千住博展

2006/12/09

山種美術館で「千住博展」を見ました。アメリカ・フィラデルフィアに保存されている和風建築「松風荘」にはもともと東山魁夷の襖絵があったのですが、管理が行き届かず修理を要することとなったため、新たに千住博氏が襖絵を制作することになったそうで、今回の展示はその襖絵を中心に作品を展示するものです。

実は展示スペースのほとんどが、襖絵に描かれた白い滝に埋め尽くされていました。遥かの高みからどうどうと落ちる水が水面に水煙を巻き上げている様が様式的でありながらリアルに描かれていて、見ているだけでマイナスイオン効果を得られそう。ただ、確かに美しく、あるいは荘厳でもあるのだけれど、さすがにこればかりでは展示としてはちょっと単調。一応これら以外にも、暗く胸を締め付けられるような空虚感が漂うビルのシリーズや、木目を波に見立てた作品、ルソーのような熱帯植物が穏やかな色合いを見せる《南方》などが奥の部屋に展示されていて救われましたが、あくまで今回は滝のシリーズ=松風荘の襖絵を主役とした、特殊な企画と考えた方が良さそうです。