高山辰雄展

2001/10/13

久しぶりの日本画鑑賞はまたもや日本橋高島屋で高山辰雄。「2001日月星辰展」と題して、50号14点、150号1点、屏風6曲1双3点、合計18点の新作(他に銅版画もある)を並べた今回の展示は、明治45年生まれの画家がなお旺盛な制作意欲をもって画面に向かい続けていることを示しています。前回の「高山辰雄展」は画業70年の回顧展でしたが、こうしてみるとこの画家は「回顧」されるにはまだまだ早すぎるようです。

会場はゆったりと場所をとってそれぞれの絵をじっくりと見せており、特に三方の壁面に6曲1双の大作3部を並べた主室は圧巻で、まん中のソファーに座って遠くからぼ〜っとこれらを眺めていると時間のたつのも忘れてしまいます。

《雲煙に飛翔》(6曲1双)。理想郷のような山の中の小川沿いの集落が右隻に描かれ、左隻に鳳凰が飛翔しています。
《梅薫る夕べ》(150号)。写実的でもあり心象風景的でもあり、懐かしさと不安とを同時に感じさせられる作品。
《女の子》(50号)。さまざまな色を点描で画面に置いた背景の前に立つ少女。《梅薫る夕べ》もそうですが、ぼうっとした背景の方がむしろリアルで、存在感の確かな少女の姿がかえってこの世のものではない浮遊した印象をもたらすのが不思議です。
《部屋の中》(50号)。朦朧とした彩色と点描が中心の作品群の中にあって、輪郭線がひときわ鮮烈な作品。女性の横顔や静物のしっかりした質量が安心感を与えてくれます。