御嶽山

日程:1992/08/02

概要:翌週の北ア大縦走に備えて日帰りの三千米峰=御嶽山に登る。田の原から王滝頂上経由剣ヶ峰に登り、山頂を周遊して黒沢側へ下山。

山頂:剣ヶ峰 3067m

同行:---

山行寸描

▲田の原からの御嶽山。かなり登ってきているはずだが、それでもこれだけ遠く雄大。(1992/08/02撮影)
▲宗教的なモニュメントの数々。御嶽山は今もなお修験の山だった。(1992/08/02撮影)
▲二ノ池を見下ろす。遠景は乗鞍岳、その向こうに穂高の吊り尾根。(1992/08/02撮影)

1992/08/02

△05:30 田の原 → △07:05 王滝頂上 → △07:30-08:15 剣ヶ峰 → △08:55-09:00 二ノ池 → △09:45-55 摩利支天 → △10:05-15 飛騨頂上 → △10:40-55 継子岳 → △11:45 四ノ池 → △12:15 三ノ池 → △13:15-35 八合目女人堂 → △14:05 七合目

前線の動きを気にしながら夜行列車に乗りましたが、田の原でバスを降りたときにはきれいな青空になって目の前に御嶽山がでんと聳えていました。一般の登山者よりも白装束の講中が目立つ登山道をはじめ緩やかに、次第に急坂に喘ぎながら登ります。あちこちで六根清浄の声が上がる中、さまざまな信仰登山のモニュメントをやり過ごすと王滝頂上で、ここからは左手奥にガスが吹き上げているのが見え、この山が活火山であることを再認識しながら休むことなく剣ヶ峰を目指しました。

剣ヶ峰山頂には神社や山小屋がひしめき合い登山者で大賑わいですが、さすがに眺めはよく、近くに乗鞍岳、その先に槍ヶ岳と穂高岳、左奥には白山が見えています。中央アルプスと南アルプスも並んでいますが、こちらは逆光と雲の盛り上がりに隠れて木曽駒ヶ岳と宝剣岳が認められる程度でした。

ここからまず一ノ池を時計回りに回るお鉢巡りにかかりましたが、誰もこちらには足を伸ぱしておらず、たった一人で静かな周遊を楽しみました。一ノ池は池とは言っても水はなく、コースはその縁を取り巻く旧火口壁の上を伝い、ちょうど浅間山の蛇骨岳から仙人岳にかけての地形をスモールサイズにしたような感じです。池の周囲を3分の2ほど回ったところで道は剣ヶ峰と反対方向の二ノ池に向かって下り始めました。

緑の水面に逆光がキラキラ輝く二ノ池の畔に立ち寄り、今度は賽の河原を越えて摩利支天へ。ここまで来たら覚悟を決めて、フルコースで歩こうという気になってきます。ここから眺める継子岳は柔らかな縁の斜面が美しく、心惹かれるものがありました。

急斜面を下って五ノ池そぱの飛騨頂上を越え、足に力が入らないほどのシャリバテで平坦な道にも苦労しながら静かな継子岳山頂へ到着しました。剣ヶ峰からここまでの道程を見通すと、独立峰でありながらその山頂を巡る道のりは「縦走」という言葉を使いたくなるほど長く、この山のスケールの大きさを改めて実感しました。

ここから時計回りに回って明瞭な火口壁に囲まれた四ノ池へ向かう途中、砂礫の斜面で見事なコマクサの群生に会いました。これに浮かれたためか道を誤り東へガレ場を下りかけ、20分のロスタイム。それでも雲が上がり出す頃に三ノ池から黒沢口側へ下山開始です。雪渓をいくつか渡り、ナナカマドの白い花を愛でながらトラバースを続けて辿り着いた七合目の売店でいただいたのは名物「ちからもち」。ただの黄粉餅ですがなかなかな美味を堪能した後、この売店のすぐそばに1988年のガイドプックには載っていないローブウェイ駅があったので迷わずこれを利用して下山しました。