十二ヶ岳の岩場

日程:2020/07/20

概要:十二ヶ岳の岩場でトレーニング。

山頂:---

同行:セキネくん

山行寸描

▲メインエリアの奥に聳えるビナクル。アルパインの練習に好適なルートを提供してくれていた。(2020/07/20撮影)

2020/07/20

△08:45 駐車場 → △09:15-13:40 十二ヶ岳の岩場 → △14:05 駐車場

夏山シーズンに向けてのトレーニングということで、セキネくんに案内してもらって山梨県は西湖の近くにある十二ヶ岳の岩場を初訪問。新宿から高速バスに乗って河口湖駅に着き、ここで待ち合わせたセキネくんの車に乗って西湖を目指します。

駐車スペースからの道はしばらくは舗装された遊歩道(?)、そして途中から岩場へ通じる踏み跡に入り、そこそこの急坂を汗をかきかき固定ロープも使いながら登ると目指す岩場の下に出ました。

出たところはトポによれば「中央スラブ」と呼ばれる岩場で、さらにこの左に「左岸スラブ」「緑の森」というエリアがあり、西湖(サイコ)にちなんでヒッチコックにゆかりのあるネーミングのルート(ex.「北北西に進路をとれ」)が並んでいます。しかし我々が目指したのはこれらの岩場の右に聳える岩峰「ピナクル」で、まずはここでマルチピッチの手順のおさらいをすることにしました。今年マルチピッチルートを登ったのは3月7日の八ヶ岳日ノ岳稜が最後で、それから4カ月も経過しているので復習の必要性を感じたからですが、さらに言えば私がクライミングシューズを履いて岩を登るのはなんと1月のインスボン以来です。

「ピナクル」の下でロープを結んで、まずは下部の傾斜の緩いパートを(練習のために)ごく短く切って2ピッチで登り、傾斜が立ったところから私のリード。斜度のきつさに加えハンガーボルトのライン(おそらく「三十九夜」(5.8))の存在がルートファインディングをかえって難しくしていて、中間部でルートを見失った私は何度か行きつ戻りつを繰り返した末にめまいを覚えつつあえなく1手A0……。

上部で壁のように岩が立っている箇所でピッチを切り、最後はセキネくんが短いピッチをリードしてルートの最上部に抜けました。

終了点からもさらに斜面は続いていましたが、岩場としてはここまで。振り返ると西湖がよく見えていましたが、この頃から雨雲が徐々に広がり始めました。しかし、先ほどA0したところを解決しておきたかった私の頼みで、傾斜が立ち始めていたところまで懸垂下降1ピッチで戻ってからリードとフォローを交代して急傾斜部にリトライ。セキネくんをフォローして先ほどA0にしてしまった場所まで登り、右に回り込む容易なラインを確認してから再び終了点まで登りました。

最後に「中央スラブ」の右側面にあたるライト・ウォール(「ピナクル」との間のルンゼに面した壁)に引かれた「知りすぎていた男」(5.10c)のボルトを使って人工登攀の練習をしました。このルートをフリーでも登っているセキネくんが危なげなくリードし、私はフォロー。ボルトの間隔が絶妙で、私の身長ではアブミの最上段に立ち上がるとぎりぎり次のボルトに手が届くという感じです。ホールドがあって手を使えるところでは頑張って最上段に立ちましたが、それ以外ではクイックドローを活用して楽をさせてもらいました。

この日のトレーニングは以上で終了です。

久しぶりに岩に触ってみて、技術・手順のいずれも損なわれている部分が多いことを痛感しましたが、このタイミングで見つけた課題は本番に向けて修正可能(のはず)。そして十二ヶ岳の岩場は、多様な練習ができるとてもよい岩場でした。この日は平日ということもあって他のクライマーは1人もおらず、もちろんの大群に襲われることもなく、貸切りの岩場で短いながらよい練習ができました。