水無川源次郎沢

山頂  
分類 関東周辺 / 沢登り
日程 2002/09/14
同行 にょんまい夫妻
概要 丹沢の源次郎沢を『にょんまい山日記』のお二人と遡行。ルートを誤って左俣をうろうろしたものの、最終的には右俣を詰めて花立に出、大倉尾根から天神尾根を下って戸沢出合へ帰着。
10m大滝。後方のリッジを登ります。(2002/09/14撮影)
CS滝とまいまいさん。向かって右側の垂壁を登りました。(2002/09/14撮影)
CS滝右壁を登る私。残置ピンは少なく、ランナウトします。(2002/09/14撮影)

2002/09/14

■08:35 戸沢出合

今回は、御存じ『にょんまい山日記』のにょんまいチームと御一緒することになりました。北海道の幌尻岳や斜里岳で渓流タビでの沢歩きは経験があるものの、いわゆる「沢登り」は初めてのお二人ですが、もともと登攀能力は高いものがあるので丹沢の沢ならきっと楽しんでいただけるはず、と踏んで行き先を物色しました。当初は西丹沢の鬼石沢も検討の俎上に登りましたが、あれこれあって結局選ばれたのが一般に初心者向きとされる源次郎沢です。ただし、この「初心者向き」というのは「安全な巻き道が整備されている」という意味であって、滝を全て直登すればけっこう手ごたえがあり楽しめます。

空模様を気にしながら7時半に渋沢駅で合流。にょんまいカーで一路戸沢出合を目指します。天気予報では終日降水確率50%でしたが、今のところはどうやら雨も降らずにもってくれています。荷揚げの人たち以外誰も見当たらない寂しい戸沢出合で装備を整え、おもむろに出発しました。出だしの滝はなんということもなくどんどん越えていき、最初の見どころは10m大滝。ここは滝の左にあるリッジを登り上で右に回り込むラインで、今日の組み合わせならロープなしで問題ないところですが、後々のことも考えてここで3人でのビレイシステムの確認を行うことにし、ロープ(9mm40m)を取り出しました。やり方は簡単で、私とにょんにょんさんがロープをハーネスに結び、まず私が先行して登り上に着いたところで確保態勢に入ると、ロープの途中に8の字を作ってまいまいさんのハーネスに環つきビナでセット。まいまいさんに登ってもらってから、ロープをたぐって最後ににょんにょんさんにも登ってもらうという仕組みです。したがってまいまいさんがハーネスに結びつけるのはロープの真ん中よりもトップ寄りのところでなければならない(そうしないと途中でラスト側のロープの長さが足りなくなる)のですが、先行した私がロープの長さの感覚を十分につかんでいないため適当な確保支点を探しているうちに登り過ぎてしまい、まいまいさんに登ってもらってみると最後は数m程ロープが足りなくなってしまったようです。これでは万一二人のいずれかが落ちたときにはもう一人も引きずり込まれ、私は二人分の荷重を支えなければならなくなるところでした。反省。

続いて大ポカ!大滝の上で沢は二俣になっており、本来のルートは右俣なのですがまったく気づかずに幅の広い左俣に入ってしまいました。しばらく登ると先にも顕著な二俣があってここを二俣だと勘違いした私は右に進むことにしましたが、すぐに伏流になってしまいます。ニセ二俣に戻って左へ進みましたが、面白い小滝が続くもののやはり以前来たときの記憶とは合致せず、「あぁ、やっぱりさっきのガレ沢が正解か。してみると最近崖崩れでもあって沢が埋まったのかな?」などと考えてしまいました。急な沢下りをこなしてニセ二俣に戻り再度ガレ沢を登ってみましたが、足下が砂地でずるずる滑る急斜面に恐い思いをしたり岩を金網で覆った古い堰堤が出てくるに及んでさすがに、二俣はもっとずっと下だと気づきました。

