平山

山頂 平山1,771m
分類 北海道
日程 2006/08/13
同行 K氏夫妻 / S氏
概要 北大雪のやさしい山・平山にワンデイハイク。
第一雪渓。お花畑と清流とがなんとも癒し系。(2006/08/13撮影)
稜線分岐。左800m平山、右1,800m比麻良山。(2006/08/13撮影)
平山をバックにS氏。おだやかな稜線が前後に伸びています。(2006/08/13撮影)

2006/08/13

■08:10 駐車場 ■08:15 登山口 ■09:50-55 第一雪渓

K夫妻・S氏との山行は、K氏のチョイスで平山のワンデイハイク。いかにも平凡な名前のこの山ですが、同じ稜線上の比麻良山とともに「ひまらや・ひらやま」と呼ばれて意外に有名で、層雲峡を挟んで表大雪の山々の展望台でもあります。林道を奥深く入ったところにある駐車場に車を停めて、わずかの歩きでトイレや案内図もある登山口となりました。

登山口から10分程で右から出合う沢をひとつ渡って、あとは左手の沢筋からちょっと上の斜面を徐々に上がっていく登山道を緩やかに登っていきました。この登山道は至るところに水が斜面から湧き出ていて、とても気持ちがいい道です。次の支流を渡るところで「行雲ノ滝」というしゃれた名前の滝を右奥に見送って、さらにわずかで左手の沢筋に「冷涼ノ滝」という今度はなんとも工夫のないネーミングの滝を見下ろしました。とはいえその滝の冷気は登山道もひんやりと冷やしてくれており、ちょっと足を伸ばせば(正確には斜面を下れば)滝の水にじかに触れることができます。

だんだん高度が上がり、左手の沢にかかるいくつかの滝を眺めながらふうふう言いながら登っていくと、エゾノリョウキンカの黄色い花と鮮やかな緑の葉が敷き詰められた顕著な二俣に出て、右俣の上部には雪渓も見えています。だいぶ雪が少なくなっていますが、ここが第一雪渓と呼ばれているところで、ここで大休止。冷たくおいしい湧き水をごくごく飲み、行動食をとってのんびり。

ここから左俣沿いの道を20分も登ると、道の左手にぼんやりした窪地のような斜面があって、コザクラのピンクやアオノツガザクラの黄色がちらほらと見られました。すっかり雪がなくなっていますが、ここが第二雪渓です。もう半月早ければさらに見事なお花畑になっていたでしょう。このあたりから頭上に稜線の柔らかい緑の曲線が望めるようになってきましたが、同時にその稜線をガスが覆い始めました。

■10:50-11:15 稜線分岐 ■11:35 平山

稜線に達したときにはガスがあたりを覆って、表大雪方面の展望はありませんでした。実は昨日の宿にチェックインする時点ではK氏はもっとずっと早立ちをしてガスを避けるつもりだったのですが、そのとき私が「えーっ、ホテルでゆっくり朝食をとってのんびり出かけようよ」という表情を露骨に出してヒデミさんにウケまくったため、稜線到着がこの時刻になってしまったのでした。皆さん、すみません……。

下からの登山道が稜線に達するあたりは横に長い台地状になっていて、大きなケルンの前には標識が立ち、平山頂上は左800m、比麻良山へは右1,800mと書いてあります。ガスに巻かれながらホテルが作ってくれたおにぎりの弁当を食べているうちにガスは若干薄くなり、近くのニセイカウッシュペ山の小槍から大槍にかけての稜線が見られ、左手の平山も全貌を現しました。

登りでちょっと足を傷めたというヒデミさんとK氏に稜線上の分岐に待っていてもらって、S氏と二人で左手の平山山頂に向かいました。岩がちの道の左右にはハイマツが広がり、セミがジージー鳴いています。やがて着いた山頂はだだっぴろい平らな地形の一角に「ひらやま頂上」と書かれた質素な山頂標識が立っているだけですが、一応これでも山頂は山頂。標識に向かって手を合わせ、「どうかフリークライミングがうまくなりますように」とワケのわからないお祈りをして(何せ「平山」だから)、来た道を戻りました。

■11:45-12:05 稜線分岐 ■12:45 第一雪渓 ■13:55 登山口 ■14:00 駐車場

比麻良山へ足を伸ばすことも考えましたが、ガスで眺めはないし、それにこの山はピークハントに汗を流すより、登りの豊かな樹林や花と水が楽しみの山のような気がします。ケルンのそばでのんびりして、K氏が分けてくれたグレープフルーツをおいしくいただき、眼下の岩場に出没するナキウサギやシマリスの姿を眺めながら、短くはありましたが穏やかで贅沢な時間を過ごしました。

下山の途中でも、岩場にナキウサギがちょろちょろ出入りしているのを見かけたし、その姿を写真に収めようとでかいレンズが付いたカメラを構えた若者二人組も見かけました。ナキウサギは実に楽しげに走り回っているように見えますが、実際には長い冬を過ごすための干し草の材料集めに余念がないのです。どんな生き物にとっても、現実というのはなかなかに厳しい……。

それにしてもヒデミさん、面白すぎます。けっこう疲れてバテているようなのですが、それがまったくつらそうに見えないし、滑りやすい道の下りに足をとられて尻餅をつき、驚いたS氏が「あぶない!大丈夫?」と心配顔で聞いても「うふふ」と自分で自分を笑っているのですから。結局、下山を始めてから登山口まで2時間近くかかったのですが、歩いているときは全然時間の長さを感じませんでした。それくらい楽しい仲間たちとの、楽しい山歩きでした。