御嶽山

日程:2000/02/11-12

概要:スキー場のリフトを使って高度を上げ、田の原にテント泊。翌日王滝頂上経由剣ヶ峰に登り、往路を戻る。

山頂:剣ヶ峰 3067m

同行:---

山行寸描

▲御嶽山頂からの北アルプス=乗鞍の向こうに穂高の吊り尾根。手前は二の池。(2000/02/12撮影)
▲田の原から振り返る。つくづく立派な山だと思う。(2000/02/12撮影)

2000/02/11

△15:10 ゴンドラリフト終点 → △15:50 田の原

御岳スキー場のゴンドラリフトで三笠山まで一気に上がり、そこから田の原まではわずかの歩き……のはずでしたが、雪が降りしきるゴンドラリフト終点から田の原への道がわかりません。踏み跡にしたがって森の中に踏み込んだものの、先行者も道に迷ったらしく足跡は右往左往しており、結局かなり回り道をしてなんとか田の原に着くことができました(翌日わかったことですが、スキーのコース沿いに歩けばわずか10分の距離でした)。御嶽山方面は雪のためまったく視界がきかず、鳥居の近くの建物のかげにさっさとテントを張って食事をして寝ることにしました。

新品のシュラフで暖かく眠っていた午前1時頃にスノーモービルのエンジン音で目を覚まし、テントの出入口から首だけ出して空を仰いだところ、雪はすっかりやんで満天の星空。そのままの姿勢でしばらく見とれていると、星が流れるのを目撃しました。生まれて初めてじかに見た流れ星に翌朝の好天を予感して、再びシュラフに潜り込みました。

2000/02/12

△05:55 田の原 → △06:35 七合半鳥居 → △07:20-35 金剛童子像 → △09:40 王滝頂上 → △10:15-45 剣ヶ峰 → △11:00-05 王滝頂上 → △11:50 金剛童子像 → △12:10 七合半鳥居 → △12:30-13:25 田の原 → △13:40 ゴンドラリフト終点

暗いうちに出発、ワカンをつけて平らな雪道をどんどん進みます。七合半の鳥居がかろうじてくぐれる程度にまで雪が積もっていますが、歩行にはほとんど支障がありません。やがて森林限界の手前で日の出の時刻となって木曽駒ヶ岳の少し左手からの御来光に手を合わせ、さらに高度を上げて金剛童子像の祠で小休止としました。ここからは雪が締まり、傾斜も急になるのでワカンをアイゼンに、ストックをピッケルに切り替えましたが、自分より先に登っているのは2人組と4人組の2パーティーだけのようです。

空には雲一つなく絶好の登山日和ですが、独立峰特有の強風が雪煙を巻き上げ、時折向きを変えて登山者を襲ってきます。風の勢いは今日のところはさほどでもありませんが、痛いほどに締まった雪の粉を避けるために耐風姿勢で風が通り過ぎるのを待たなければならず、一本調子の登りにも疲れてペースが上がりません。ルートは夏道の右手の斜面のほぼ真っすぐ登りで、先行している2人組の足跡は既にかき消され4人組も途中で追い抜いたので、自分でまっさらな雪面にコースをつけて行くことになりました。それなりの急斜面ではあるものの危険を感じるほどではないので、息が続きそうな距離にある岩に適当に目標を定めて、後はアイゼンの爪にモノを言わせるだけです。

ようやく王滝頂上に到着。直前で追い越された4人組が休憩している横を通って鳥居をくぐり、直ちに最高峰の剣ヶ峰を目指します。硫黄の匂いが漂う中、目の前に剣ヶ峰を見上げて歩き出すと、今度は下山してくる2人組とすれ違いました。「……ということは、今登ると山頂には自分一人?」急に元気になって足を速め、最後の急坂を一気に登りました。

剣ヶ峰からの展望は期待以上に見事なもので、以前歩き回った山頂部の地形も懐かしいですが、その向こう(北)には乗鞍岳や穂高の吊り尾根、ちょっと左手に笠ヶ岳の尖った山頂も見え、右に回ると浅間山、八ヶ岳、中央アルプスと南アルプス、遠くに富士山、中央アルプスのさらに南には恵那山が見えました。田の原方面を見下ろすと自分がかなり高く登ってきていることが見てとれて、最高の気分です。

後は元来た道を下るだけです。気温が上がって腐りはじめた雪を崩し過ぎないように注意しながら下りますが、日焼け止め代わりにかぶったままの目出帽が暑いくらい。テントに戻ってゆっくり撤収作業を済ませ、さらに往路を下りましたが、上から眺めたときに田の原とゴンドラリフト終点がスキーコースでつながっていることが判明していたため、今度は道に迷わずにすみました。ちなみに下りのゴンドラリフトは無料で、御岳スキー場の粋なはからいに感謝しつつ下山しました。