湯檜曽川東黒沢白毛門沢

山頂 白毛門1,720m
分類 上信越 / 沢登り
日程 2008/10/04
同行  
概要 湯檜曽川東黒沢白毛門沢を遡行し、白毛門山頂へ。土合方面へ下り、その日は「土合山の家」泊。
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白毛門最大の滝、タラタラのセン。上の画像をクリックすると、白毛門沢の遡行の概要が見られます。(2008/10/04撮影)
ご存知「三平岩」。確かに、故・林家三平師匠に似ている……ような気がする。(2008/10/04撮影)
白毛門。沢の源頭部がジジ岩の右から山頂に向かって突き上げている様子がよくわかります。(2008/10/04撮影)

上越の沢の中でも、白毛門沢は明るい渓相と易しさとで初心者向けの楽しい沢として知られています。沢に癒しを求める派の自分としてはぜひ一度遡行してみたいと思うものの、この一本のために土合まで行くのもお金と時間の効率がよろしくありません。そこで考えたのが、「土合山の家」をベースにして二日がかりで白毛門沢とゼニイレ沢を遡行するパチンコです。

2008/10/04

■09:00 土合駅 ■09:20-35 東黒沢入渓点 ■10:05 白毛門沢出合

朝一番の電車を乗り継いで土合駅に降り立ち、身繕いなど済ませてからおもむろに出発。この日は大快晴で、駅前から右手に白毛門の山頂がはっきりと見えます。その山頂の少し下に立つ岩峰のジジ岩も見えていて、どうやら楽しい遡行になりそうな予感。

土合橋の手前から駐車場経由で東黒沢の左岸の道を少し遡り、そのまま河原に下りたところで沢装備を身につけました。最初は数名のパーティーの後につくかたちになりましたが、ハナゲの滝を見上げるあたりで抜かさせていただき、あとは単独行の気楽さですたすたと登ると白毛門沢出合。右にそのまま東黒沢を詰めて行けば尾根を越えてウツボギ沢からナルミズ沢へつなげることができますが、今日の目的である白毛門沢はここに90度の角度で出合う左の沢。こちらに入ってすぐに6mのナメ滝を左から越え、5m横滝でずるずる滑ったり5mトイ状滝を右から慎重に越えたりするうちに、いつしか連瀑帯に入っていきます。

■11:25 タラタラのセン ■13:40-14:10 白毛門山頂

まず立派な10m滝は右岸の巻き道から越え、続く4m滝は正面突破を図ってセミになりかけ(ましたがなんとか突破し)、そして目の前に5m滝と15mタラタラのセンが現れました。「15m」という高距は文字にしてしまうと大したことがないように思えますが、実際には頭上はるか高いところから水を落としていてなかなか立派。ともあれここは、右岸につけられた巻き道を素直に辿ることにしました。秋晴れの日差しの下に水飛沫をあげるタラタラのセンは、今日のところは水量が少なめのようですが、巻き道の途中で真横から見るととてもその下に入れそうにない力強さを感じます。

明瞭な巻き道は樹林の中をずいぶん高いところまで続き、途中枝沢をまたいで沢筋に降り立ったところが6m滝の手前。今度は左岸の草付のバンドを辿ると4m滝を前衛として20mのナメ状滝となりました。ここは一見傾斜が緩く楽勝に思えますが、実際にはフリクション頼みで慎重に足の置き場所を選んでいかないと進退が窮まりかねないので要注意です。そしてナメ状滝のどんづまりには、有名な大岩が鎮座していました。てっぺんにもしゃもしゃの樹木を生やして、故・林家三平師匠を連想させることからついたあだ名が「三平岩」。これは『やっぱり山が好き!』のsudoさんの命名なのかな?もし違ってたら、どーもすみません。

三平岩を過ぎると連瀑帯は終わりで、ここから先は開けてきた前方に白毛門の稜線を見ながらの遡行。ぱっと見ゴールはずいぶん遠く見えますが、歩みを進めるごとにどんどんジジ岩が近づいてくるのが励みになりました。途中のフェイントのような二俣でまっすぐ行くとジジ岩とババ岩の間に通じるようですが、本流はいったん右に折れて、すぐにまた白毛門方向を目指します。

そこから先はどんどん傾斜が急になり、ジジ岩の横を通過する頃には水はほとんど涸れてきて草付の中のスラブ帯へと変わっていきます。白く乾いたスラブはフリクションがよくきき、手がかり足がかりにも困りません。連瀑帯も変化に富んで面白かったのですが、このスラブ帯も明るい雰囲気が楽しく、振り返れば登ってきた土合方面も見下ろせました。とはいえ、ところどころホールドの細かい急傾斜もあり、落ちれば止まりようがないので気は抜けません。さらに、最後は素直に左へ進めばよかったのですが、なんとなく右寄りに進んだ方が山頂に近いのではないかと錯覚したため、スラビーな岩をつないでのトラバースやIII+くらいのデッドなワンポイントも混じったりして、それなりにスリリングな登りとなってしまいました。それでも、ラストの笹薮漕ぎで一汗かくと、白毛門山頂からわずかに朝日岳寄りの登山道に飛び出しました。

待望の山頂には、写真撮影を目的に縦走してきた登山者がひとり、先行していた沢屋さんが一人。さらに、途中のスラブで言葉を交わした高齢者沢登ラー3人組(うち一人は68歳だと言っておられました)も山頂直下に登り着いて賑やかになりました。

■14:45 松ノ木沢ノ頭 ■16:05 土合橋 ■16:10 土合山の家

朝日岳方面の紅葉の風景を愛でながらのんびり30分ほども山頂に滞在してから、おもむろに下山開始。尾根道を下りながらスラブ帯方面をちらちらと眺めましたが、白毛門への登路として考えればジジ岩とババ岩の間を通るラインを辿るのも十分素直で、かつ楽しそうだと見えました。

さらに下れば、尾根上の開けた場所からタラタラのセンを遠望することもできました。静寂の中に滝の音も登山道まで届いていて、いい雰囲気。ただし、ここから下界までの道は長くて、ちょっとうんざりしてしまうのですが……。

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土合橋に降り着いて、徒歩数分であらかじめ予約してあった「土合山の家」へ。ここは初めて谷川岳に登ったときに泊まったことがあり、それ以来だから実に19年振りです。早速風呂に入ってさっぱりし、おいしい夕食をいただくとさっさと就寝して、翌日に備えました。

→「湯檜曽川ゼニイレ沢」へ続く。