生藤山

日程:2020/06/27

概要:上野原からバスに乗って井戸に行き、軍刀利神社に参拝してから緩やかな登り道を同神社の山宮まで。その後方向を転じて三国山・生藤山・醍醐丸をつなぎ和田峠経由陣馬高原下へ下る。

⏿ PCやタブレットなど、より広角(横幅768px以上)の画面で見ると、GPSログに基づく山行の軌跡がこの位置に表示されます。

山頂:生藤山 990m

同行:アユミさん

山行寸描

▲軍刀利神社奥の院。桂の巨木と清冽な水。(2020/06/27撮影)
▲軍刀利神社山宮。これで完全治癒は疑いなし。(2020/06/27撮影)

春にアイスクライミング中の事故で足を骨折した山仲間アユミさんのリハビリ山行。長かった松葉杖生活にも別れを告げて、ようやく山道歩きもできるようになってきた彼女の復活登山ですが、この山行のコンセプトは軍刀利神社に参拝し、ついでに山越えをして陣馬高原下の山下屋さんで呑もう!というものです。

2020/06/27

△08:35 井戸バス停 → △08:55-09:05 軍刀利神社 → △09:10-20 奥ノ院 → △09:55-10:05 山宮 → △10:20 三国山 → △10:25 生藤山 → △10:40 茅丸 → △10:50-11:00 連行峰 → △11:50 醍醐丸 → △12:20 和田峠 → △13:05 陣馬高原下

JR中央線の上野原駅に午前8時集合。すぐに出発した井戸行きバスの終点から車道をしばらく歩き、川沿いの傾斜のきつい参道を進みます。

立派な鳥居をくぐってさらに進むと左手に社務所あり。運が良ければここで御朱印をいただけるかと期待していましたが、新型コロナウイルス感染防止のために御朱印の授与は当面中止との貼り紙がしてありました。残念ですが、それはそうだろうなぁ。

さらに登り続けたら急な石段が現れて、ここが軍刀利神社です。その由緒沿革については上の画像をクリックしていただくとして、一口に軍刀利神社と言ってもこの本殿が置かれた境内の奥には奥ノ院、さらに山の上には山宮あり。今回の山行の第一の目的は、軍刀利神社のこれら三つの社のコンプリートにあります。

手水を使って石段を登り切った先に広がる境内はこじんまりとしたものですが、正面に拝殿、左に手水舎、右に額殿がコの字形に建ち並んでとてもいい雰囲気です。

足の負傷が無事に癒えますように。

軍刀利神社は日本武尊が東征の帰りに三国山の山頂で草薙の剣を神実かむざねとして祀ったことに由来するという言い伝えがあり、御祭神も日本武尊。このため拝殿の右には大きな剣のモニュメントがあり、額殿にも大小さまざまな木刀が奉納されていました。

拝殿の裏の本殿は大きな覆い屋に守られており、社殿の彫り物はとても緻密なもの。アユミさんと共に「立派だ」「すごい」を連呼するばかりでした。

続いて本殿の脇から奥に続く道を辿るとわずかの距離で鳥居と赤い橋が現れて、その向こうに巨大な桂の木が現れました。

桂の巨木は昨年アユミさんと行ったスッカン沢でも見掛けましたが、こちらの「天然記念物 縁結びの桂」も立派です。上野原観光協会が喧伝するところによれば推定樹齢500年、高さ33m、目通り9m、根回り14m。この木の根元から冷たい清水が絶えることなく湧き出ることから「水の木」と呼ばれているそう。実際、その足元に立って見上げたり裏に回って眺めたりしていると、この桂の大きく広がった枝が人々に向けて救いの手を差し伸べてくれているように見えてきます。ありがたや……。

奥ノ院のすぐ脇には清流が流れ、これで手水を使うことができました。小さな広場には祠と呼んでもよさそうなこじんまりとした殿舎がひっそりと建っており、その左後ろから登山道が山宮へと続いています。

ここまででも十分な登り道でしたが、一応ここからが登山の領域です。登山道は植林地の中をジグザグに登っていき、気温というよりも湿度の高さのために汗が吹き出してきます。

三国山手前の分岐を左に進んで縦走路に合流し、ひと登りしたところにある平坦地に軍刀利神社の山宮がありました。これで今回の山旅の第一目標達成です。鳥居前の広場では単独行の男性がシートを広げて本格的に料理をしていましたが、こちらは立ったまま小休止をして行動食を口にしました。

後は三国山、生藤山、茅丸、連行峰と縦走路上のピークをつなぎながら和田峠を目指すだけ。連行峰から先は先日の小坂志川湯場ノ沢遡行の下山時と同じルートですが、アユミさんはリハビリ効果を高めるために巻き道をことごとく無視して尾根筋に忠実に進み、私は内心「少しは手を抜いてくれてもいいんだけどな」と思いながらその後を追いました。初夏の山道は元気の良い木々の緑が鮮やかで、時折登山道にかかる霧も風情あり。梅雨の最中なので天気が心配だったのですが、この日は曇り時々晴という絶好の低山日和となりました。

縦走の途中ではギンリョウソウの株がところどころで見られ、手裏剣のような可愛いキノコも見掛けました。このギンリョウソウ、見た目だけからするとバター炒めにしたらおいしく食べられそうな気がするのですが、誰か試した人はいないでしょうか?

最後のピークの醍醐丸でひと息ついたら、和田峠から陣馬高原下へと下るばかりです。ところが和田峠からのアスファルト道の下降では2人とも足の裏が痛くなってしまい、この山行の思わぬ核心部になりました。それでもつらい車道歩きをがんばって、ついに待望の山下屋さんに到着。これがこの山行の第二目標です。山下屋の大将と懇意にしているアユミさんはあらかじめ13時頃から予約してくれていたのですが、ほぼドンピシャでした。

アユミさんは生ビール、私は地酒「八王子城」で乾杯!お疲れさまでした。その後は次々に出てくる料理やお酒を堪能しましたが、その白眉となったのはギンリョウソウならぬ舞茸の天ぷらでした。