塾長の山行記録

塾長の山行記録

私=juqchoの登山の記録集。基本は癒し系バリエーション、四季を通じて。

広沢寺弁天岩

日程:2000/06/10

概要:岩登りのゲレンデ・広沢寺弁天岩で岩登り講習会に参加。

山頂:---

同行:黒澤敏弘ガイド

山行寸描

▲朝の弁天岩。水の滲み出しがいやらしいが、この後さらに人が増えてロープがすだれのようだった。(2000/06/10撮影)
▲一般中央ルートを登る私(右)。首を左45度に傾けて見るべし。(2000/06/10撮影)

2000/06/10

△10:10-15:00 広沢寺弁天岩

2カ月ぶりに岩登りの練習のため『猫の森』の講習会で広沢寺へ。今日は黒澤ガイド夫妻と私の3人だけという贅沢な講習環境で、しかも、奥様のほなみさんは先週末に小川山の「イエロークラッシュ」(5.12a)をRPしたところなのでとても機嫌がいい(と御自分でおっしゃる)。関東地方は昨日風雨とともに梅雨入りしたばかりで岩のコンディションが心配され、あまり条件が悪ければインドアに切り替えるという想定で岩場を目指しましたが、偵察してみると乾いているルートもあるにはあり、既にロープを伸ばしているパーティーもいます。下の駐車場から黒澤ガイドがPowerBookに携帯電話をつないでアメダスの画像を呼び出してみると神奈川県中央部はなんとかもちそうなので、講習決行となりました。

岩場の下でシューズを履き替え、まずは感覚を取り戻すために右下の短いルートでクライムアップ&ロワーダウンを2本、ついでクライムアップ&クライムダウンを2本。岩に触れるのが久しぶりなのでやはり動きがぎこちない感じですが、それでも最後の1本で少しは感じが戻ったかな、というところで昼食休憩となりました。

午後一番は2月にも登った右クラックで、出だし数mの核心部をじたばたしながら越しましたが、我ながらもう少しスマートに登りたいし、前回登ったときの方がきれいに解決できたような気がします。この出だしを過ぎれば後はスムーズに登れて終了点に着、セルフビレイをとって周りを見回すとそこここからロープが垂れ下がっていて、今日の弁天岩が混雑しているのがよくわかります。

ちょっと休んでから次の課題は中央左フェース。ここは2ピッチ目のすぐ上にある20cmくらいの小ハング越えがポイントになりますが、左、右と2歩立ち込んだらすぐにリップを下から取ると、安心して次の足場に移れます。上の木を目指して真っすぐ登り、そこから右へ斜上して終了点を目指しますが、先ほどレッジで待っている間にも上から降ってきたロープが当たったりしているくらいの混雑状況なので、終了点に辿り着くまでによそ様のロープをまずくぐり、次のロープを今度はまたいで……といった具合でした。

懸垂下降2ピッチで下に戻り、引き続き休憩なしで一般左ルートを登ります。これも途中のレッジまでまず上がり、そのまま真っすぐ上に登るラインですが、数m上がったところで右遠くのクイックドローを取りに行くラインを見つけられずに立ち往生してしまいました。上に行ってから右に行くのもちょっと遠いし、すぐに右にトラバースするのはホールドに窮しそうだし……などと思い悩んでいるうちにとうとう黒澤ガイドにぐいぐいとロープを引っ張られ、吊り上げられるようにして登って(登らされて?)しまいました。やっぱり思い切りが肝心です。

小休止の後、本日最後のルートは一般中央ルートです。この頃になると登る速度もそこそこ速くなり、ほとんどためらうことなく途中のレッジへ到達。ここでスリングにつけられたカラビナにメインロープをインクノットで結んでセルフビレイをとってから、黒澤ガイドが上に登るのをエイト環で確保します。黒澤ガイドはほとんどランニングビレイをとらずにぐんぐん登るのでさすがだな〜と見ていましたが、ふと気付くと先刻回収したヌンチャク類は私が腰にぶら下げたまま……。さらにロープの動きが止まってからしばらくして上から「ビレイ解除!」のコールが掛かったのですが、ここでも大失敗!集中力が欠如していたとしか思えませんが、カラビナにかかったメインロープの方、つまり自分のセルフビレイを外してしまったのでした。「解除OK」のコールを返してからそのことに気付き、真っ青になってハーネスにつけている自己確保用のスリングでセルフビレイを取り直してからエイト環の方を外してロープをたぐってもらいましたが、本番なら命にかかわるミスだけに大反省しました。

終了点から例によって2ピッチの懸垂下降で地面に降り立ち、摩擦でやけどしそうに熱くなったエイト環からロープを外して本日の講習は終了です。天気も最後までもってくれて本当によかった。

なお、後から写真で自分の懸垂下降(左)と黒澤ガイドの懸垂下降(右)を見比べると、上のロープを握って足で立とうとしている私と、ハーネスに体重を預けきって足は壁を蹴るだけの黒澤ガイドとの姿勢の違いが一目瞭然です。なるほど、こうするのか。