■11:30-45 二俣

にょんまいチームが沢下りを苦にしない技量をもっていたのに助けられて、やっと本来の二俣に戻り着くことができました。いざ着いてみると、確かに左俣に比べて入口が狭くはありますが注意していれば見逃すはずはない地形で、まったく私の不徳の致すところ……。1時間以上のロスになりましたがまだ昼前でもあるので予定通り右俣を遡行することにし、とりあえず15分間の昼食休憩。気を取り直して右俣に入るとすぐのところに見覚えのある滝が立ちふさがっています。ここは三段の滝と見ることも可能でしょうが、核心部は中段の5mです。再びロープを結んで、滝の左壁に取り付きました。案外フットホールドが細かいものの、残置ピンにこまめにランナーをとりながら登ると、上部で左からの巻き道と合わさって落ち口の上に立つことができました。セカンドはまいまいさん。途中でワンテン入ったものの、無事登ってきてくれました。ラストのにょんにょんさんも危なげなく登ってきてここはクリア。

しばらく進むと水は涸れてきて、やがて奥の二俣を左へ。「F8」の看板がかかったチムニー滝は実に見事な二段のチムニーで、自然の造型の妙に感心させられました。右から小さく巻くこともできそうですが、ここはチムニーの中にホールドを求めて突っ込んで行きたいところ。

そしていよいよ、本日のメインイベントとなる8mのチョックストン滝が現れました。まるで城塞の門のような迫力のある滝は落ち口に巨大なチョックストンをもち、左の壁がやや緩やかで残置スリングなども見えますが、観察してみるとそのスリングのあたりは乗り越すのがなかなか厳しそうです。一方、右の切り立った壁にも短いスリングが垂れておりホールドもつながりそうで、フリーソロではこちらを登る気にはなれませんが、今日はしっかりビレイしてくれるパートナーがいるので、面白そうなこちらの壁をリードすることとしました。ロープを着けて壁の取付に立ち見上げてみるとかなり立っていて少々恐いのですが、意を決して手を出しました。下半分は問題なく登っていって、真ん中の狭いレッジ状のところに乗り込むあたりがかぶり気味に感じられて少し嫌らしいものの、なんとか足場を確保してあまり信用できそうにない残置にクリップ。そこから細かいホールドを拾って右上し、危なっかしい態勢から(というのは私のムーヴの組み立てが悪いからですが)左手を伸ばしてしっかりしたホールドをとればここはOKです。あとは右壁をトラバースしてランナウトしながらチョックストンの上に出ました。自分の感じではIV級はあったと思うのですがどうでしょうか。古いリングボルトに確保をとってビレイ態勢に入り、後続は今度はにょんにょんさん、まいまいさんの順番で、お二人ともじっくりホールドを見極めながらノーテンで登ってきました。

■14:10-30 源次郎尾根 ■14:40-15:10 花立山荘 ■16:10 戸沢出合

チョックストン滝の先はこれといった滝もなく、詰めは気持ちのよい笹原をぐんぐん登って赤っぽい岩が右上に見えるようになるとすぐ、源次郎尾根の突端に飛び出しました。ここはなかなか眺めのよいところで、雲の下に大山や表尾根、その右に相模湾が見えていて気分爽快です。最後までなんとかもってくれたお天気に感謝しつつ、ここで足回りを取り替えてから源次郎尾根を左へ5分程も歩くと、大倉尾根の登山道に合流しました。少し下ったところにある花立山荘に立ち寄ってまいまいさんと私はラーメン、にょんにょんさんはなぜかかき氷を注文。あとは、大倉尾根を10分下ったところから左下に向かう天神尾根に入って、戸沢出合へ急降下しました。

17時に渋沢の駅でにょんまいチームと別れてから、自宅に帰ってシャワーを浴び速攻でお出かけ。私が属しているバンドのヴォーカルが以前属していたバンドが出演するライブハウスが目的地です。現地に着いたのは20時ちょうどで、トリを務めるお目当てのバンドとその前のもう一つのバンドを残すのみというタイミングでしたが、この「もう一つのバンド」が凄かった。ギターが後期のBOWWOWに在籍していた八重樫浩士氏で、存在感のあるサウンド・メイクとフレージングは会場を圧倒していました。曲はみな洋楽のカバーでしたが、Kansasの「Carry On Wayward Son」やTotoの「White Sister」が出てきて私は狂喜乱舞。なお、肝心のトリのバンドはけっこうコミックが入っていて、なんと言うか昭和30年代の和製喜劇映画のノリ(ってどんなんだ?)があり、違った意味で凄いバンドでした。