丹沢主脈縦走

日程:2011/02/13

概要:雪が降った直後の好天を使って、丹沢主脈を北側の焼山登山口からスタートして大倉まで。

山頂:蛭ヶ岳 1673m / 丹沢山 1567m / 塔ノ岳 1491m

同行:---

山行寸描

▲丹沢主脈を北から南へ。展望に恵まれた楽しいスノーハイクだった。(2011/02/13撮影)

建国記念の日の三連休は、八ヶ岳で易しいルートのパチンコを試みる予定でしたが、あいにくの荒天のために泣く泣く断念。それでも3日目だけは晴れたため、丹沢を歩くことにしました。どうせ歩くなら主脈縦走にするかと交通の便を調べてみたのですが、北側のバスの本数が非常に少なく、検討の結果、通常歩かれる南から北への縦走の逆コースをとることにしました。

2011/02/13

△07:20 焼山登山口 → △09:35-45 焼山 → △11:50-12:05 姫次 → △13:35-14:00 蛭ヶ岳 → △15:25-30 丹沢山 → △16:25-35 塔ノ岳 → △19:00 大倉

自宅を4時に出て山手線から京王線に乗り継いで橋本。そこから三ヶ木行きバスで終点まで行って、別のバスに乗り継いでやっと焼山登山口です。バス停の道路をはさんで反対側には神社があって手を合わせてから出発しましたが、東京近郊でもこんなに不便な場所があるのかと感心してしまいました。このバス停に降りたのは私と単独行の男性の2人だけで、単独行氏は道に慣れているのかさっさと歩いていってしまい、私は彼の後を追うかたちになりました(が、結局最後まで追いつけませんでした)。

しばらく車道を進み、途中で左に曲がって舗装路をどんどん進むと、橋を渡ってしばらく行ったところで山道の入口に達しました。ここから緩やかに高度を上げていくと、西野々からの登山道に合流して引き続き登り一方の道となります。1時間も歩かないうちにすっかり雪に覆われた尾根道になり、ひたすら歩き続けて焼山に到着ですが、ここまでエアリアマップに記載されたコースタイム以上の時間がかかっているので、これは長丁場になりそうだと覚悟を決めました。

引き続き緩やかに高度を上げる縦走路を先行者の足跡を辿るように歩き続けて久しぶりに姫次に到着すると、目の前に富士山が純白の姿を真っ青な空の下に見せていて、その裾野の広がりの雄大さに思わず声が上がります。できれば蛭ヶ岳まで進んで昼食休憩にしたかったのですが既に正午近くなので、ここでベンチに腰掛けて富士山を眺めながら食事にしました。

姫次からいったん下って大きく登り返すと丹沢の最高峰である蛭ヶ岳で、その手前ですれ違った登山者が予告してくれていたように山頂からの展望は素晴らしいものでした。富士山はもちろん、その右手には南アルプスの山々、振り返ればずっと辿ってきた丹沢主脈の山並み、その右手には大きく広がる関東平野。行く手には丹沢山や塔ノ岳、そしてその向こうに相模湾と真鶴半島が見えていて、大島の三原山がてっぺんを白く雪に覆われている姿もはっきり見えました。

ここで2度目の大休止をとってから、後は目の前に見えている山をつないで下るだけだと軽い気持ちで歩きだしたのですが、豈図らんや思ったようにスピードが出ず、ずいぶん時間をかけて到着したピークはまだ不動ノ峰。やっと丹沢山に着いたときには「これは、残業かも」と焦りが出始めました。

日が傾き、他に誰も歩いていない寂しい雪道をひたすら塔ノ岳を目指しましたが、途中の竜ヶ馬場は広闊な気分の良い広場という記憶だったのに鹿による食害を防ぐための植生保護柵がこれでもかというくらいに張り巡らされていて興ざめ。仕方ないんだろうけど、なんだかなあ……とぶつくさ言いつつ塔ノ岳に着いたときには小屋の中から宿泊客らしいおばさんたちのけたたましい笑い声が響き渡っていましたが、山頂には誰もおらず、ここからの相模湾方面の大展望を独り占めにしました。

既にお日様は富士山の方角にすっかり高度を下げていますが、後は大倉尾根を下るだけ。ただ、ここまではアイゼンなしで問題なく歩けたものの大倉尾根で氷化した下り斜面に足を滑らせそうになる場面に何度も遭遇し、仕方なく途中からアイゼンを履いて下ることになりました。最後はヘッドランプの灯り頼りの下降となりましたが、大倉からのバスは20時台まで走っているのでノープロブレム。思ったより時間がかかりはしたものの、青空と白雪と大展望に恵まれた縦走路の楽しさを反芻しながら下界を目指しました。