塾長の山行記録

広河原沢左俣見晴らしルンゼ

概要:広河原沢左俣の見晴らしルンゼをワンデイで。

日程:2018/01/20

山頂:---

分類:八ヶ岳 / アルパイン

同行:かっきー

一連の滝の中で最も大きな滝を登る。氷の状態は概ねよく、適度なスリルがありました。(2018/01/20撮影)
支流の奥の滝。部分的に垂直で、短いながら楽しめました。(2018/01/20撮影)

2018/01/20

■08:00 舟山十字路 ■08:55 二俣 ■09:10-45 左俣F1手前 ■10:00 見晴らしルンゼ出合 ■10:30- 見晴らしルンゼ三俣

セキネくんと四日前に入ったばかりの見晴らしルンゼへ、今日はかっきーと登ることにしました。前回は当日の早朝発でしたが、今回は前夜の内に小淵沢の道の駅に入って車中泊とし、朝少しゆっくり目の6時45分に起床してのアプローチです。

舟山十字路での先客は一台だけ。我々が出発の準備をしている間にもう一台やってきましたが、それにしても成人の日の三連休での混雑が嘘のように閑散としています。てきぱきと身繕いをして登山道を奥に進みましたが、数日前の雨で雪が溶けたらしく、ところどころアイスバーン状でした。しかし、堰堤あたりから先は雨の代わりに雪が降ったようで、沢筋には新雪がうっすら積もっていました。そして今年三度目の見参となる二俣では、先行者四人がテントの前で登攀準備中でした。我々は挨拶をしながらその前を通り、左俣F1の釜の手前まで進んでギアを身につけました。

左俣に入ってわずかで右岸に出合う見晴らしルンゼを奥へ詰めてゆくと、四日前に比べてもさらに雪が深くなった三俣に到着しました。ザックはここにデポし、ロープを結んで登攀開始です。この日の目標のその一は、四日前にセキネくんがリードした(3)の滝。そしてこれが終わったところで時間にゆとりがあれば、本流に対して手前の左岸に落ちてきている支流(1)も登ってみることにしています。

四日前は(2)の滝を登ってから尾根を乗り越して(3)の滝を懸垂下降した後に登り返しましたが、今日はダイレクトに下からのアプローチ。しかしこれが膝上〜腰まで(しかもモナカ状)のラッセルの苦行で、二人で交代しながらじわじわと滝に接近しました。

時間がたつにつれて日の光がルンゼの左奥から徐々に右側にも当たるようになってきていましたが、まだ(3)の滝までは届いていないので、氷が硬いかもしれない……と一抹の不安を抱きながら、私のリード。しかし実際に取り付いてみればアックスもアイゼンも効きは悪くなく、慎重にスクリューをねじ込みながら高度を上げました。ただ、寒暖が交互に訪れるここ数日の気候の影響か、部分的に氷が割れやすくなっていたり中がすかすかだったりして、ビレイしてくれていたかっきーのところに何度か氷塊を落とすことになってしまいました。申し訳なし……というより、この滝を登るならやはり右岸の灌木を支点に使うのが良いということなのかも?

後続のかっきー(リハビリ中)もふうふう言いながらスクリューを回収しつつ上がってきてくれて、落ち口の上に二人揃ったところで直ちに懸垂下降にかかりました。

上述の通り雪が多いので、ロープが目一杯届く距離の雪の斜面に下降し、そこからは緩傾斜の雪面を下ってザックまで戻りました。ここでしばし休憩して行動食を口にしましたが、毎度のごとくかっきーはスペシャルドリンクで自分に気合いを入れ直していたようです。

この日の二本目は(1)の支流の奥に見えている滝。そこまで登るためには緩やかな沢筋を埋める雪をかき分けなければなりませんでしたが、時期が早く冷え込みが良ければ、ここはきれいなナメ滝になっているところかもしれません。

奥の滝は二段になっており、なかなか見栄えがします。奥の滝の手前までロープを引きずってスクリューで支点を作り、再びかっきーにビレイしてもらって私のリード。下段は10m弱で、左寄りを登ればかなり立っていますが、右寄りに凹角状の弱点がありました。そこを突いて上段の下まで進むと、上段は高さ5mほどでバーティカルですがこれも右寄りが短く狙い目。氷の質のせいか、アックスを何度も打ち込まないと決まったという感覚が得られないために多少時間がかかりましたが、それでも気分よく落ち口の上に抜けることができました。

落ち口のすぐ上の左寄りにある灌木で支点を作ってかっきーを迎え、そこから懸垂下降二回で三俣へ。そろそろ下山すべき時刻になってきました。

■-14:45 見晴らしルンゼ三俣 ■15:00 見晴らしルンゼ出合 ■15:10-30 左俣F1手前 ■15:40 二俣 ■16:15 舟山十字路

あとは勝手知った下降手順を繰り返すだけ。デポしてあったストックとチェーンアイゼン、テムレスを回収して、さっさと舟山十字路を目指しました。

見晴らしルンゼには半月の間に三度も通うことになりましたが、アプローチ至便の位置にある初級者向けのアイスゲレンデとして、ここは大いに価値がありそうです。あいにく二日後には南岸低気圧の通過が予想されているため、このルンゼもさらにラッセルの労苦が増えてしまいそうですが、来シーズンはまだ雪の少ない時期に見晴らしルンゼを訪れてみて、氷の状態がどのようになっているのかを観察してみたいものです。