第1回日経日本画大賞展

2002/11/10

ニューオータニ美術館で「日経日本画大賞展」を見ました。

「東山魁夷記念」と銘打たれたこの賞は、「21世紀の美術界を担う新進気鋭の日本画家を表彰する」ことを趣旨として設立されたもので、これが第1回。過去2年間に発表された諸作品の中から全国の美術館学芸員、大学教授、研究者、評論家、ジャーナリストなどの推薦を受けた47作品をさらに6名の選考委員が絞り込んだ14作品が入選作とされ、一堂に展示されています。画材と技法だけは日本画「らしさ」がみられるものの、テーマや表現法は何でもあり。大賞を浅野均氏の《雲涌深処》と分け合った内田あぐり氏の《吊された男-'00M》はほとんど溶けかかったようなフォルムが異様だし、これを含めて出展された14点のうち5点が抽象作品。また逆に日高理恵子氏の《空との距離 I》のようにスーパーリアリズムの系譜を思い起こさせる作品もあって、一口に日本画と言っても一筋縄ではいかないものだと再認識しました。

なお、私の好みは下の3点。屏風絵・襖絵を紹介している関係で横に長いものばかり……。

手塚雄二氏《風雷屏風》。会場には左半分の風神しか展示されていなかったのですが、装飾的な金箔・金泥の向こうに「怒」を発して中空を圧するその姿は物凄い迫力です。
梅原幸雄氏《花筏》。葉を茂らせはじめた3本の桜の木の奥に、水面を埋め尽くす桜の花びらが、昼とも夜ともつかない不思議な淡光の下でさざめき輝いています。
千住博氏《大徳寺聚光院別院襖絵 砂漠》。画面の上半を占める空は暗いが、写真のように細密に描かれた砂漠の上には乾いた烈光が白い影を落としており、画面左側の孤独な僧の姿がいかにも儚い。