峰ノ松目沢(敗退)

日程:2019/12/26

概要:八ヶ岳峰ノ松目沢をワンデイ遡行のつもりだったが結氷状態が悪く、F4あたりで引き返し、F2でトップロープで少し遊んでから下山。

山頂:---

同行:セキネくん

山行寸描

▲F4と思われる滝。この黒々とした様子を見て、一気にモチベーションダウン。(2019/12/26撮影)

年末にセキネくんと1日だけ都合があったこのチャンスを八ヶ岳のアルパインに振り向けようと連絡を取り合って当日を迎えたのですが、毎度のごとく、この日に限って天気予報は「雪」。それならばと峰ノ松目沢を登ることになりました。峰ノ松目沢は2017年1月に登っていますが、そのときは最後のF8-F9こそ気持ちよく登れたものの、そこまでの途中の滝の大半が雪に埋もれてラッセルになっていたので、この中間の滝がどんな形をしているのかを確かめようという計画です。

2019/12/26

△05:50 美濃戸口 → △06:35 美濃戸 → △08:20-55 峰ノ松目沢入り口 → △09:55-10:00 F4手前? → △10:40-11:30 F2 → △11:35-12:05 峰ノ松目沢入り口 → △13:20 美濃戸 → △14:00 美濃戸口

小淵沢駅で前夜遅くに合流し、美濃戸口まで車で入ってセキネくんは車中泊、私は八ヶ岳山荘の仮眠室。5時に起床して朝食をとってから、まだ暗い林道を歩き始めました。

美濃戸に着く頃にはヘッドランプも不要になり、前方の阿弥陀岳が青白く聳えていて綺麗。さらに進んで大同心を見通せる橋を渡るとすぐ左が、目指す峰ノ松目沢です。

ごろごろの岩の上に薄く雪が積もった状態の沢筋を詰めてF1が見えるあたりで身繕いをしてから、ノミックを新調したばかりのセキネくんのリードでF1に取り付きました。せっかくの新品なのでくれぐれも岩を叩いたりしないように……。

F2は氷の真ん中に大きな穴が空いていて、その周囲も極めて薄くなっているのが見えています。その右の垂直部が実はしっかり凍っていて楽しめる状態だということに気付いたのは後ほどのことで、このときは無理せず左から巻くことにしました。続いてぼんやりした傾斜のF3をお義理でスクリュー1本使って越えると、その向こうにF4からF5らしき滝が見えています。しかし……。

F4に近づいてみると氷は脆いベルグラ状。それでも右の草付とのコンタクトラインなら十分登れる状態ですが、その先の滝ははっきり黒々としていて、どうやら左の草付にアックスを打ち込んで登ることになりそうです。この日の登攀をアルパインクライミングだと割り切れば氷の状態に合わせてとにかく登るところですが、上記の通りこの辺りの凍った滝を登ることが目的だったので、これでは登高を続ける意味がありません。

先ほど巻いてしまったF2でトップロープで遊んでから帰ろうとセキネくんから提案があり、私も同意。懸垂下降を重ねて下っていきましたが、セキネくんとの組合せだと、互いに言葉を発しなくても次に何をすればよいかをそれぞれが把握しているために作業が捗ります。そして気が付くと、朝方はすっきり見えていた阿弥陀岳の上空が明るい灰色の雲に覆われ始めていました。

F2の上の懸垂支点の木にトップロープの支点を作り、まずは左側のラインから。下の2/3はしっかりした氷ですが、いったん段差に乗り上がってからの2mほどが氷が薄く、トップロープでもちょっと緊張します。ここをリードしていたら、少々怖い思いをしたことでしょう。

続いて右側。こちらは下がカリフラワー状、中間がバーティカルで、アックスがしっかり決まり楽しく登れました。登りのときにここを使えばよかったと思いましたが、こういう風に登れるラインを瞬時に見つけ出す目を、自分はまだ持てていないようです。

F1の下まで降りて装備を片付け、北沢沿いの登山道に出たときには横岳の稜線は雪雲に覆われていました。そして堰堤広場からははっきりした雪になりましたが、この日の気温の高さのために美濃戸口に着く頃には雨混じりになっていました。

最後はいささか締まりのない格好になりましたが、これで年内の山行は一応終了です。今年を振り返ってみると腰や肩やの故障にずっと悩まされた1年でしたが、来年は身体を十分にケアして、フルにパフォーマンスを発揮できる山行を重ねたいものです。