塾長の鑑賞記録

山口蓬春展

1997/11/02

《山湖》(1947年)

自宅から歩いて5分の松濤美術館で、日本画家・山口蓬春(1893-1971)の展覧会を見ました。ここは松濤の落ち着いた家並みの中の小さな美術館ですが、円形のユニークな設計とゆったりとコーヒーを飲みながら鑑賞できるレイアウトがお気に入りで、たまに気が向くと訪れるようにしているスポットです。

今回は、当初洋画を志した蓬春が日本画に転向して最初に取り組んだ大和絵から、花鳥画への傾注、戦後の蓬春モダニズム、さらに写実主義の時代など、たびたび画風を変化させながら「新日本画」に挑戦していった軌跡を辿る企画。日本画材の魅力を最大限に引き出したような色彩の鮮やかさと大胆かつ緻密な造形が美しい作品群や、それ自体興味が尽きない数多くの素描が展示され、蓬春の作風の変遷を巧みに跡付ける、充実した企画展となっていました。

《留園駘春》(1958年) / 《秋》(1961年)