南沢小滝

日程:2014/04/12

概要:美濃戸から南沢を遡って南沢小滝でアイスクライミング。ひとしきりトレーニングしてから行者小屋経由で赤岳鉱泉へ。

山頂:---

同行:よっこさん

山行寸描

▲南沢小滝。この日はラッキーなことに貸切りとなった。(2014/04/12撮影)

3月の保科ガイドの講習で南沢小滝を登った後、今シーズンのうちに自前で登っておきたいと同行者を募ったところ、よっこさんが求めに応じてくれました。ただしこれにはカラクリがあって、翌日のバリエーション登山とのセットが条件です。つまり「土曜日に南沢小滝に付き合ってくれたら、もれなく日曜日にアルパインルートにご案内します」作戦がよっこさんのニーズに合ったという訳。猫にマタタビ、よっこにアルパイン。

2014/04/12

△09:15 美濃戸 → △10:30-14:30 南沢小滝 → △15:40-50 行者小屋 → △16:20 赤岳鉱泉

よっこさんの駆る「赤い彗星」は、ところどころ凍ってはいるものの通行に支障のない道を美濃戸口から美濃戸まで入ることができ、おかげでアイス用とアルパイン用の2種類のギアを積んで激重のリュックサックを背負って40分も余計に歩かずにすみました。

さすがに美濃戸から南沢小滝までの道は雪に覆われていますが、それでもすっかり露出した橋を見ると、3月下旬の様相とは大違いです。

南沢小滝に着いてみると、日当り良好な平坦地に気持ち良さげにテントが2張り。テントの主たちは南沢大滝の方に出勤しているようで、この日の南沢小滝は我々の貸切となりました。

南沢小滝の中央右寄りの膨らんだ部分は上流からの雪解け水が音をたてて流れており登れませんが、その左右はおおむね乾いた氷の壁になっており、最初に右端の短いライン、その後は左側の凹角とそのさらに左側の合計4本を登りました。いずれも私がリードした後によっこさんはTRで、右端は灌木に支点をとり、左側の3本はスクリューで支点を作ってのトレーニングです。私のリードはまだまだ動きが洗練されていませんが、とりあえずこの斜度と長さなら不安なくフリーでリードできることを確認できて、これなら「来シーズンが楽しみ」と口はばったいことが言えそうです。かたやよっこさんもTRとは言え安定した動作でいずれもさっさと登りきり、最後にはスクリュー操作も体験してアイスクライミングの才能を見せつけてくれました。

途中で南沢大滝を見物に行きましたが、よっこさんは初めて見るその大きさにびっくり。まだまだしっかり凍っていて、大勢のアイスクライマーが取り付いていました。こちらも来シーズンは頑張ってリードしたいものです。

南沢小滝を後にして真っ青な空の下を行者小屋へ向かうと、やがて前方に見えてきた横岳から赤岳にかけての岩壁はやはり雪が少なく黒々とした岩肌を見せています。明日のアルパインの候補ルートとしては赤岳の南峰リッジと横岳の小同心クラックの二つをピックアップしてあり、南峰リッジの方もそこだけは雪がちゃんとつながっていて問題なく登れそうでしたが、こうして見上げるとやはり小同心クラックの方が魅力的です。

行者小屋の前のテントサイトはぽかぽかの陽だまりで、色とりどりのたくさんのテントが張られて賑やかでした。シャリバテ気味の我々はここでリュックサックを下ろして行動食を口に入れてから、中山乗越を越えて赤岳鉱泉を目指しました。

さっさと赤岳鉱泉に着いて乾杯したいところですが、もちろんその手前で柳川北沢右俣の地形をチェックすることを忘れてはいません。というのも翌日の小同心クラックは通常の大同心稜からではなく小同心右稜から登ることにしており、そのためにはこの北沢右俣から小同心ルンゼに入ることになるからです。

赤岳鉱泉に到着し、受付を済ませて大部屋に寝床を確保すると、談話室でビールで乾杯。夕食はまたしてもステーキでしたが、3月に来たときにいただいたステーキに比べると分厚くボリュームがあり、肉質もグレードアップしているような気がします。そのことに気分を良くして日本酒をぐびぐび飲んでいるうちに前夜の寝不足のせいで睡魔が襲い始め、食事を終えて大部屋に戻った私はあっという間に意識を失ってしまいました。