塾長の山行記録

塾長の山行記録

私=juqchoの登山の記録集。基本は癒し系バリエーション、四季を通じて。

裏妙義縦走

日程:1999/10/31

概要:横川駅から歩き始め、御岳、丁須の頭を越えて岩稜を縦走し、三方境から国民宿舎へ下山。

山頂:丁須ノ頭 1057m

同行:---

山行寸描

▲前日の表妙義・茨尾根のピークからの裏妙義。遠景はうっすらと浅間山。(1999/10/30撮影)
▲裏妙義のシンボル、丁須ノ頭。何をどうするとこういう形になるのだろう?(1999/10/31撮影)

1999/10/31

△07:30 横川 → △10:15 御岳 → △11:20-35 丁須ノ頭 → △11:45-12:15 チムニーの下り → △13:25-35 三方境 → △14:45 国民宿舎裏妙義

前夜泊まった高崎のホテルから始発の電車で横川駅へ。今日はここから登山が始まります。♫昨日はオモテ、今日はウラ〜と懐かしい『海賊王子』のエンディング・テーマを歌いながら、とても立派な麻苧の滝の前を渡って登山道に入りました。

夜半の雨は上がっていたもののどんより曇って眺めはなく、樹林の中の暑い道をTシャツ1枚になって脇目も振らずに登るしかありません。濡れた落葉で判別しがたい道を息を切らせながら登って、焚火の跡がある岩小舎を横目に道を進むと石碑の立つ御岳着。うっすらと信州側が明るくなっている様子に天候が回復するのではないかと希望を抱きましたが、結局この先は霧に巻かれることになりました。

ここから何本かの鎖をよじ登りましたが、昨日の今日なので何が出てきても驚きません。国民宿舎からの道を合わせるところで岩峰の基部を右にぐるりと回り込み、上に5m、右に15mの鎖をこなして裏妙義のシンボルである丁須ノ頭に到着しました。特徴的な岩のてっぺんには鎖がかけられていますが、登山者は皆これを登ろうとはせずに足もとで休憩しており、こちらもここで手短かに昼食をとってからそそくさと先を急ぎました。

丁須ノ頭からちょっと下って鎖で登り、岩峰を左に巻いて少し歩くと、チムニーの20mの下りで先行パーティー3組がつかえて渋滞していました。ロープを出して懸垂下降するパーティーもいましたが、自分の番になって実際に鎖で下ってみると足場はしっかりしているし背後の壁も使えるのでそれほど難しいわけではありません。ただ確かに腕力・握力を要するところもあって、下り着いたときには手のひらが痛く、また手の甲や指の関節に何カ所か擦り傷を作っていました。

歩きよい尾根道を進んで赤岩の基部に達し、鎖で下って細い木の足場のトラバース、続いて大岩壁に設置された鎖とアルミの桟道でのトラバースになりますが、いずれも危険は感じません。赤岩のトラバースが終わると今度は烏帽子岩のトラバース、ということになっているのですが、似たような道が続く上に霧のために見通しもきかず、自分がどこを歩いているのかよくわからなくなってきました。

やがて緩やかな坂道を下るようになると三方境で、道はここからさらに谷急山に続いていますが、今から往復(約3時間)する時間はなく、そもそもこの天気では展望も期待できません。それに実は先ほどからお腹がゴロゴロしているというネイチャーコーリングな理由もあって、今日の縦走はここまでとしました。というわけで、一休みしてから国民宿舎に向かって下っていきましたが、自然の欲求は次第に抗い難いものとなり、植林地に入ったところでとうとう道を外れて木蔭へ……(林業関係者の方、ごめんなさい)。この間に1パーティーをやり過ごしたのですが、何が幸いするかわからないもので、先ほど三方境での休憩時にリュックサックから出した山シャツを置き去りにしていたのをこのパーティーが拾ってくれていて、下の方でこちらが追い付いたときに声を掛けていただき、無事山シャツを回収することができました。

国民宿舎に着いてタクシーを呼び表に出てみると、曇ってはいるものの両妙義の稜線の岩峰を仰ぎ見ることができました。今回はパスすることになった谷急山ですが、いつかこの国民宿舎に宿をとってのんびりと登り、山頂から二つの妙義山を眺めたいものです。