細江英公の写真1950-2000

2000/12/23

自宅から歩いて数分のところにある松濤美術館で、写真家・細江英公の写真展を見ました。

1933年に米沢に生まれ、幼少期より東京で育った細江英公は、写真を「被写体と写真家の関係の芸術である」と定義し、モノクロームの演劇性の高い作品群を生み出してきました。土方巽(舞踏家)、三島由紀夫(小説家)、四谷シモン(人形作家にして「状況劇場」の女形)、大野一雄(舞踏家)らとのコラボレーションや、より抽象化された男女の肉体、ガウディの神秘的な建築物などとの感応により生み出された200点もの作品は、2フロアの会場の壁面を埋め尽くして圧巻ですが、それぞれが初出の作品集の順番にカテゴライズされていて非常にわかりやすい展示です。それにしても、上記の4人もそれぞれのジャンルで一種「異形」の存在ですが、それをあるときは緻密に演出し、あるときは被写体とともに走り回りながら撮影し続けた細江英公もまた、異形としか表現のしようがありません。

最後のコーナーで、細江英公の過去の作品を投影した横に彼の活動を支えてきた友人・知人たちが立つ穏やかなカラー写真の一群が展示され、ほっとさせられました。それほど、細江英公のモノクロームの写真には息が詰まりそうなくらいの緊張感を強いられていたのです。