塾長の山行記録

塾長の山行記録

私=juqchoの登山の記録集。基本は癒し系バリエーション、四季を通じて。

春日渓谷春日ルンゼ

日程:2014/12/07

概要:アイス始めとして蓼科山北麓の春日渓谷へ。アソシエイツルンゼと春日ルンゼの両方を登る予定だったが、降雪のために春日ルンゼのみで終了。

山頂:---

同行:かっきー

山行寸描

▲春日ルンゼF1羽衣の滝。中間部に数mの立ったセクションを持っている。(2014/12/07撮影)
▲春日ルンゼF2。左から登れば階段状だが、かっきーはあえて垂直部に挑戦。(2014/12/07撮影)

2014/12/07

△10:35 蓼科スカイライン分岐 → △11:20-14:30 春日ルンゼ → △15:30 蓼科スカイライン分岐

今シーズンのアイス始めはどこにする?という質問に、かっきーの答は春日ルンゼとかがお手軽です(⌒▽⌒)。それではというわけでこの日の朝6時に高尾駅前で合流し、かっきー号で中央自動車道を走りました。

甲府盆地に入ったときには南アルプスが朝日を浴びてピンク色に染まっていましたが、八ヶ岳の上には寒気の張り出しっぽい雲。不穏な気配を感じつつ佐久側からアプローチしました。春日渓谷に向かうには鹿曲川林道を上がる方法と蓼科スカイラインを上がってアソシエイツスキー場近辺から下る方法の二つがあるのですが、我々は成り行きで後者を選択することになり、雪に覆われて通行止めの標識が出ていた蓼科スカイラインも完全に閉鎖されてはおらず轍もあったので、かっきーのデリカで行けるところまで入ることにしました。

車のお腹を擦りハンドルを左右にとられながら「行けるところまで」入ったところがぴったり春日渓谷への入口で、ここからはところどころ膝までのラッセルになりながら春日渓谷を目指して下りました。この時期にこれほどの雪が積もっているとは予想外でしたが、雪面上にはカモシカなどの足跡が残されているだけで人が通った気配はなく、どうやら前日に降ったばかりの新雪のようです。

まずは傾斜が緩く易しいとされるアソシエイツルンゼを覗いてみましたが、氷のナメが新雪に埋もれた状態で登る価値がなさそう。ここはさっさと諦めて、さらに下にある春日ルンゼを目指すことにしました。

春日ルンゼに着いてみると先行の2人パーティーのフォローがF1を登ろうとしているところで、挨拶かたがた聞いてみると彼らは鹿曲川林道を登ってきたそう。荷揚げの練習も兼ねている様子で、その手際の良さを見上げながら我々もギアを装着しロープを結びました。お互いにここをリードすることにしようという申合せで、まずは私のリードからスタートです。

滝の真下から見上げてみると滝の左側は薄い氷の下に水が流れているのが見えており、ラインとしては先行パーティーも登っていた真ん中の直上が良さそう。そして事前の情報通り、中間部がそこそこ立っている感じです。とりあえず緩傾斜部を登ってスクリューをセットしてから、2mほど登ったところでもう1本、さらに2m登ってもう1本。こちらのラインは氷が比較的しっかりしており、アックスを強く打ち込まなくても引っ掛けられるポイントがあって腕力の消耗を抑えられます。スクリューもまずまず利いている状態にできましたが、3本目は奥が空洞になっていてやや不安を感じました。また、やはりシーズン最初ということで腕が縮こまっているのが自分でもわかり、パンプを避けるために慎重にレストしながら身体を引き上げていって、どうにか無事に抜けることができました。

奥を見るとF2も登れる状態です。後続してきたかっきーと協議し、F1を二度登るよりはF2を登る方が面白そうだと意見が一致しました。ここはかっきーのリードとなりますが、左から行けば階段状ながらかっきーはあえて右寄りの氷柱状にラインどり。そこそこの奮闘にはなりましたが、フォールすることなく登り切りました。

こちらの方が明らかにF1よりも傾斜が立っていますが、下地はふかふかの雪である上に手頃な短さなので思い切って登れそう。それでもシーズン最初の課題としては十分に手応えがありました。

そうこうしている間に雪が降り出してきて先行パーティーはさっさと懸垂下降で下っていきましたが、我々は50mロープ1本しか持ってきていなかったため右岸の尾根に乗り上がって樹林の中を懸垂下降2ピッチで下りました。

懸垂下降の途中から真横にF1を眺めてみると、それなりの高さと角度があって迫力を感じます。あれをリードできたことで、今シーズンのこれからのアイスクライミングにも相応の自信をもって取り組めることでしょう。

降り出した雪に閉じ込められる前に……と元来た道を登りながら改めて周囲を見てみると、蓼科スカイラインから春日渓谷に向かう道の周辺は貸別荘地帯となっていて、後で調べたところ「蓼科仙境都市」と名付けられた大規模なリゾート地であるようです。今でも一部施設は稼働しているようですが、積雪期にはアプローチが極端に悪くなるため一見するとゴーストタウン(建物自体はメンテナンスがきちんとされているようです)。さらに「300坪=110万円」の分譲看板が哀愁を感じさせました。かっきー、この際600坪くらいどう?

車が待つ場所に戻り着いたときには青空も見えていましたが、装備を片付けている間に再び周囲は雪雲の中に取り込まれ、プチ吹雪状態の中を少々慌てながら下界を目指すことになりました。短時間のクライミングでしたがアイス始めとしてはおおむね上々。格安の布施温泉に立ち寄って身体を温め、夕食もそこでとってから帰路に就きました。

例によって演歌やらアニソンやら洋楽やらがごった煮になったかっきー号のBGMを聴きつつ帰りは関越自動車道経由で家路を急いだのですが、今回とりわけ印象的だったのがこの曲です。

ジャジーなハイハットと民謡調のコブシの利かせ方(特に「いいおとこ」の辺り)のコンビネーションがシュール!これは、1973年に半年だけ放映された日テレ版『ドラえもん』の主題歌だそうです。歌詞の内容も凄いことになっていますが、それにしてもいい声してるなぁ。