塾長の鑑賞記録

塾長の鑑賞記録

私=juqchoの芸術鑑賞の記録集。舞台も絵も和風好き、でもなぜか音楽はプログレ。

Niacin

1998/08/20

渋谷のおなじみ渋谷クラブクアトロで、Mr. Bigのベーシストとして知られるBilly Sheehanを中心とするフュージョン・トリオNiacinのライブ。開演30分前に会場に入ってみると客席には比較的ゆとりがあり(ここはほとんど立ち席です)、ステージ全体を見渡せる後方右寄りの柱の近くに陣取ることができました。ステージ上は向かって右にキーボード(HammondB3の上にKurzweil、手前にRoland)、中央にドラムセット、左手にベースアンプと背丈の高い椅子。他の客もお目当てはやはりBilly Sheehanらしく、左手の方が混んでいます。

定刻の19時に客電が落ちてメンバー(B:Billy Sheehan / Key:John Novello / Ds:Dennis Chambers)が入場すると最初から歓声と拍手で会場のテンションが一気に高まります。オープニングの「No Man's Land」からリズムセクションが全速力で突っ走るような曲が立て続けに演奏され、Billy Sheehanの派手なパフォーマンスやDennis Chambersの高速タム回しが決まるたびに観客も反応よく歓声をあげました。1時間強の演奏の締めくくりはWeather Reportの演奏が有名な「Birdland」で、Jaco Pastoriusのピッキング・ハーモニクス奏法をBillyが再現しました。アンコールは1曲。最後にBillyのベースの指板上のポジションマークに埋め込まれた青いLEDを点灯して見せるサービスで幕を閉じました。

Billyのベース演奏はまさに奔放で、スリー・フィンガーに加えてスラッピングを見せたり肘を使ったり、ギターのようにコードを使ってリフを組み立てたりとまるで格闘技のようにベースを操り、ハーモニクスやフィードバックも自由自在に駆使していました。こうした右手のテクニックに加えて左手の速さは言うまでもなく、指板上を上から下まで駆け巡るスピードは彼の教則ビデオでも披露されていたスケールへの完全な理解に由来するものなのでしょう。

演奏終了後、再アンコールを求める観客の手拍子がなかなか鳴りやまず会場の係員が困惑しながらステージ上を片付ける場面が見られましたが、帰りがけに会場受付で買った彼らのライブLDを自宅で見ても、やはり先ほどの演奏の魅力の1/10も再現されてはいませんでした。コンサートはやはり「生」に限る!ということです。

ミュージシャン

Billy Sheehan bass
John Novello keyboards
Dennis Chambers drums

セットリスト

  1. High Bias
  2. Montuno
  3. Slapped Silly
  4. One Less Worry
  5. Darkside
  6. Clean-Up / Dirty Work
  7. Bullet Train
  8. Revenge
  9. I Miss You
  10. Klaghorn
  11. Three Feet Back
  12. Hell to Play
  13. Pay Dirt
  14. Birdland
    -
  15. Niacin