冬の八ケ岳登山は初級から中級レベルに位置付けられる。しかし氷点下20度にもなる寒さと風が強く、天候が悪いと厳しい登山になる」と話す。県山岳連盟の秋山泉会長は、八ケ岳は独立峰特有の強い風が吹き付けることで知られるといい、「自然は何が起こるか分からない。冬山登山は経験者であっても入念な準備が求められる」と警告する。
 二人は18日、赤岳に入山、20日に下山する予定だったという。北杜署などが21日から捜索していた。
〔山梨日日新聞 2009年12月25日(金)〕