塾長の山行記録

塾長の山行記録

私=juqchoの登山の記録集。基本は癒し系バリエーション、四季を通じて。

第1回NATHAN秩父の名峰・武甲山トレイルラン

日程:2010/06/06

概要:秩父の羊山公園からロードと山道をつないで武甲山まで登り、小持山、大持山を経て妻坂峠から下山。羊山公園に戻ってくるトレイルランニングレース(27km)。

山頂:武甲山 1304m / 小持山 1273m / 大持山 1294m

同行:---

秩父の名峰・武甲山のことは私が山登りを始めた頃から気になっていたのですが、なかなか登る機会に恵まれませんでした。その武甲山を舞台とする27kmのトレイルランニングの大会が立ち上がることになったと知り、これは何としても参加せねばとラン友マドカを引きずり込んで申込み。前日のうちに秩父に入っておいて、大会当日はのんびり受付という作戦としました。

2010/06/06

早朝の武甲山は雲に隠されてちょっと不機嫌そう?会場の羊山公園は芝桜が有名なところですが、この時期も驚くほど広いスペースに木々が気持ちの良い木蔭を提供して、とても癒される感じの公園でした。

芝生広場の受付に着いてみれば参加者数604名とこじんまりした大会という印象です。受付を済ませ荷物を預けて、定刻の9時30分にスタートしました。

クリアに見えるようになった武甲山が応援してくれているよう。公園内をぐるりと一周してから琴平ハイキング道に入ります。暑い日差しの中、地元の方々が用意してくれた胡瓜にとても助けられました。やがて大渕寺や橋立堂を経ていよいよ山道に差し掛かります。

炎天下、太鼓での応援ありがとうございます。登山道手前のエイドステーションではアンパンもふるまってもらえました。

登山道の一本調子の登りは苦しいところで、さすがにここで走る人はトップランナー以外にはいませんが、その代わり山屋に有利。ロードではのんびり目だった私もこの区間ではほとんど休憩なしに登り詰め、この間に何人かを抜き去りました。傾斜が緩くなると落葉松林が美しく、さらに高度をぐんぐん上げると神社のある山頂です。

神社の裏手のさらに高いところに展望台があり、そこからは秩父市外を一望することができました。周知のように武甲山は全山石灰岩で、その採掘のために山がどんどん削られ山頂も低くなってしまった歴史をもっているのですが、それでもこの展望台からの眺めは絶景です。そして、ここで昼食をとっているうちに後発だったマドカが到着し、ここから先は彼女と先になり後になりしながら小持山から大持山への縦走となりました。

起伏があってなかなか目指すピークに辿り着けませんが、ところどころに咲いているツツジが慰めとなります。

起伏のある尾根道が続き、さらに妻坂峠までの怒濤の下りは激下り / スピード注意とわざわざ標識が掲げられているくらいのシビアなものでしたが、峠から下の登山道は足に優しいものとなり、最後のエイドステーションからの車道も緩やかな下りが続いて走り易いものでした。

車道を走りながらセメント工場の前から武甲山を見上げましたが、あそこから降りてきたわけか……と感慨もひとしおです。

終わってみれば、制限時間7時間30分に対して記録は6時間10分14秒。トップは2時間39分15秒でしたが自分としてはこんなものでしょう。参加者604名中463位という成績ながら、楽しく走れました。マドカに負けて、西武秩父駅構内の仲見世でビールをおごらされたのがムカツク!ところではありますが……。

終わってみての感想をいくつか述べると、

  • 大会の運営はスムーズで、ランナーに優しいものでした。エイドステーションも適度な間隔であり、飲み物は水、スポーツドリンク、ジュース、コーラなど。食べ物もバナナや梅干しのほか、場所によってはあんぱんやかりんとうなどと充実。ASを中心に要所でスタッフが励ましの声を掛けてくれた他、ゴールでは一人一人にテープを用意して「感動のゴールイン」を演出くれたのもうれしいサービスでした。
  • 地元の方々のフレンドリーな応援も、大いに励みになりました。定番の太鼓が出ていたほか、胡瓜をふるまっていただいたり、氷砂糖が配られたりなど。
  • コースも美しいものでした。明るい緑の木々が目に優しく、とりわけ武甲山の山頂近くが地肌を激しく削られた表側の姿とは打って変わって樹木に恵まれ、普通にハイキングで登っても楽しいところです。山を下った後のロードも走りやすく、横瀬の町に入ると周囲の緑や随所に見られるきれいな花々が目を楽しませてくれます。
  • ただし、好天に恵まれたせいもありますが、武甲山に登り着くまでの間は暑さに悩まされる場面もありました。その先の縦走路では一時日が陰ったこともあって涼しさに助けられましたが、とにかく自前での水の運搬は必須です。私は500mlを背負いましたが、これでも小持山あたりでなくなってしまいました。
  • 果たしてこれはトレイルランと言っていいのか?という疑問もなきにしもあらず。ロードのランと純粋な登山とを組み合わせたレース、というのが正確なところだと思います。したがって山道の登りと、それ以上に下りに慣れていないとツラい目にあうコース設定ですが、とは言ってもやはり脚力がそのまま順位に反映されることは、最後のロードでマドカに抜き去られた私が身をもって証明しているようなものです。

ともあれ長年の懸案であった武甲山に登ることができ、レース自体も楽しいもので、言うことなしの大会でした。