塾長の山行記録

塾長の山行記録

私=juqchoの登山の記録集。基本は癒し系バリエーション、四季を通じて。

古賀志山の岩場

日程:2011/03/06

概要:毎度おなじみエフさんの指導を受けて、古賀志山の不動滝周辺で登る。「シェリー」(5.10b)をRPなど。

山頂:---

同行:エフさん / きむっち / ケイ氏

山行寸描

▲古賀志山の岩場。岩はフレンドリーだが、周囲の木々が悪意に満ちた花粉をまき散らしている。(2011/03/06撮影)
▲「水もれ甲介」(5.9)を登るきむっち。その左手の明るいかぶり気味の壁が「シェリー」(5.10b)のライン。(2011/03/06撮影)

2011/03/06

△09:35-17:20 古賀志山不動滝周辺

この週末はきむっち・ケイ氏と谷川岳東尾根を登る予定だったのですが、直前数日が新雪積もりまくりで雪崩が恐ろしく登攀は断念。そこで日曜日をおなじみの古賀志山で過ごすことにしました。きれいに晴れた空の下、アプローチの短い山道を登って不動滝に着いてみると、既に地元のクライマーの皆さんが周囲の岩場についていて大賑わい。そして辺り一面、樹木に黄色い花粉が満載という恐ろしい光景でした。

ともあれささっと身支度をして、混んでいる不動滝近くの岩場を避けてアイゼントレーニングで使ったIII級の岩場でウォームアップ。アップとは言っても、ここの岩はつるつるしている上に外傾しており、おまけに朝一番で冷たく、それなりに気合の入るアップになりました。

ついでぽかぽかの「クウ」(5.9)で2本目のアップをしているところへ、エフさん登場。そこでエフさんにビレイとナビをお願いして「シェリー」(5.10b)をマスタースタイルでリードしたのですが、下部のなんでもないトラバースで手間取り腕力を空費した上に、核心部のホールドのとり方を忘れていてあえなくテンション。いったん降りて、きむっちが「水もれ甲介」(5.9)を登るのを眺めてから再トライして、今度はRPできました。ポイントは、核心部で右足を1段上げてから左足をハイステップにしてしっかり乗り込み(この動作が傷めた膝に厳しい!)、さらにカンテ状のかなり上まで左手を伸ばしてつかむことだったようです。

昼食休憩の後に「ウルトラマン」(5.10a)もリードしてみましたが、こちらは下から見ただけではムーブの組立てができず、恥ずかしながら2本目のクイックドローをわしづかみしてしまいました。そこからも日陰になって冷たい岩に握力を吸い取られ、テン山ながらとりあえずTOして下ってから、きむっちとケイ氏がエフさんにアドバイスを受けながらTRでトライしているのを見ているうちに手順を頭に入れることができ、私もTRでその手順を確認してみると流れるような動きですんなり突破。次回はぜひRPしたいものですが、既にこの時点で怒濤の花粉を浴びまくっており、全員くしゃみが止まらない状態です。したがって花粉の季節が終わってからのトライにならざるを得ないのですが、その頃まで手順を覚えていられるかどうか不安……。

それにしてもこの日は、いろいろなアクシデントがありました。不動滝の左の崖上に張られているクライマー用のフィックスロープに導かれて山の上からおじさんハイカーが急斜面を危なっかしく降りてきて、その場にいる全員の悲鳴(と罵声)を浴びせられたり、「ムーンサルト」(5.11b)の核心ハング下の岩がぼろぼろ崩れてきて大落石になりビレイヤーに当たったり(幸い軽傷で済みました)。よく整備されていて、地元の方々もフレンドリーで、おかげでジム並みに居心地の良いこの岩場も、やはり一皮むけば危険と背中合わせの外岩なのだということを改めて思い知りました。

最後に不動滝のすぐ右にある長いルート(名称不明)に、これもTRで登ってみました。もともとアブミ用の課題だったらしく、RCCボルトやリングボルトが点在する古色蒼然とした易しいルートでしたが、本チャンチックな(いい意味での)汚さと、フェース、スラブ、薄かぶりのオープンブックといった具合に多彩なセクションが連続してルートファインディング能力を試される、楽しいルートでした。

エフさん、ありがとうございました。次の冬はアイスクライミングの方でもよろしくお願いします。