塔ノ岳

日程:2003/06/21

概要:新しいトレイルランニングシューズのテストと体力テストを兼ねて、大倉尾根を塔ノ岳まで往復。

山頂:塔ノ岳 1491m

同行:---

山行寸描

▲大倉尾根名物「Stairway of Hell」。これを越えたところが花立。(2003/06/21撮影)
▲山頂直下の階段。明るい光、鮮やかな緑、蝉の声とひんやりした空気に迎えられる。(2003/06/21撮影)

今日は絶好の沢日和なのですが、夕方から都内で用事があるため時間の読めない山行はちょっと控えたいところ。そんなこともあって、最近買ったトレイルランニングシューズのテストと体力テストとを兼ねて大倉尾根を登ることにしました。以前、ランナーの場合は大倉尾根1時間半が最低線と現場監督氏から聞いたことがありますが、今回の目標はとりあえず2時間を切ること。なるべく涼しいうちがよかろうと始発電車・始発バスを乗り継ぐことにしましたが、土曜の朝の始発電車は混み混みです。夕べは徹夜で飲んでましたという風情の女の子たちが座席で爆睡していたりして、まったく親の顔が見たい!と朝からテンションが高くなってしまったのは、こちらが座れなかったひがみからかもしれません。それでもさすがに小田急線が多摩川を渡ったあたりからそうした輩は姿を消していって、渋沢駅についたときは逆にやる気まんまんの登山者たちばかりがホームに降り立ちました。渋沢から大倉へ向かうバスも超満員で座れなかったのですが、大した時間もかからずに大倉に到着してみると正統派(?)ハイカーの服装に混じって明らかにランナーらしい人の姿もちらほらと見られます。こちらはといえば、足はトレイルランニングシューズ、下はシェーラー生地のズボン、上は速乾性Tシャツ。背中のデイパックの中にはパンが二つとプラティパスのウォーターバッグ(中にはアミノサプリが2リットル)、タオル、替えのTシャツなどといういでたちです。

2003/06/21

△07:07 大倉 → △08:01 駒止茶屋 → △08:10 堀山ノ家 → △08:42 花立山荘 → △09:00-30 塔ノ岳(ここまで、いつもは5分刻みで表示していますが、今回の登りは1分刻みとしてみました。) → △09:55 花立山荘 → △10:25 堀山ノ家 → △10:40 駒止茶屋 → △11:35 大倉

大倉のバス停を7時7分に出発しましたが、涼しいうちにというもくろみは外れて既に十分気温が上がっています。考えてみれば夏至も間近で、1年でもっとも日の長い季節なのだから仕方ありません。ともあれ車道を小走りに進んで何人かのハイカーを追い越し、山道に入ってからは早足程度のスピードでぐんぐん進みました。最初の30分ほどは呼吸も安定せず、気温も高くて苦しかったのですが、ズボンを膝上までまくり上げ、チューブを使って小刻みにアミノサプリを補給しているうちに、徐々にペースが安定してきました。

大倉尾根はところどころに足を速められる平坦な区間もあるものの、ほぼ一方的な登りが続き、しかも階段が多いことで有名です。中でも花立下の階段は長くてつらく、「天国への階段」ならぬ「地獄の階段」と化しています。こちらの頭の中でもやはり、叙情的な「Stairway to Heaven」のメロディではなく「In My Time of Dying」のドンドドダドンド!というボンゾの強力なバスドラ連打が炸裂していてもう大変……。

花立山荘の前でデイパックを下ろし小休止しながら地図を見てみると、どうやらあと20分ほど頑張れば山頂に着けそうであることがわかりました。それなら十分2時間を切ることができる!と気付いて再び登りにかかって、後は脇目もふらずに足を進めました。山頂直下は空気もひんやりとしてシャワーのような蝉の声や沢筋からのカエルの声が耳に心地よく、明るい緑のトンネルを抜けるとひょっこり塔ノ岳の山頂に到着です。山頂広場中央の方向指示盤にタッチしたところでちょうど午前9時。スタートから1時間53分で登頂することができ、一応目標を達成することができて満足しました。

若い鹿が追いかけっこをしたりしているのを見ながら、山頂のベンチにすわって持参したパンを食べつつの小休止。事前に読んだ新聞記事でマラソンの高橋尚子選手が「体脂肪を減らすにはアミノ酸飲料を飲んでから有酸素運動をすると利く」と語っていたのを見ましたが、今日は朝食もとらず、途中の補給もアミノサプリだけで山頂まで到達できて、しかもシャリバテることもなかったのですから、これは確かに効いているのに違いありません。とすると、体脂肪はそれなりに減ってくれているはずだ……などとにんまりしながら来た道を、写真を撮りながらゆっくり下りました。本当は少し足を延ばして竜ヶ馬場あたりでゆったり風に吹かれようかとも思ったのですが、人通りも多いし気温もどんどん上がりそうなので、それはまたの機会にすることにしました。