富士山

日程:2004/05/29-30

概要:初日は富士スバルライン五合目から吉田口頂上へ。吉田口五合目の佐藤小屋に下って宿泊後、翌日再び吉田口頂上へ達して、富士スバルライン五合目へ下山。

山頂:吉田口頂上 3710m

同行:---

山行寸描

▲富士スバルライン五合目からの富士山。この季節にしては雪が少ないのが一目瞭然。(2004/05/29撮影)
▲対岸からの剣ヶ峰。さすがにこちらはまだまだ雪が多い。(2004/05/29撮影)

この週末は奥秩父の沢に行く予定だったのですが、予定していたパートナーがクライミング中に膝を傷めてしまい計画は延期。しからばと、トレーニングのために富士山に登ることにしました。

2004/05/29

△11:40 富士スバルライン五合目 → △15:15-30 吉田口頂上 → △17:45 佐藤小屋

富士スバルライン五合目で昼食をとってからおもむろに出発。足回りはランニングシューズですが、念のため背中のリュックサックには登山靴・アイゼン・ピッケルを忍ばせてきました。しかし、今日はいい天気で山頂まで見通すことができて、この季節にしてはずいぶん雪が少ないのが一目瞭然です。

佐藤小屋への分岐を左に分けて、歩き慣れた登山道に入ります。八合目を越えて山頂が見えはじめるあたりから登山道上に雪がちらほらし始め、九合目の鳥居をくぐってしばらくしたところにはっきりと登山道が雪に覆われた場所が出てきますが、ステップがしっかり切られていてランニングシューズでも問題なく登ることができ、結局3時間半ほどで吉田口頂上に到着しました。近くにはテントがひと張りありましたが、これは高度順化のためのトレーニングなのでしょう。そういえば他にもテントが入っていると思われるリュックサックを背負った登山者を途中で何組か見掛けており、七合目あたりで言葉を交わした若者2人は水18リットルを担ぎ上げて上で2泊すると言っていました。

山頂では携帯電話が使えて、通話もメールもOK。小休止してから登山靴に履き替えて下山にかかり、そのまま佐藤小屋まで下りました。佐藤小屋の今日のお客は20人くらいで、その半分が外国人だったため食事の時間は日本語よりも英語が幅を利かせていた感じです。小屋のご主人は去年2回泊まった私を覚えていてくれましたが、すまなさそうに「明日の朝食がネタ切れで作れないんだけどいいかな?」。まぁ行動食もあるし3時間強の登りなら問題はないでしょう。食後、持込みの仕事を明かりの下でこなしましたが、回りの視線が気になってあまりはかどりませんでした……。

2004/05/30

△05:15 佐藤小屋 → △08:35-45 吉田口頂上 → △11:25 富士スバルライン五合目

ゆっくり5時まで寝ておもむろに起床。ほとんどの登山者はすでに出払っているようで、こちらも手早く身繕いをしてから出発しました。昨日と同様に、ゆっくりと・休みなくを心掛けながら歩みを続けます。朝のうちはいい天気でしたが、徐々に山頂を雲が覆うようになり、3時間20分で上に着いたときにはあたりはガスの中でした。眺めが良ければ剣ヶ峰へ足を伸ばそうかと思っていましたがそれは諦めて、さっさと下山しようと足回りを変えていると、昨日佐藤小屋で一緒になったカナダからの新婚夫婦が剣ヶ峰方向から歩いてきました。お互いに声を掛け合って話を聞いてみると、午前2時に出発して6時間強かけて吉田口頂上に到着し、剣ヶ峰まで行ってきたのだそうです。あいにく山頂はガスの中だったようですが、途中では美しい日の出も見ることができたでしょうし、彼らにとっていい思い出になったことでしょう。

下山の途中ではスキーを担いだ年配の登山者にも出会いましたが、例年に比べやはり今年は極端に雪が少ないらしく「まったく何たることか!」と嘆きながらやけくそで登っていると言っていました。お気持ちお察しします。こちらはすでに山行の目的は果たしているので、八合目の太子館でちょっとひなたぼっこをして休んだりしながら、のんびりと富士スバルライン五合目へ下りました。

今回は雪用の装備があって背中が多少重かったため五合目から上まで3時間は切れなかったのですが、次回は軽量化できるでしょうし、今回使わなかったストックも使用すれば3時間を切るのはそれほど難しくないでしょう。そういう意味では、昨年6月下旬頃の脚力を維持できているわけで一応安心です。

それにしても、七合目から上の山小屋で随所に有刺鉄線が使用されているのは気になりました。営業前なのでトイレなどを勝手に使用されたくないというのはわかるのですが、人を傷つけるための有刺鉄線を観光施設に堂々と使用する神経が私にはまったくもって理解できません。また、富士スバルライン五合目の施設も要再考です。水がとれないという制約はともかく、どこを覗いても判を捺したように1階が土産物屋、2階がレストランで、そのメニューも特色がまるで感じられないし値段も高いものばかり。観光施設としてはハード・ソフトとも魅力に乏しく、外国人をはじめこれだけ集客力がある場所としてはもったいない限りです。誰か腕利きのプロデューサーに全体のデザインを見直してもらってはどうでしょうか。