塾長の山行記録

塾長の山行記録

私=juqchoの登山の記録集。基本は癒し系バリエーション、四季を通じて。

剱岳(敗退)

日程:2003/10/11-12

概要:室堂から剱沢小屋に入り、翌日源次郎尾根を目指すつもりだったが、悪天候のためあえなく下山。

山頂:---

同行:トモコさん

山行寸描

▲剱沢小屋からの剱岳(入山日の眺め→予定していたルート→登攀予定日の当日朝の様子)。(2003/10/11-12撮影)
▲夕焼けの剱岳。これは翌日の悪天候の前触れだったのかも。(2003/10/11撮影)

8月に赤木沢に登ったときにトモコさんと「次は剱岳の源次郎尾根」という話にしていたのですが、それだけでは面白くないといろいろ調べてみると、源次郎尾根II峰の平蔵谷側にあるABフェースや本峰南壁A2あたりがピッチ数もグレードも源次郎尾根につなげるのに手頃であることがわかりました。10月の連休ともなればいつ雪が降ってもおかしくない季節で、実際9月の下旬に一度降雪をみてはいたのですが、剱沢小屋に電話を入れてみたところでは稜線上はおおむねコンディション良好とのことだったので、三連休初日に剱沢小屋でトモコさんと合流し、2日目に源次郎尾根を登り途中でABフェース、さらに正午までに剱岳山頂に着けばその日のうちに本峰南壁A2を狙うことにし、時間的に無理であれば南壁は3日目に回す作戦を立てました。

2003/10/11

△08:00 室堂 → △10:00-10 別山乗越 → △10:40 剱沢小屋

「さわやか信州号」で室堂に着いてみると、高曇りではありますが眺めは悪くありません。あたりの紅葉はくすんだ感じでさほど美しくはありませんが、室堂乗越の向こうに剱岳の姿も見えています

ミクリガ池の左から地獄谷に下り、雷鳥沢を渡ってゆっくり別山乗越を目指すと後ろの室堂の箱庭のような眺めがだんだん遠くなって、やがて別山乗越に到着すると目の前に剱岳の見事な三角錐が現われました。

剱沢の向こうに聳える剱岳は右にギザギザの八ッ峰の稜線を翼のように広げており、その手前に源次郎尾根も、また山頂直下には南壁もはっきり見えました。遠くには白馬岳から南へ伸びる後立山の山並も見えており、その下の方は紅葉が鮮やかであるようです。カメラ休憩の後に剱沢の右斜面をからむ道を下りましたが、道筋には先月末の雪が少し残っていました。

剱沢小屋に到着した時刻はまだ10時40分で、軽荷で剱岳往復くらいならできそうな時刻ですが、明日に向けて体力を温存することにしてストーブががんがんたかれた談話室にたてこもり、備付けの岩場の解説書やマンガをのんびり読みふけりました。トモコさんは16時頃に到着しましたが、聞けば扇沢まで車で来て1時間の仮眠後、黒部ダムから内蔵助平を通り、ハシゴ谷乗越を越えて真砂沢ロッジから剱沢を登ってきたのだそうです。う〜む、健脚……と感心したものの、実は私が小屋に着いて受付をしているときに小屋のおっちゃんから気の毒そうに「明日は天気悪いよ」と言われていたのでした。

2003/10/12

△06:30 剱沢小屋 → △07:05 別山乗越 → △08:30 室堂

日付が変わる頃から雨音が聞こえており、出発予定時刻の5時に外の様子を窺うと、雨はそれほどではないものの完全にガス。天気予報もこの2日間の悪天候を告げており、残念ながら今回はこのまま下山することにしました。雨具を身に着けて剱沢小屋を出発し、別山乗越を過ぎると急に風雨がきつくなりましたが、それも室堂に向かって高度を下げると次第に収まって、雲の下に出ると草紅葉がしっとり濡れてきれいでした。

室堂からはアルペンルートで扇沢へ下ります。大観峰から見下ろす紅葉に息を呑んだり、黒部ダムの放水に目を丸くしたりしながら扇沢の駐車場に着いて、トモコさんの車で向かった先は大町温泉郷。ゆったり湯につかってウェアをさっぱりしたものに着替えてから、松本まで移動して駅の近くのとんかつ屋「たくま」に入り、恐ろしいボリュームのヒレカツ定食(large)をなんとかたいらげた後に、捲土重来を誓い合ってトモコさんと別れました。