塾長の渡航記録

塾長の渡航記録

私=juqchoの海外旅行の記録集。遺跡の旅と山の旅、それに諸々の物見遊山。

帰国

2017/08/28-29

往路はロサンゼルス経由でしたが、復路はサンフランシスコ経由。フレズノからサンフランシスコ国際空港へ移動し、機体トラブル→機体変更のための長い乗継時間の後にようやく乗ったトリプルセブンで、再び太平洋を渡りました。帰りの飛行機の中で見た映画は『Harry Potter and the Deathly Hallows – Part 2』と『Beauty and the Beast』のエマ・ワトソン2連発。特に後者は、本当にいい映画でした。

こうしてヨセミテへのクライミング・トリップは終了しました。

ヨセミテは期待をはるかに超える素晴らしいところで、行ってよかったと心から思いました。シャモニーがアルパインクライマーの天国なら、こちらはフリークライマーの理想郷です。多少なりともクライミングをたしなむ人のすべてに、ヨセミテ訪問を強くお勧めします。ただしボルダリングならともかく、ルートを登るのであればクラックの技術を身に付けておくことは絶対条件。小川山や瑞牆山などで腕を磨いてから、カリフォルニアを目指して下さい。

参考情報

ヨセミテ国立公園

シエラネバダ山脈の西麓に広がる3,081km2の国立公園。この広さは東京都や神奈川県よりも広いものですが、その中でヨセミテ渓谷は1%にも達しないそう。花崗岩が面積の大半を覆っており、そこに500万年前の山脈の隆起に伴い生まれた河川が谷をV字に刻んだ後、150万年前の氷河期に一帯を覆った氷がU字谷を生成した結果、現在のヨセミテ渓谷の地形を産んだということが、当地で購入した地図の裏面で解説されていました。

それにしても、このダイナミックな地形の見事さときたら!日本ではおよそ考えられないスケールです。

そしてこの地の自然保護に大きな役割を果たした人物の一人にあのジョン・ミューアも含まれるのですが、ここでその詳細を解説するよりはWikipediaの記事を見ていただいた方が良いでしょう。

キャンプ場

本文でも記したように、我々が泊まったのはアッパーパインズ・キャンプ場です。予約は保科ガイドにしていただいたのですが、専用の予約サイトから4カ月前に予約が開始されるようで、たとえば8月15日から9月14日までの期間内で予約をとろうとした場合、4月15日に受付開始となります。

キャンプ場の入り口。夜10時から翌朝6時までは静かにしましょう。

ウッドチップが敷き詰められた快適な地面。1区画は6人まで使用可能で、1日26ドル。

サイトごとにテーブルやベンチ、焚火用の設備Fire Ringもありますが、焚火は17時から22時までしか燃やせません(朝に焚火をしていてレンジャーの取調べを受けてしまったキャンパーを目撃しました)。また、いくつかの区画ごとに水洗トイレがあり、飲料水もここで調達することができるようになっています。ただ、ここでの水質がどれほどのものかわからないため、煮沸するか、ストアでボトル入りの水を購入する方が良いように思います。

食材を調達できるストアはヨセミテ・ヴィレッジにありますが、品揃えは若干プアー。もっとも、私の感覚の中ではシャモニーのスーパーマーケットと比較してしまっているので、この評価はフェアではないかもしれません。

夏のヨセミテライフにシャワーは必須。ハーフドーム・ヴィレッジのシャワールームは1回5ドルで、タオルは貸してくれますし、シャンプーも各ブースについています。そして、この裏手にはプールもあります。

ハウスキーピング・キャンプのコインランドリー。こちらにもシャワールーム(料金はやはり5ドル)が併設されていて、まず洗濯機に洗濯物を放り込んでからシャワーを浴び、さっぱりして出てきたところで洗濯物を乾燥機に移せば効率的です。ここでは25セント硬貨(Quarter)が必須で、洗濯機は1.25ドル(Quater5枚)を投入して衣類のタイプを選ぶだけ、乾燥機はQuarter1枚で10分ですが、最低20分は回したいところです。シャワールームの営業時間は7時から22時まで(昼間に使用できない時間帯あり)ですが、ランドリーの方は8時から22時までいつでも使えます。

それにしてもアメリカは、何をするにも車です。キャンピングカーの充実ぶりも尋常ではなく、大型バスくらいのサイズのものまであって仰天しました。

動物保護

ヨセミテ渓谷は動植物の多様性の宝庫ですから、人間のすぐ近くまで動物たちが近寄ってくることも珍しくありません。

特にリスは人間を恐れず、食事のおこぼれにあずかろうとせっせと愛想を振り撒きます。

しかし!動物保護を考えるなら餌を与えてはいけないのは常識です。それでもリス程度ならまだしもですが、この渓谷に出没するのはリスだけではありません。

熊の存在はここでは常に意識されるべき事柄であり、餌を与えないことはもとより、熊の手が届くところに食料を保管することも固く禁じられます。下の写真の左は食料貯蔵庫、右はゴミ箱。テントの中や車の中に熊の餌になりそうなものを放置するのはご法度で、キャンプ場を離れるときや就寝時には左の鉄の箱の中に食料を保管しなければなりません。ゴミも同様に、熊が手を出しても開けられない構造の大きな鉄箱の中に捨てることになっています。このゴミは、毎日ゴミ収集車がやってきて、箱ごと持ち上げて中身を回収してくれます。

こうした道具立ては元来は人間を守るためにあるのですが、ゴミ箱の投入口に「SAVE A BEAR」とあるのが面白いところ。レンジャーの仕事の一つは、こうしたレギュレーションを維持することで生態系とそこに踏み込む人間との紛争を防止することであり、保科ガイドも、テントを荒らしたリスを殺したキャンパーが手錠をかけられて連行されていったところを目撃したことがあるそうです。

macOS

AppleのMacintoshのOSのコードネームは長らくネコ属の名前でしたが、2014年のOS X 10.10からがらりと雰囲気が変わってクライマー寄りとなりました。

▲OS X 10.10 Yosemite (2014)
▲OS X 10.11 El Capitan (2015)
▲macOS 10.12 Sierra (2016)
▲macOS 10.13 High Sierra (2017)

しかし、High Sierraで行き着くところまで行き着いてしまったので、次期OSから路線ががらりと変わるかもしれません。あるいはさらに大きく出てRocky Mountains(またはRockies)とか?いずれにしても、来年の今頃がとても楽しみです。