二子山西岳中央稜

山頂 二子山西岳1,166m
分類 関東周辺 / 黒澤敏弘ガイド
日程 2000/08/26
同行  
概要 二子山西岳の中央稜を一峰頂上まで突き抜け、西岳本峰を越えてローソク岩へ下りって起点へ戻る。ただし、中央稜の出だし3Pは今回は割愛し、左の易しいルンゼから登ってバンドを辿り大テラスへ到達するコースとした。

4ピッチ目。本能の命じるままに登る。(2000/08/26撮影)

2000/08/26

■10:40 登山道入口 ■10:50 股峠

『猫の森』の講習会ではたびたび登られている二子山へ。フリークライマーにとっては二子山は超有名ポイントであり、垂壁&マルチピッチの西岳、圧倒的ハングの東岳と、それぞれ性格の異なるフリーのコースが何本も引かれています。今回はクラシックな中央稜を登りますが、正統的なルートは下部3Pの厳し目のラインになるのに対し、今日のところは受講生である私とH氏が共に二子山初見参なので、左側の「II級ルート」から取り付いて大テラスへトラバースする「仮称スカイウォーク」というルートを採用することになりました。

二子山の北側の林道に車を停め、登山道の入口からわずかに登ると、西岳と東岳の鞍部にあたり立派な道標が立つ股峠。ここから西岳の南側に回りこんでちょっと歩くと、東岳の前傾壁のミニチュアのような祠エリアに着きます。石灰岩特有の夏のしみ出しで壁が濡れており、クライマーは誰もいません。さらにわずかに進んだところで境界杭を目印に道を右へ折れると取付点です。

■11:05-20 II級ルート取付点

落石を避けるために取付の右に寄ってヘルメット・ハーネス・クライミングシューズを装着。今日も例によって黒澤ガイドが先行し、我々が上から確保されながら登る手順です。なお、下記グレードは黒澤ガイドのホームページの記述。

1ピッチ目(50m/5.7)。II級ルートとはいいながら、夏草にホールドが隠された長いルンゼ状のピッチで、上に着いたときにはけっこう息が切れてしまいます。

2ピッチ目(20m/5.0)。これはすたすた歩けるバンドで、ここだけ黒澤ガイドをビレイポイントに残して我々が先行しました。着いたところは気持ちのよい大テラスで、ここで昼食休憩としました。眼下にはローソク岩が意外に低く見えます。また、本来の中央稜の下部ルートを上から覗き込んでみたのですが、切り立った崖を走るクラックのルートにぞっとします。

3ピッチ目(15m/5.8)。出だしの小さなハングは左から回りこめば何ということもありませんが、それでは面白くないしホールドもガバなのであえてチャレンジ。インドアで練習したボルダリングの要領で気持ちよく越えました。ついで膨らみ気味の壁に胸を突かれるようにしながら左へトラバースし、突き当たりの足下の突起に立ち上がって高度感のある乗り越しが、本日唯一うまくいかなかったところ。手を伸ばせばガバホールドですが、足を上げるところが悩ましく、左の外傾したフットホールドに左足をかけてガバを思いきり引き身体を上げたものの、実はそれでは次の一手が出せません。あせりながら右膝でスメアリング(窮したときの私の得意技(?)ですが、もちろんこんな登り方をしてはいけない)という情けない解決で逃げました。後から登ってきたH氏に聞くと、立ち位置の右に私が気づかなかったフットホールドがあって、そこに右足をかけながらなるべく遠くのガバをとればうまく上の段に上がることができたとのこと。

4ピッチ目(25m/5.9)。小さなスラブ状をあまり右に行き過ぎないように登って左へトラバース。フレークのアンダーをとって態勢を整え、ヌンチャクを回収してから、身体を振りながらクラック沿いに登ります。ここはあまり深く考えずに本能の命じるままに登ると、自然にビレイポイントへ導かれていきます。

5ピッチ目(35m/5.7)。テラスでコーヒーを飲んでから、ラスト2Pに入ります。左に回りこんでスラブ中央のクラックを登り、平らになったところから今度はホールドが豊かな岩壁をまっすぐ登ります。一般道を登って西岳頂上に着いていたおじさんが、ギャラリーになってくれていました。

6ピッチ目(20m/5.6)。リッジをダイレクトに登って、西岳一峰の頂上直下に到着。握手を交わして登攀具をはずしました。

■13:15-35 終了点 ■13:45 西岳山頂 ■14:05-20 ローソク岩

靴をスニーカーに履き替え、稜線を股峠とは反対方向に歩くとすぐに西岳山頂の標識。南に両神山のアップダウンの顕著な稜線が見えます。さらに直進して稜線が高度を落としたところから左へ逆落しに急降下すると、ローソク岩の裏手に出ました。両手両足を使う簡単な登りでローソク岩のてっぺんに立つと、目の前には垂直の二峰フェイスが圧倒的な高さと幅で広がっています。そしてお待ちかね、ローソク岩の突端はちょうど中央稜の見晴し台になっていて、自分たちがどこをどう登ったのか一目瞭然です。

■14:40 股峠 ■14:50 登山道入口

元来た道をゆっくり戻って、本日の全行程を終了。標高は低くてもアルパイン系のマルチピッチの楽しさを存分に味わうことができました。次に来るときは、今回バイパスした下部のコーナークラックに挑戦してみたいものです。