高見石〜中山

日程:2012/04/14-15

概要:職場の先輩ADさんとSZさんを引率して北八ヶ岳の高見石と中山へ。初日は渋の湯から高見石小屋まで。翌日、中山を越えて黒百合平から渋の湯へ下山。

山頂:中山 2496m

同行:ADさん / SZさん

山行寸描

▲高見石からの展望。これだけの御来光風景に出会えたのは久しぶり。(2012/04/15撮影)
▲中山展望台からの展望。北アルプスから中央アルプスまでが一望。(2012/04/15撮影)

前夜、職場関係の女子2人との怒濤の飲み会から帰宅したのは午前1時すぎ。短い睡眠の後、宮﨑あおいさんのポスターに励まされるようにして渋谷駅を発ち、新宿発8時の特急で茅野を目指しました。

その目的は、3月の湯檜曽川スノーハイクでもご一緒した職場の大先輩ADさんとSZさん(お二人とも定年過ぎ)のリクエストに応えての積雪期の北八ヶ岳の引率登山です。

2012/04/14

△11:50 渋の湯 → △15:05 高見石小屋

茅野駅からバスで1時間ほど揺られて渋の湯着。ここの渋御殿湯にはずいぶん昔に泊まったことがありますが、そのときの記憶はほとんど残っていません。そして、下界では雨模様でしたがここではそれが雪に変わっており、雨具をフル装備にして登山を開始しました。

出だしの橋を渡ったところから登山道が凍結しており、すぐにアイゼン装着。そこから樹林帯の中のあまり傾斜のない道を緩やかに登りました。渋の湯までのバスで一緒だった他の登山者はみな黒百合平を目指して違う道に向かってしまい、高見石までの登山道で出会ったのは下山してきた4人組の比較的年配のパーティーだけでした。

少しずつ標高が上がるにつれ雪は本降りとなっていき、賽ノ河原と呼ばれる開けた場所を越えて再び樹林帯に入ると、わずかの歩きでこの日の宿となる高見石小屋でした。

ここまで息が上がり遅れ気味だったADさんも、小屋に着いて煙草を一服すると落ち着いた様子です。しかしこの日高見石小屋に泊まったのは我々3人だけで、小屋番の若者1人と合わせても周囲数キロ内にいるのは4人だけ。それも仕方ないだろうと思わせるほど、この日の雪はいつまでも大量に降り続いて、我々がつけたトレースもどんどん消していきました。

2階の大部屋の一角を贅沢に占領して、ADさんが持参したウイスキーとSZさんが持参したおつまみをちびちびといただき、さらに夕食後は大部屋に戻って布団をのべると、私はこの1週間の睡眠不足を解消すべくただちに爆睡モードに入っていきました。

2012/04/15

△07:15 高見石小屋 → △08:45-09:10 中山展望台 → △10:00 中山峠 → △10:05-20 黒百合平 → △12:00 渋の湯

午前4時45分起床。すぐに身繕いをして、SZさんと私とは小屋の裏手の高見石に登りました。この日は素晴らしい快晴で、美しいブルーと白の広がりの上に東の空の朝焼けが徐々に明るさを増しながらオレンジの光を投げかけて、やがてその一角から赤い太陽が顔を覗かせてくれました。これだけ完璧に美しい御来光に出会うのは本当に久しぶりです。SZさんも来た甲斐があったと喜んでくれました。

小屋に戻ってもう一寝入りして、6時半から朝食をとってから小屋番青年に別れを告げてすぐに出発しました。前日の大雪でトレースはなくなっていますが、樹林の中につけられた道は明瞭で迷う心配がなく、積雪も膝までは達していないので歩行に支障はありません。

ちょっときつい登り坂を中山を目指して登り続けましたが、前日へこたれ気味だったSZさんもこの日は調子がいい様子で、目立った遅れを見せることなく高度を上げ続けました。そして1時間余りの頑張りの後、道はなだらかな地形の中を水平に進むようになり、やがて踏み跡も樹木もない開けた雪原地形に出ました。これが中山の展望台です。北アルプス方面の広闊な展望に恵まれたここで景観を愛でながらしばし休憩をとりましたが、相変わらず天気は良く、西の方は大キレットをはさんで槍ヶ岳と穂高岳が並び立つ様子や、乗鞍岳、御嶽山、中央アルプスの山々、その前景として美ヶ原から霧ヶ峰、北に蓼科山、さらに遠くには浅間山の立派な山体もきれいに見えていました。

中山からはもっぱら下降ばかりとなります。左手ににゅうや根石岳方面の大規模な窪地地形を眺め、見晴し台から大勢の登山者が登っている東西天狗岳を見通したら、雄大な山岳展望はもうおしまいです。

黒百合ヒュッテ前には何人かの登山者が休憩しており、さらに下界からも続々到着するところでしたが、皆例外なく立派なアイゼンを履いているのにはちょっとびっくり。この雪の状態ならアイゼンは不要のはずですが、天狗岳登頂の延長線上だったのかもしれません。我々はノーアイゼンのまま下山を開始しましたが、山道はきれいに踏まれていて歩きやすく、下降は予想以上にはかどりました。最後の最後に凍結した登山道を嫌ってアイゼンを装着することになりましたが、それでも黒百合平から渋の湯まで1時間40分なら御の字です。

この後もちろん渋御殿湯の風呂で2日間の山行を締めくくり、茅野駅行きの最終バス(と言っても1日3便しかありません)に乗り込みました。ADさん・SZさん、お疲れさまでした。「反省会」は、いずれ下界で。