塾長の山行記録

塾長の山行記録

私=juqchoの登山の記録集。基本は癒し系バリエーション、四季を通じて。

利尻山

日程:1990/07/28-29

概要:沓形から山頂に達し、利尻岳山小屋泊。下山は鴛泊ヘ。

山頂:利尻山 1719m

同行:スー氏

山行寸描

▲登山道から見上げた利尻山。ここからも長い登りが続く。(1990/07/28撮影)
▲長官山から眺めた利尻山頂。この後すぐ笠雲に山頂を覆われてしまった。(1990/07/28撮影)

◎「恵庭岳」からの続き。

1990/07/28

△07:30 沓形 → △09:50-10:00 五合目 → △11:20-12:10 避難小屋 → △14:00-10 三眺山 → △15:00 分岐 → △15:20-45 利尻山 → △16:00 分岐 → △16:50 利尻岳山小屋

札幌で同行のスー氏と落ち合い、小樽からの船に乗りました。早朝の沓形は曇り、利尻山は雲の中です。だらだらと続く平坦な道は、五合目で車道からの道と合流した後ようやく見通しが良くなってきました。

避難小屋でラーメンの昼食をとってからブロック造りの小屋を出てみると、山頂を覆っていた雲が取り払われて利尻山の無骨な岩峰が天空を指しています。この避難小屋は七合目ということになっていますが標高はまだ800mほどでしかなく、この上からやっと顕著な尾根上の登山道となりました。尾根上の急坂をひたすら登り続けると火事で黒焦げになったハイマツの上で三眺山に着き、全く唐突に西壁の大崩壊と仙法志稜の針峰群とが圧倒的迫力で眼前に出現しました。ここから一旦わずかに下るとお花畑帯で、オンタデの大群落の中にシシウド、エゾミソガワソウ等が混じって斜面を埋め尽くしており、ガレ場を越えると今度はイブキトラノオのピンクの穂が目立ちだしました。

鴛泊からの道に合流し、分岐にリュックサックをデポして赤ガレの急登しばしで、祠の待つ利尻山頂(北峰)に着きました。なんという素晴らしい高度感!タ方の冷たい風が吹き渡る北峰は中央峰方面を除いてぐるりと海に囲まれ、登り口となった沓形や明日下り着く鴛泊の町並みがはっきり見えています。さらに礼文島や北海道本島も近くに見えましたが、海と空との境目はぼんやりと灰色に溶け合ってはっきりしません。ローソク岩や中央峰はすぐ近くですが、さすがに疲れてそこまで行く元気はもうありませんでした。

尾根上を忠実に歩いて辿り着いた利尻岳山小屋は、満員を予想していましたが意外に空いていました。ここから振り返る利尻山は、すっきりとピラミダルな姿が格別な美しさ。小屋の中でウイスキーの水割りで祝杯を上げ、カレーの夕食を済ませた後に外に出てみると、海上に漁火がいくつも瞬き、山の上には円盤状の白い雲が広がっていました。

暗くなってから雨になりましたが、真夜中に女性2人を含む学生6人のパーティーが濡れ鼠になって到看。一歩間違えれば疲労凍死ものの危険な登山ですが、先住者から場所を譲られ、温かい飲物を分けてもらってしきりに恐縮していました。

1990/07/29

△05:10 利尻岳山小屋 → △06:55-07:00 甘露泉 → △07:50 鴛泊

雨は次第に収まってきましたが、御来光は望めないので早々に下山を開始しました。横着して雨具を上衣しか着けなかったため、丈の低いミヤマハンノキの枝葉の雫でたちまちズボンをびしょ濡れにしてしまい後悔。水墨画のような霧のかかったハイマツの尾根からトドマツ林に入り、小さな橋を渡るとあずまやが現れて道は左に折れ、日本百名水の甘露泉に着きました。適度に冷たい水で喉を潤し、ここから舗装された道をゆっくり下りました。