大同心大滝

山頂  
分類 関東周辺 / 保科雅則ガイド
日程 2016/02/27-28
同行  
概要 アルパインガイド保科雅則氏の保科クライミングスクールの講習で、八ヶ岳でアイスクライミング。土日二日間とも大同心大滝を登る。

大同心大滝全景。予想以上に高く、立派でした。(2016/02/27撮影)

二日目は大賑わい。いつかここをリードできるようになりたいもの。(2016/02/28撮影)

保科雅則ガイドの講習で昨年は摩利支天沢大滝を登りましたが、今年は大同心大滝へ。多少は腕も上がっているだろうから、トップロープならさしたる苦労もなしに登れるだろうと思っていたのですが……。

2016/02/27

■10:20 美濃戸 ■12:10-50 赤岳鉱泉 ■13:30-16:20 大同心大滝 ■16:45 赤岳鉱泉

小淵沢駅に9時集合。保科ガイドの車で美濃戸まで入りましたが、最初の川を渡るところがチェーンを履いていても横滑りするくらいに凍っていたものの、その後はほとんど雪がない露出したダート走行となりました。2月の美濃戸がこれでは、本当に「超」がつくくらいの寡雪です。

美濃戸からの登山道も雪はない代わりに滑りやすい氷が路面を覆っているところがあってちょっとばかり怖い思いをしましたが、北沢を渡るところからはチェーンアイゼンを着用したことで、安心して歩けるようになりました。

やがて行く手には赤岩の氷柱、さらには目指す大同心大滝が見えてきました。また、この機会に峰ノ松目沢の位置とアプローチも保科ガイドに教えていただいたので、来年は登ってみようと思います。

当初のプランでは、この日は赤岳鉱泉のアイスキャンディーで練習することになっていたのですが、折悪しくこの週末はアイスキャンディーカップが開催されていて人工氷瀑は使えません。そこでこの日も大同心大滝に向かうことになりました。いったん赤岳山荘に入り、不要な荷物はデポした上で装備を身に付け、アイゼンも氷瀑用のものに換装してから出発。大同心沢には明瞭な踏み跡があり、途中で大同心稜へ上がる踏み跡を左へ分けてさらに奥へ進むと、行く手には小同心が高く聳えています。

左岸(小同心右稜?)からのデブリの斜面を越えた先に、大同心大滝はありました。三段ある滝の下段は緩やかで右から歩いて超えることができ、その先の中段の手前左側に荷物を置いて待機することになります。先行は荷揚げ中の二人組で、彼らはそのまま上へ抜けていき、残された我々はツバメの雛のような風情で保科ガイドがトップロープを張るのを待ちました。

保科ガイドは出だしにアックスを打ち込んで「硬いですね」という声を残すと上へ登って行きましたが、上段の氷柱部も慎重にスクリューを入れながら高さを稼ぎます。時折砕けた氷の破片が飛んできて、待機している我々は肝を冷やしましたが、やがて二本のトップロープが張られて勇躍、登り始めることができました。

しかし、実際に登ってみるとやはり氷は硬く、しかも氷柱部は下から見る以上に立っていて、おまけに長い!まだあまり登られていない状態の氷はアックスを何度も打ち込まないとかかってくれず、どんどん腕力を消耗させられます。

正面の凹角部を登った一本目はどうにかトップアウトしましたが、左の完全に垂直でつるりとした壁は途中で力尽きてしまいました。情けない……。

結局この日は一本半で終了し、小雪が舞い散る中を赤岳鉱泉へ帰還しました。

炬燵に入って2時間程を過ごしてからの待望の夕食は、期待通りにステーキとポトフ。もっとも、この肉のかなりの部分は脂肪でしょうから、たんぱく質補給という観点ではあまり効果がないのかも知れません。

2016/02/28

■07:10 赤岳鉱泉 ■07:50-14:40 大同心大滝 ■15:00-15 赤岳鉱泉 ■16:10 美濃戸

二日目は快晴で、赤岳鉱泉の前からは赤岳がきれいに見えていました。

この日は一番乗りで大同心大滝に到着しましたが、朝一番は日陰で寒く、測ってみるとマイナス13度。保科ガイドがトップロープを再び張って下さる間に足先が冷たさで痛くなってしまいました。やがて、辛い待機が終わったところで早速トップロープでの練習にかかりましたが、一本目に登った左壁ではアックス(ノミック)が強い角度で刺さったまま抜けなくなり、仕方なくロープにぶら下がってもう一本のアックスで叩き上げて氷から外すと、そのままロワーダウン。気を取り直した二本目を正面から登って、ここで大休止としました。

頭上にヘリが飛来する場面もありましたが、あれは救助だったのか訓練だったのか?事故でなければよいのですが。しかし、他人のことを心配している余裕は実はなく、我々の仲間も飛んできた落氷を肩に受けて一時戦線離脱しましたし、私自身も眉間近くに氷の破片を受けてかろうじてバイザーに救われました。

太陽が南中する頃から谷筋に陽光が差し込むようになって、ぐっと暖かく過ごしやすくなりました。その頃には他のパーティーもやってきて賑やかになりましたが、皆この時間帯になると暖かくなることを知っての遅出だったのでしょう。

大休止の後はスクリューを使っての擬似リード二本と右寄りのカンテ状を一本の計三本を登りましたが、この二日間でずいぶん穴が空き、また暖かさで氷が柔らかくなってきていたにも関わらず、擬似リードではフリーで登りきる持久力がなく、コネクトアジャストを用いたアックステンションを交えないわけにはいきませんでした。

最後はアックステンションのみならずトップロープによるハングドックも交えて、それでも根性でトップアウトして終了。14時を回ったところで撤収モードに入り、赤岳鉱泉経由で美濃戸へ下りました。

大同心大滝初見参は楽しかったといえば楽しかったのですが、それにしても自分の非力さを再確認することになりました。うーん、多少は登れるようになっていると思っていたのに……とは言うものの、知らず知らずの内に培われていた慢心を戒めるという意味ではこれで良かったかも知れません。おかげで、まだまだ地道なトレーニングに励まなくてはならないことに気づかされましたし、来シーズンはこの滝をリードできるようになろうという明確な目標も設定できました。頑張ろう。