小川山廻り目平

山頂  
分類 関東周辺 / 黒澤敏弘ガイド
日程 2002/04/28-29
同行  
概要 初日はマルチピッチの「ガマルート」、二日目は「小川山レイバック」と「ダイヤモンドスラブ」の2本。

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ガマスラブを登るオグ。「ガマルート」の1ピッチ目でもあります。(2002/04/28撮影)

「小川山レイバック」(5.9)。小川山の歴史を作った超有名クラシック。(2002/04/29撮影)

「セレクション / ダイヤモンドスラブ」(5.8)2ピッチ目。スラブに慣れていないとかなり怖い。(2002/04/29撮影)

2002/04/28

■11:30- 廻り目平

9時に甲府駅前で『猫の森』の黒澤ガイド及び職場の同僚のオグと合流。信州峠を越えて川上村に入り、クライマー御用達の巨大ストア「NANA'S」で食料を調達。廻り目平に入ったのは11時半で、テントを設営してから岩場へ向かいました。

昨年も練習した懐かしいガマスラブでは、家族連れが楽しくわいわいと練習をしていました。小川山といえばスラブとクラックで、私自身スラブはまったく久しぶりだし、オグも昨秋に指を骨折して以来クライミングから遠ざかっていたので初心に戻った状態でした。そんなわけで、こちらもまずはTRでスラブ登りの練習をみっちり1時間程行ったのち、ちょっと長いマルチピッチの「ガマルート」(5.8)を登りました。1ピッチ目はガマスラブを登って左端へ。そこからロープを流すだけの歩きの後、3ピッチ目は出だしのスラブから易しい階段状を登って最後のディエードルをしっかりしたホールドに支えられてステミングで登りました。4ピッチ目も右斜めに歩きで、5ピッチ目はカンテ状からすぐ上の縦節理を登ります。このあたりから眺めもぐんと良くなって、眼下に廻り目平を見下ろせるようになってきました。気をよくしての6ピッチ目はおむすびのような丸っこいスラブでこれが一番嫌らしく、黒澤ガイドも5.9+くらいに感じたと言っていました。何しろ黒澤ガイドも含めて全員小川山は久しぶりなので、手のかけどころもなくソールのフリクションだけを信じて登るスラブにはついおっかなびっくりになってしまいます。7ピッチ目は短い岩の上の歩きで、8ピッチ目は簡単なフェースから斜面の上端を左へ移動すると岩かげのような位置に高度感が素晴らしい終了点があって、そこから長い懸垂下降で下りました。

幕場に戻って装備をテントに放り込み、金峰山荘の風呂につかってから、焚火を前にしてビールで乾杯。いつもの「王侯の晩餐」で目一杯フランスパンを食べ、ビールの後は澱酒やウイスキーで仕上がって22時には爆睡モードに入りました。この日、日中でも肌寒く時折雨がぱらつくような天気でしたが、テントの中は非常に暖かくぐっすり眠ることができました。

2002/04/29

■-17:00 廻り目平

朝はみそ煮込みうどんと磯辺巻きで目一杯腹を膨らませ、気温が上がってきた10時から親指岩にある「小川山レイバック」(5.9)へ。ここは小川山に来るクライマーの中で知らない人がいないというくらい有名なルートで、神様の造型としか思えないほどきれいなコーナークラックは、その名に反してジャミングの課題です。先客がトライしている間に、こちらは裏手に回ってテーピングの講習。手の甲をすっかり覆うようにテーピングしてから手近の岩の間に手を入れてジャミングの練習をしてみると、確かに全然痛くありません。そうこうするうちに我々に順番が回ってきて、まず黒澤ガイドがTRをかけてから私がトライしました。最初はレイバックで2〜3m上がってからハンドジャムとフットジャムの組み合わせで挑みましたが、手は決まらないし足は痛いしであえなくフォール。岩壁に点々とついている血の跡に怯えながら何度か試してみたものの途中のレッジ手前で前腕がパンプしてリタイアしてしまいました。オグが悪戦苦闘している間に呼吸を整えてから、再度トライ。結局テンションかけまくりながら辛うじて上のテラスまで登ることができましたが、5.9とはいってもクラッククライミングの経験がほとんどない私に対してこの名クラシックは「顔を洗って出直してきなさい」と言っているようでした。

この日最後は、屋根岩二峰南面の「セレクション」下部2P=「ダイヤモンドスラブ」(5.8)。親指岩からいったん駐車場に戻り、屋根岩方面へ20分程歩いて屋根岩南面の左サイドへ。1ピッチ目は出だしがちょっと怖いフェース(IV+)から分厚いフレーク状を足場に左のスラブ面を登ります。2ピッチ目が長めのスラブ(5.8)で傾斜は約60度、オグはここでも大奮闘になりました。続く私も最初はなかなかふんぎりがつかなかったのですが、意を決して指先程の大きさの岩の窪みを選びながら立ちこんでいくと、フリクションがしっかり効いて身体を上げていくことができました。だんだんスラブ登りのこつのようなものがわかってきたところで支点に到達して、今回はこれでおしまい。懸垂下降1回で取付に戻り着きました。

17時頃に廻り目平を辞し、再び信州峠越えの道を飛ばして甲府へ。渋滞に会うこともなくスムーズに甲府駅に到着し、折よくやってきた18時半過ぎのあずさに乗り込むことができました。