寿曽我対面 / 団子売

2001/01/08

初春の歌舞伎座は坂東八十助改め十代目坂東三津五郎襲名披露。八代目と九代目は八十助→蓑助→三津五郎と名乗りを変えましたが、先代が「蓑助では『竹が衰える』で縁起が悪く息子には蓑助を名乗らせたくない」と言っていたこともあり、四十代での三津五郎襲名となったのだそうです。幕見で夜の部2幕目の「口上」から入りましたが、幹部陣打ち揃って襲名を言祝ぎつつ、毎度のごとくそれぞれにアドリブとひねりを効かせています。今回は幸四郎丈が先代との風呂場での裸の稽古のエピソードを披露し、左團次丈が「逃げた女房にゃ未練はないが……」、菊五郎丈が「テレビや週刊誌に話題を提供して……」と八十助丈の離婚騒動をちゃかして満場の笑いをとっていました。

寿曽我対面

さて、お正月といえば曽我物。中でも「寿曽我対面」は江戸の芝居では新春に必ずかかった出し物で、去年の正月は辰之助丈の曽我五郎、菊之助丈の曽我十郎、富十郎丈の工藤祐経という配役で観ましたが、今回は三津五郎丈の曽我五郎(荒事)、菊五郎丈の曽我十郎(和事)に座頭格の工藤祐経を團十郎丈が演じ、その他の役もオールスターキャストの豪華版。工藤祐経から杯を与えられた曽我五郎が親の仇を目の前にして内心の葛藤を表わしながらじりじりと近づく場面は、何かあればすかさず止めようと後ろからにじり寄る兄・十郎、堂々と五郎の殺気を受け止める工藤祐経との緊迫感溢れる構図が観ている方も息苦しくなるほどです。

団子売

うってかわって楽しい舞踊劇。三津五郎丈は踊りの名手。同じく踊りの達者である勘九郎丈と夫婦を演じて、仲の良い夫婦が餅を搗いて丸めて団子にして売って歩く市井の描写を踊ります。短いながらも文句なしに楽しく華やかな舞踊で、正月らしい気分に満ちた一幕でした。

配役

寿曽我対面 曽我五郎 坂東八十助改め三津五郎
曽我十郎 尾上菊五郎
大磯の虎 中村雀右衛門
化粧坂少将 中村芝雀
喜瀬川亀鶴 尾上菊之助
秦野四郎 市川新之助
八幡三郎 尾上辰之助
近江小藤太 中村橋之助
鬼王新左衛門 松本幸四郎
小林舞鶴 中村芝翫
工藤祐経 市川團十郎
 
団子売 杵造 坂東三津五郎
お福 中村勘九郎

あらすじ

寿曽我対面 → [こちら