芦安上荒井沢マシラ

日程:2015/02/28

概要:近くてよい氷、芦安上荒井沢の氷瀑へ今年3度目の訪問。今回は「マシラ」のキカザルをかっきーのリードで登る。

山頂:---

同行:かっきー

山行寸描

▲キカザルフォールをリードするかっきー。下から見ると階段状と思えるが実はかなり立っている。(2015/02/28撮影)
▲上部の垂直部分。フォローでも普通に怖かった。(2015/02/28撮影)

土曜日は晴れ、日曜日は雨の天気予報。このため「土曜日の半日で行ける氷はないか?」とかっきーと相談し、またしても芦安詣でとすることにしました。金曜日、仕事を終えた後に国立能楽堂で能を観てから帰宅して着替えてただちに高尾駅へ。24時に高尾駅前でかっきーにピックアップしてもらって山梨県に向かい、土曜日午前中アイスクライミングをして、その後に温泉に入り「美味小家」でとんかつを食べ、高尾駅まで送ってもらってそこから「風貴」へ直行するという強行スケジュールです。

2015/02/28

△07:50 桃の木温泉の奥 → △08:40-11:00 マシラ → △11:35 桃の木温泉の奥

2週間前と同じく「道の駅 しらね」に泊まり、コンビニで温かい朝食をとってから芦安温泉の奥へと車を進めました。

雪がなくなって部分的に凍りついた道を進み、駐車スペースにて身繕い。雪がない、誰もいない……もう芦安のアイスシーズンは終わってしまったのか?

すっかり馴染みになったトリコルネが見る影もなくやせ細って土に覆われたり穴を開けているさまを寂寥の思いで眺めながら、カモシカルンゼのすぐ先にあるマシラを目指します。カモシカルンゼも氷が薄くなり、下部は水を滴らせていて、登れなくはないが登る気になれないといった風情でした。

マシラに到着したところで取り出した今回の新兵器は、この「防寒テムレス」です。これは内側が起毛していて暖かく、そして濡れないという作業用手袋で、アイスにはうってつけとの評判がFacebookのグループ「Ice Climbing Freak」で流れていたので購入したのですが、確かに良さそう。そしてルンゼの入口で準備を調えて、まずは緩い斜面を奥へと入って行きました。

正面奥に易しそうな支流が入っていますが、これは見送って右奥へ進むと、思いの外に状態の良い氷瀑が姿を現しました。手前はイワザル、真ん中がキカザル、そしてこちらからでは見えていませんが奥にミエザルがあるはずです。

前回のカモシカルンゼでは私がおいしいところをいただいたので今回はかっきーにリードを譲り、見た目も立派なキカザルフォールを登ることにしました。下から見上げたときは最後の数mが気持ち立っているけど階段状じゃないのか?と気楽に思っていたのですが、発進していったかっきーは出だしからかなり苦戦している模様。氷が硬くてアックスがなかなか決まらず、打ち込むたびに氷の欠片が飛んできてビレイヤーを襲います。私の方も多少なりとも高い位置でビレイ態勢に入るべきだったのに考えもなくルンゼの底でセルフビレイをとったのが失敗で、飛んできた氷の欠片の大半はなんとかよけましたが、よけきれなかった一つがヘルメットのバイザーに当たり唇を切ってしまいました。そうこうするうちにも最後の垂直部にかかったかっきーは足がなかなか決まらず大苦戦していましたが、それでもテンションをかけることなくどうにか抜けきりました。

後続してみると確かにこれは怖い。途中までのつるつるの氷も割れやすくてアックスを受け付けてくれませんし、垂直部は本当に立っていて思い切りが必要。「張り気味でお願いします!」とヘタレ宣言をしてなんとか抜けました。リード25分、フォロー10分。

この日は時間の関係でこの1本でおしまいです。空中混じりの懸垂下降でルンゼを下りロープを畳んでいると、ルンゼの奥から日が差し込んできました。そして元来た道をやはり誰にも会わずに下ると、下界はすっかり春の陽気でした。

白根桃源天笑閣で風呂に入り、甲府の「美味小家」で私は三拍子かつ定食(みそ・おろし・和風)、かっきーは厚切りロースかつ定食をいただきました。相変わらず絶品のおいしさでしたが、かっきーとの今シーズンのアイス修行はこれで終了です。